前回、入院中の夫にスマホを渡した時の様子はこちら ↓

 

 

スマホのロック画面を解除するパスコードを伝え、

早速、夫から電話があったことまでを、先日記事にした。

 

翌日。

 

再び掛かってきた。

 

ああ!繋がったね!

じゃあ、もう1回やってみる!

 

と言ってすぐ切れた。

 

そしてまた掛かってきた。

 

今度は少し話した。

 

夫の説明によると、

スマホを操作して電話を掛けるのが難しい

らしい。

 

左手しか使えないから操作も難しいのだろうが、

パスコードを忘れて解除出来なかったという以前に、

そもそもの「スマホの使い方」を忘れている様子。

 

だから横に看護師さんが付いて、手伝ってくれればいいが、

一人では電話が掛けられないのだという。

 

これは脳卒中の後遺症の高次脳機能障害の一つ。

 

当たり前に出来ていたことが、出来なくなってしまうのを、

自分で認めるのは辛いと思う。

それとも「出来ていた」ことも忘れているから、

単に「この作業は難しい」と感じるのだろうか。

 

紙に手順を書いたマニュアルを用意するのはどうか、

と提案してみた。

それを見ながらだったら、電話出来るようになるんじゃない?

 

それいいね!

それなら出来ると思う!

 

じゃあ、すぐに作って届けるね。

 

はい。

すぐに作ってみましたよ。

 

 

これをプリントして病院に届け、

家に戻って電話を待った。

 

「タップする」は言葉として難しそうだったので、

全部「押す」で統一。

 

 

 

その日、3度目の電話が掛かってきた。

このマニュアルでも、今の夫には少し難しいらしい。

何回かやれば慣れるかな? と言っていた。

 

そして、

 

(脳の回路が)切れてるんだって。

 

と言い出した。

 

「だから、

もう、○○ちゃんのお世話にならないと

生きていけないみたい」

 

突然、何を悟ってしまったの?

 

(リハビリは)頑張るよ、頑張るけど・・・

 

その日の会話はそんな感じでちょっと暗く終わった。

 

 

 

危惧していた ↓

 

 

頑張ってもどうにもならない身体の不自由を、

いつ、はっきりと悟ってしまったのか。

スマホ一つ扱えない自分に愕然としたのだろうか。

 

そしてその日以来、電話がない。

 

 

 

だから、この通話のあと思い出した、

 

ロック画面でも

Hey  Siri.

 

で、電話が出来ることを、まだ伝えられていない。

 

つづく。