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はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説
その石段、通るべからず
一方、兼行は「内申なんか知るかっ!」と、強気な抵抗をみせた。
「ふーん」と、矢儀は余裕の笑みで応じる。
「副部長たる者、部活にも出んとはねぇ。素行不良で、また親が呼ばれても知らんぞ」
兼行には"親"が一番効く。
案の定、天然パーマの頭を力任せに拭いていた兼行は、一瞬で顔を朱に染める。
「んなら、幽霊部員はどうなんか! ヤツは、ちっとも顔を出さんぞ!」
悔し紛れの反論など、痛くも痒くもない。
矢儀は、二枚目の雑巾に手を伸ばしながら、さらりと答えた。
「あいつはええの。郷研存続のための頭数ってだけじゃから。だいたいヤツは他で忙しいし」
「幽霊、部員?」と、織田村が不思議そうに聞き返す。
兼行には聞こえていたのか、いなかったのか。
「んじゃあ俺も、今日から幽霊部員になるわ」と、織田村の問いは無視して、言いたい放題だ。
矢儀は唇を窄めて「ほぉ?」と、芝居がかってみせる。
「兼行は、郷研以外に入れる部があるん?」
さすがに、余計な一言だったか。
思い切り雑巾を投げつけられた。なかなか良い肩だ。
矢儀は、結構な威力で飛んできた雑巾を、顔の前でキャッチする。
「帰る!」と、兼行は捨て台詞を吐き、カバンを手に取った。
「僕も、帰ります」
しれっと、織田村が便乗する。
背を向けようとする二人に――いや、正確には、兼行に問うた。
「四年前の転落は、事故だったんだよな?」