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表紙

 

 

こっそり

再開してます(笑)

 

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嬉しいですニコニコ気づき

 

 

はじかれ者中学生3人が『禁忌の石段』の謎を解くミステリー小説

ケ・ハレあらすじ

まずは、あらすじから読んでいただけると嬉しいです

 

①ケ・ハレ 序章(神の放物線)

学校内転落事故のゆくえ

②ケ・ハレ 第一章(禁忌の石段)

その石段、通るべからず

 

 

 

 

「いいや、第一発見者は小学生じゃったらしいよ」

 美紀(みき)はどうでもよさ()に答える。

余所(よそ)から遊びに()ちょった子って聞いたわ。まぁ、未遠(みとお)(もん)じゃったら、そもそも石段には近づかんしね」

「じゃけど、おまえの息子は近づいたんじゃろ?」

 (みのる)が、また、くだらない(よこ)やりを入れる。

 美紀は、目だけを動かして、稔を(ひと)(にら)みした。

「ちょうど夏休みの補講(ほこう)帰りじゃったんよ。石段の下で大人(おとな)らが(さわ)いじょったら、そりゃあ気になるやろ」

 ()()は、再び稔が余計(よけい)一言(ひとこと)を口にする前に、()()んだ。

「では、石段から落ちて亡くなった方も、余所の人だったんですか?」

「ほうよ。四十代(なか)ばの男性じゃったらしいよ」

 美紀の返答に、また稔が、横から口を出す。

「じゃけど、それ以前の二人は、どっちも(うえ)(もん)じゃったんよの」

 稔の(くちびる)が、片方(かたほう)だけ大きく()()がった。

 美紀は「まぁ、(うえ)は……ねぇ」と、言葉を(にご)す。稔と同様に、やはり、どこか見下(みくだ)した(ひび)きがあった。

稔が、意気揚々(いきようよう)と続ける。 

「しかも、一月(ひとつき)もせん(うち)に、立て続けに落ちたって聞いたぞ」

 稔の話に、記憶(きおく)(よみがえ)ったか。美紀は「ほうほう」と、人差(ひとさ)(ゆび)指揮(しき)(ぼう)のごとくブンブンと()る。

「私も昔、ばあちゃんに、よう聞かされたよ。二人とも戦地(せんち)から帰ってきたばかりの、若い男じゃったって」

戦地?

 矢儀は、想像以上の時代のズレを感じ、(あらた)めて()うた。

「すみません、確認ですが、一人目と二人目の事故は、いつ(ごろ)起きたのですか?」

 稔と美紀は、きょとんとした面持(おもも)ちで、見つめ合う。

 しばしの沈黙(ちんもく)(あと)、美紀がゆっくりと口を開いた。

(くわ)しくは知らんけど、戦後(せんご)混乱期(こんらんき)よ。じゃけぇ、昭和二十年代とは思うけど。まぁ、時期が時期じゃし、あっさり片づけられたって聞いたわ」

「そりゃあ、上の者じゃったからじゃろ」

 稔は、ことさら”上の者”を(さげす)む。

 いったい、”上の者”とは、どういう意味だろうか。

 矢儀が推測(すいそく)する(あいだ)にも、稔の口は止まらない。

 

 

 

 

 

 

 


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