陽のあたる場所 1951 米
監督 ジョージ・スティーブンス
原作はシオドア・ドライサーの「アメリカの悲劇」
1931年のシルビア・シドニー主演の再映画化です。
エリザベス・テーラーとシェリー・ウインタースの役柄の対比が印象的 モンゴメリー・クリフトは貧しい育ちながら叔父の一族という微妙な立ち位置、叔父のパーティーに招待されて、突然目の前に現れた令嬢に心を奪われる。
二人の間で揺れ動く心理描写が秀逸、まじめな青年の心情はある程度理解できるが、令嬢役のエリザベス・テーラーがこの青年に魅かれた理由がいまいちわからないが・・・。
アリスの死は単なる事故か未必の故意か・・・
どうしてもエリザベス・テーラーとモンゴメリー・クリフトとの恋仲に目を奪われがちですが、主題はジョージとアリスの悲劇です。
宗教活動に精を出す厳格な母親を持つ真面目な性格のジョージ、少しわがままであるが、人間味のあるアリス、社長の令嬢で美貌で、やさしい理想の女性のアンジェラ 三者三様、とても魅力的なキャラクタ-が演じる社会派ドラマです。
でもアンジェラは学生さんだったんですね、前半の出会いの場面での、大人びた華やかな女性と最後刑務所でのジョージとの面会の質素な彼女はまるで、別人のよう・・・ 心情の変化が、とてもよく表されてる演出です。
それにしても、エリザベス・テーラーの息をのむ美しさは、別格ですね。よくある三角関係のメロドラマですが、ジョージの揺れ動く心情を繊細に描いてる演出は、さすがです。
原作の「アメリカの悲劇」という題名はアメリカンドリームを志した青年の悲劇という意味では正しいですが、興行面でのことを考慮してか?、「The Place in the sun」 陽の当たる場所としたのは、明るい華やかなイメージでジョージ・スチーブンス監督のセンスの良さを感じました。
ハッピーエンドではないけれど、心に残る良作です。