浦安の舞 | 龍笛奏者 出口煌玲(狛笛・神楽笛・篠笛)

浦安の舞

昨日、ダンサー・飯干美奈さん、ダンサー・牧桃子さんが『浦安の舞』の稽古に行きました。
僕も歌や笛でお手伝いに。

彼女達に『浦安の舞』伝授されたのは、堀川俊先生。
雅楽・舞楽の名手、華麗な左方舞、よく通る響きの篳篥、素晴らしい美声の神楽歌・・・と天才として若い頃から知られていました。
僕の両親の友人でもあり子供の頃より大変お世話になっています。

堀川先生は、多静子先生が公認された御神楽の指導者(全国に200名程おられるそうです)の会長をされていました。

多静子先生は、『浦安の舞』を作曲作舞された多忠朝先生の娘でこの舞を最初に舞われました。
『浦安の舞』は、昭和15年・皇紀二千六百年奉祝会に合わせ、全国の神社で奉祝臨時祭を行うに当たり、当時の宮内省楽部楽長・多忠朝が国風歌舞や全国神社に伝わる神楽舞を下地に作曲作舞した神楽舞です。


現在堀川先生は千葉一の宮・玉前神社宮司職とともにリタイアされ奈良に戻り古巣・南都楽所で雅楽を指導されています。

昨日は、『浦安の舞』の歌の稽古からはじまり、前半部分・扇の舞の稽古。
この舞のような、神楽舞・巫女舞はとてもシンプルな動きですが、先生は最初からとても高い精度を求めてきました。
単純で簡単そうに見える動きが実は究極に難しいのです。
この精度・正確さがどれほどかによって、舞の力・存在感、イメージが全く別次元のものになってしまうのです。
そして、これは頭ではなく身体で覚えるしかないのです。

最初の段階から、高い精度を自らの身体で見本を示しながらの稽古内容はとても濃いものでした。
秘伝・奥義は基本にあり、そのものです。

飯干さんと桃子さんとも、それぞれジャンルは違えどプロダンサー、堀川先生のタイミングとテンポ良い指導にどんどん応えて習得していき、予定通り『扇の舞』が伝授されました。
堀川先生の指導は厳しくハードながらも明るい雰囲気で、昔僕がお世話になってた時と変わりありませんでした。
厳格な動きをとても解りやすく身体全体で伝え、二人のダンサーも全身で理解し習得していきました。