ロクスノ64号 | Talk Like Climbing

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山男洲鎌猛雄の山・クライミングとそれにまつわるエトセトラのブログです。

なお、いかなる団体、企業とも関係ない一個人のブログです。


久し振りに書評などを。

ろくすっぽ山に行けていない身ですので、読み飛ばしてもらってもいいです。

トレーニング特集は、結局以前から連載していた千葉さんや、今回はないけど以前連載していた加藤さんの方が説得力ある気がした。やはり運動生理学に基づく理論で具体的な方法を解説されるとわかりやすい。
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むしろ興味あるのはスティーブ=ハウスの本。和訳してほしい。以前この雑誌でアルパインクライミングのためのトレーニング方法という特集で誰ひとり具体的なトレーニング方法を提示できず「とにかく山へいけ」という結論で終わっていたことがあったが、スティーブのような超一流クライマーがコーチ指導のもと頑張って科学的トレーニングをし、輝かしい結果を出したのは注目に値する。日本でもメスナーの影響を受けた登山家や、故原真氏とそのお弟子さん(山本正嘉氏、遠藤由加氏など)は心肺機能中心とはいえ具体的なトレーニングメニューを提示していたわけだから、「8000mで先頭に立つ」ということに意識を向けたトレーニングがあまり意識されなくなった今、これらのことが紹介されることで全てのトレーニングにもいい影響を及ぼすことが期待されそう。ま、各々が好きなやりかたで満足する結果が得られていたらそれでいいのだが。

クロニクルはなにげにアラスカが充実している。どれかカラーで紹介されて欲しい。
ヘタ沖瀬はアドベンチャラスだったのだろう。グレードがない。是非ナポレオン岩の記録も機会があれば読みたい。

「ON THE SCENE」は結構深刻な話。やっていることが同じでもシェルパに貧富の差があるのは今の日本見ているみたいで悲しい。是非政府主導で解決して欲しい。外貨収入に命懸けで貢献しているのだから。

カラー記録は利尻岳が一番面白く感じた。西壁をスキー担いで登って反対側を滑降するという発想が素晴らしい。
マルコ=プレゼリの言葉は耳が痛い。私がどう痛くなったかは読めばわかる。
パラ・クライマーの記事はよかった。エキスパートだけでなくこういうクライマーにも注目して欲しい。私も縁あって障がい者福祉の世界に関わっているだけに、何らかの形で貢献したいものだ。尤も、ヘボだし危険を伴うことだから安易なことは絶対しないけど。今度は山屋さんも紹介して欲しい。

ああ、久し振りに書いた。すっきり。
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