朝鮮学校に対する高校授業料無償化の適用を政府が先送りした問題に関連、「朝鮮学校の虚偽教育の実態を日本政府や国民は知るべきだ」と北朝鮮専門家らが朝鮮学校の歴史教科書「現代朝鮮歴史 高級1」(高校1年用)の日本語版を15日に出版する。金日成、金正日ファミリーの個人崇拝が目立つ内容であり、無償化適用の論議に一石を投じることになりそうだ。

 翻訳したのは「朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会」。ジャーナリストの萩原遼氏(69)が研究者ら9人で立ち上げた。

 高校1年用は北朝鮮建国と朝鮮戦争まで(1945~53年)だが、教科書は朝鮮戦争を「韓国が起こした」とし、建国時のソ連の軍政には全く言及せず「金日成主席様」による「反帝反封建民主主義革命」だったと記述。萩原氏は「日本の公費を要求するのであれば、本来なら朝鮮学校が教育の中身を公表すべきだ。知る権利は日本人のわれわれの側にある」としている。

 朝鮮学校は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下にあり、教科書は総連中央常任委員会教科書編纂(へんさん)委員会が作成している。朝鮮総連は無償化の先送りを「民族差別」として、街頭ビラ配布などの抗議行動を全国で展開中で、北朝鮮も朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が社説で「反総連、反共和国政策の日本反動どもの策動」などと主張している。

 萩原氏は「教科書を読めば朝鮮学校の教育が史実を歪曲(わいきよく)し、反日反米など政治の道具化していることが明白にわかる」と反論している。同会は2、3年生用も今月中に出版するほか、虚偽記載を指摘した解説書も出版する。日本語版発行元「星への歩み出版」((電)072-990-2887。メールアドレスhosihenoayumi@gmail.com)

【関連記事】
「文科省なんか要らない」 朝鮮学校支援めぐり橋下府知事
理念なき改革…高校無償化、見切り発車 あおりを受けた校舎老朽化対策 
無償化除外を批判した兵庫知事などに脅迫状
高校無償化 外国人学校の支援金はさかのぼって支給
朝鮮学校の判断は夏以降に 就学支援金 国会審議で川端達夫文科相
外国人地方参政権問題に一石

テレ朝「お願い!ランキング」で規格違う商品販売(産経新聞)
23年度の公務員採用、抑制方針で一致(産経新聞)
JR西社長、再発防止策を報告=国交相「定着が大事」-報告書漏えい(時事通信)
性的虐待、56%が1年以上…実父最多34%(読売新聞)
低温情報14年ぶり…寒い予想、広い範囲で(読売新聞)