はっとして
顔をあげた青年(19)の
目の前に現れたのは、



ノックもせず
目の前に現れたのは、





以下、
1997年9月上旬
ある朝のはなし

真顔












「○た○らさんですか? 
 さっぽろから 
 暑中お見舞いが届いています

 おにいさまからのようですね」



 「受領書にサインをお願いします🙏」





 青年(19)
 日本郵便の宅配ドライバーさんに
 労いのことばをかけて



 蒸し蒸しとした自室に戻り、



 買ったばかりのソファに
 腰をうずめた。



 兄(23)から届いた
 暑中お見舞いをしばらくのあいだ
 ながめ、



 裏面
 表面
 メッセージに目を落とした。















○う○け君 元気ですか?
夏バテしてませんか?

ニーチャンは少し疲れてます。
でも元気。

休日はバイクに飲って乗って
歯医者に通ってます。

仕事は増えてきて帰りも遅くなってます。
でも元気。

なんといっても
もうすぐスキーの季節
ムハハハハ

これから忙しくなるだろうけど
頑張って下さい。

こっちは5月までスキーができます。
また遊びに来て下さい。

10月に一度帰ります。
では





 






 表面にはそう印字されていた。



 赴任地北海道からの
 メッセージ。






裏面

(リメン)





 2024年3月14日(木)現在
 


 返事はまだ、していないのだな真顔





返事の替わりにこの曲を





遠い街から

今井美樹






作詞 : 今井美樹
作曲 : 久石譲
編曲 : 久石譲


暮れゆく街角に 冬の匂い漂う
あなたのいない初めての が舞い降りてくる
届いたはがきに 懐かしい癖の文字
優しい言葉にあなたの笑顔が 映っている



外はイルミネーションが
星屑のように光る
浮かれた気持ちで 時を過ごすざわめきたち
淋しい心に響く








御堂筋





あなたと歩いてた 街を一人歩こう
遠く離れても 続く空から
雪は降りる



離れた時間に今も慣れないから
返事のかわりに電話をかけよう
遠い街へ















新しい年が明けて
の季節の頃に
約束通りここへ
あなたが帰ってくると思うだけで
この胸がせつない













あなたと歩いてた 街を一人歩こう
さみしさは風が さらってへと
飛んでゆくわ








兄は、









両親からの


























贈り物だと思うのだな


は、はずい…💦









ゆうべ見た映画


『ぼくたちの家族』



公開

2014年5月24日


監督・脚本

石井裕也


原作

早見和真


出演

妻夫木聡(長男)

池松壮亮(次男)

原田美枝子(母)

長塚京三(父)





ワレワレの家族と
共通点が多々ある家族なのだな真顔