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もう機種変しかない。

一刻も早く通話が出来るようにしないと、

心の拠り所を失う気がした。

 

根本的な問題は、

コロナのせいで面会出来ないことだけど。

 

 

 

ドコモショップは近隣にいくつかあるが、

「マイショップ」登録店は5日先しか空きがなく、

一番早い予約が取れそうなのが、初めて行く店舗。

 

まずは、iPhone SEの確保だ。

iPhone 7と全く同じ形状のSEなら、

やっと操作を覚えた夫もすぐに使えるはず。

 

オンラインで押さえようとしたら在庫なし。

店舗に問い合わせて在庫確認せよ、とのことなので電話した。

 

都合良く、白と黒が1台ずつあった。

それを確保して、その電話でそのまま2日後の来店予約。

 

そして2台機種変する事情を聞かれるままに説明した。

夫が入院していること、夫側のスマホが故障したこと、

私が代理で手続きしたいこと。

なんと、事情が事情だからと、

委任状なし手続きを可能にしてくれた!

 

夫の物は全て私の手元にあり、

身分を証明する物もなんでも揃っている。

それさえあれば、OK! ありがとうドコモショップ○○○○店!

 

 

 

ところが、翌日。

そのショップから電話があった。

 

ご主人様のスマホ、法人契約ですね?

 

そうだった!

夫個人ではなく、会社名義にしてあった!

 

そうなると、前日のような融通は全く利かないようだった。

 

委任状、絶対。

 

え?無理ですよ?

利き手側が麻痺してるんですよ?

今後、リハビリで左での筆記も訓練するでしょうけど、

今の段階では無理ですよ?

 

ちょっと食い下がってみたものの、

電話の向こうのお姉さん(←昨日とは違う人)は、

出来ません

しか言わないのだった。

 

 

 

 

仕方ないので。

一度は試してもらおうと、ドコモサイトから委任状をDL、

4枚プリントして、1枚に私が見本を記入、

失敗してもいいように予備含め3枚と、

どうしても急いで委任状が必要な事情と、

書けなかった場合のプランBがあることを説明した手紙を持って、

病院に向かった。

 

もちろん行ったからといって会えるわけではないので、

看護師さんに託す。

受付カウンター前の待合で「ここで待ってますから」と言って。

 

わずか10分ほどで看護師さんが戻ってきて、

夫が自分の名前を左手で書いた紙を持って来てくれた。

筆圧も弱い、か細い線で、

そのフルネームの漢字を知っている人にしか、読めない字だった。

 

その場で、床にのめり込んでしまいたい程、後悔した。

 

やっと、

「出来なくなってしまったこと」

「動かなくなってしまった半身」

と向き合おうとし始めた夫に、何ということをさせてしまったのか。

 

 

 

 

字が書けない、委任状に記入出来ない人のスマホが故障して、

本人がショップに出向くことも出来ない場合の、

救済措置はないのだろうか。

最新機種が出たから変えよう、ではなく、故障なのに。

筆跡鑑定するわけじゃないから、

誰かに書いてもらえばよかったのだろうか。

私が左手で書いてもよかったのではないか。

 

プランAは試すべきではなかった。

最初からプランBにしてしまえばよかった。

 

でも、プランBでいこう、と決めてショップに行ったら、

思いの外、何もかもスムーズに運んだ。

 

つづく。

 

 

 

 

2年前、アルコールを持ち歩くようになってから、

ずーっとこれ。

誰からも絶賛される「シトラスヒノキ」の幸福な香り。

 

詰め替えも。