2200円の初回購入解約で6000円課金はOK? ~329号~(2026/04/08) | 景表法ニュースレター バックナンバー

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薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問

の林田です(元政府委員・元弁護士)。

 

今日は、適格消費者団体なら消費者ネットが、

化粧品ECを展開するAMBER BLOOM社を

追及した事件のケーススタディの1回目です

(>リンク)。

 

今日検討するのは、定期初回2200円の化粧品

セットを購入した後、つまり、お試しだけの購

入で解約した場合に6000円を課金する(不正

転売防止と解約手数料という名目)ことはOK

か?という問題です。

 

この「転売ヤー」対策については2023年12

月4日の薬事の虎が参考になります。

こんな内容です。

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総じて「消費者→善、企業→悪」と括られるこ

とが多いのですが、そう言えないケースもあり

ます。

いわゆる「転売ヤー」はそういうケースだと思

います。

 

この賢しい「消費者」の方々は、多くの企業が

(1)いつでも解約可の定期コースを提供し、

かつ、(2)初回をぐっと安くしている(たと

えば、初回980円、2回目から6400円、単品

だと8690円)ことに目を付け、初回買って

(たとえば980円)解約し、その商品(単品

だと8690円)をたとえば3000円でメルカリ

などで売って、その差額(たとえば2000円)

をGETします。

 

さて、今日はそういう「転売ヤー」対策に関す

るQ&Aです。

Q.「転売ヤー」対策として、定期購入ボタン

の前に次のような記述をしたバナーを置いてい

る例があります(>)。

「初回のみの受け取りでご解約される際は、転

売対策のため必ずお電話でのご連絡後、解約申

請日を含む3日以内の消印で『お買い上げ明

細書』と『商品(開封済み可)』を送料をお客

様負担にてご返送ください。返送いただけない

場合、単品価格との差額をお支払いいただく必

要がございます。(クーポン使用時は、クーポ

ン適用価格との差額)

ご連絡なく上記2点をお送りいただいた場

合、お受け取りはできかねます。」

これはOKですか?

 

A.1.若干変更すればOKと思います。

2.解約にいろいろ条件を付けてもそれは無効

で、争われれば解約側の勝ちです(適格消費者

団体がその解約条件の差止を求めてくることも

あります)。

3.本件の解約条件は、(あ)次回お届け予定

日の10日前までに電話で行うこと、(い)解

約申請日を含む3日以内の消印で「お買い上

げ明細書」と「商品(開封済み可)を送料お客

様負担にて返送すること」です。

そこでこれを検討すると―

(あ)→次回配送を止める必要があるので合理

的な条件と言えます(ギリギリのケースが多く

なる可能性もあるので「電話」に限るのも合理

性あり、と言えます)。

(い)→イ.「お買い上げ明細書」はどこで購

入したかを明確にする必要が認められるので、

これを要求するのはOK、と言えます。

ロ.初回の商品代は払ってもらいますが、続け

てもらうことを前提としての「特別価格」で

す。続けないのであれば「特別価格」で商品を

保有することを認める必要はない、と言えます。

ハ.「解約申請日を含む3日以内」という時間

的制限も、解約を認めるということは次回配送

を止めるということであり、急ぐ必要があるの

で、合理的制限と言えます。

 

4.(1)こうして解約が認められれば、そこで

定期は終わり、2回目の配送はなし。

(2)条件を満たさず解約が認められなけれ

ば、定期は継続し、2回目が配送され、注文者

は6400円払わなければなりません。

その後、3回目の配送の10日前までに電話で

解約することになります(この場合は、商品の

返送等は不要)。

(3)以上で「転売ヤー」対策は達成できてい

るので、「(商品を)返送いただけない場合、単

品価格との差額(=7710円)をお支払いいた

だく必要がございます」は不要と思います(こ

れは転売を狙ったことへのペナルティの意味し

か持ちえませんが、「転売ヤー」対策は(2)

で達成できている以上、そこまでやらせる合理

性はないと思います)。

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以上からすると、AMBER BLOOM社のはと

ても大雑把で、消費者に一方的に不利な契約を

無効とする消費者契約法10条に違反すると言

わざるを得ません。

 

なお、このケースはAMBER BLOOM社が

「なら消費者ネット」の追及に従う形で本年2

月12日に終了しています。