このBlogを見ている方はご存じないかも知れないが、
「CCV」という名の雑誌がある(あったというべきか)ことをご存知だろうか?
実は今号を持って廃刊となるからだ。
内容はクルマ関係だが、CCVとはクロスカントリービークルの略で、硬派四輪駆動ジャーナルのサブタイトルがついている。(昔は硬派四輪駆動専門誌のサブタイトルだった)
このことを昨日高崎の書店でアルファや他のクルマ雑誌をぱらぱら眺めているときに知った。
たまたま、CCVが平積みしてあり、懐かしいなーと思って手に取ったのだが自分の記憶にある本の厚みよりずいぶん厚い気がしたのでパラパラとめくって見ると「本号をもって廃刊となる」旨、及び今までの発行関係者や他の四輪駆動関係の雑誌編集者、寄稿者、読者の方々の惜しむ声(多分、ヘッドラインだけで内容までは読む時間が無かったので)の記事がたくさん載っていた。
自分も(今はALFA155に乗っているが)、以前は四輪駆動車に乗っていた。
新しいほうから思い出して見ると、ランドローバーディスカバリーV8、同じくTdi、その前はランドクルーザーBJ60、同じくBJ41V、ジムニーSJ30V、同じくSJ30V、その前はスバルレオーネ4WDと。
まだ子供たちが小さかったとき、550CC・2Cycle21psのジムニーで軽井沢や箱根などずいぶん遠くまであちこち家族で旅行したことを思い出してしまった。
最初は4×4マガジンを購読していたのだがその時の編集長(だったかな?)の石川雄一氏が独立(?)してITF を設立。
その頃アウトドアブームや4WDブームで 軟派になりかけていた各四輪駆動専門誌のメーカーにこびるちょうちん記事に嫌気がさしたのか「硬派四輪駆動車専門誌」としてCCVを発刊した。
年4回の季刊誌で自分は1号からずーっとランドクルーザーに乗っている間までは購読していた。
(今も本棚に綺麗に並べてある)
この雑誌は本当に硬派で軟弱なちゃらちゃらした記事はひとつも無く、無用な後付パーツなどにはむしろ批判的でさえあった、試乗記事などもメーカー各社から発表される新車(もしくはちょっとしたパーツをつけたりフェイスリフトをした程度のマイナーチェンジ車や限定モデル)などは一切記事として掲載しないで、WWⅡの頃の軍用四輪駆動車(六輪もあったが)などや希少な総輪駆動車など好き者でなければポンコツか鉄屑に見えるクルマを記事のトップページに写真付きで乗せるなどをしていた。
また技術論的な記事や政治的な(クルマに関してだが)記事も新聞の社説のような雰囲気で乗せていた。
(某メーカーなどには真っ向から名指しで批判的な記事も載せていたる)
そんな編集方針なので一般自動車雑誌のような「ちょうちん記事」など載せることも無いので大きな収入源となる広告も無く(確かスズキ自動車くらいしかなかった記憶が・・)財政的にきつかったのだろう。
しかし、毎号の記事を読ませてもらうと、「うわべだけのパーツは何の役にも立たなくむしろ危険だ!」や「地球資源的視点にはうわべだけのモデルチェンジは間違っている的記事」やらで、石川氏や他のスタッフの方々の熱意が感じられて自分にとっても好ましく、ずーっと購読していたのだが、自分も四輪駆動車を手放してからは購読もせずたまに書店(と言っても置いてある店は限られるが)でぱらぱら見る程度になってしまった。
このような、真のジャーナリズム(最近は有名新聞もこの言葉がふさわしくない場合が多いが)のにおいをぷんぷんさせる硬骨漢が自ら体験・編集し、オピニオンリーダー的雑誌がなくなることは寂しい。
今後も、ITFはメーカーの圧力に左右されるようなことはないはずなので、単行本発行や情報の発信を続けて欲しいし、この編集方針を維持していずれはまたCCVを復刊することを祈ります。