ボクシングプロレス、だからプロレスボクシング | ボクシングのこと~好き勝手に語るブログ~

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ボクシングについて自分の考えを好き勝手に書いてます。人は人、自分は自分。何事も考え方は人それぞれというのが私のスタンス。自分の考えを人に押し付けたり、自分こそが正しいという変な勘違いをされている方はご遠慮ください。よろしくお願いいたします

ボクシングの変なタイトルがまた一つ増えた。

 
WBCフランチャイズ王者
 
・・・
 
今さらだけど、名誉、ダイヤモンド、スーパー、正規、暫定、シルバー、インターナショナル、インターコンチネンタル、アジアパシフィック、ユース等々、これでもかというくらい いっぱいある。

そういえばユニバーサルってボクシングでは無かったっけ?無ければ次はユニバーサルというのがいいのではないかな。
 
そして承認団体も主要4団体とかなってるけど、今後IBOやWBFが主要団体化しても、もうどうでもいいし驚くこともないだろう。IBOなんて歴代王者を含めると、かなりの数の有力ボクサーが名を連ねてるからね。メジャーとして認知される前のWBOみたいな感じだな。

主要6団体…そんなことになったらボクシング界も完全に終りだね。17階級で102人。いよいよチャンピオン100人時代の到来です(笑)。
 
プロレス界は昔から世界各地の各団体が世界タイトルを勝手に作りまくって何がどう凄いのかよくわからない世界だ。そんな中でもまだまだプロレスが真剣勝負に思えたようなファンタスティックな昭和の時代、真の世界タイトルと言われたものが3つ存在した。3大世界王座と言われたNWA、WWWF 、AWAだ。各団体が一流レスラーを看板としたこれらのタイトルは何とも言えぬ重みがあったものだ。
 
そして日本にも世界に誇るプロレスラージャイアント馬場とアントニオ猪木の世界タイトルがあった。代表格は全日本のフラッグシップタイトルなのになぜかハワイを本部としていたPWF だろう。このベルトは馬場が腰に巻くと、その体の大きさからベルトが小さくてちゃちく見えたけど、デザインはあの鉄人ルー・テーズの世界チャンピオンベルトを模したような何とも言えない威厳を感じさせるものだった。馬場はこのタイトルを海外でも防衛している。プロレスの世界で馬場は世界的なビッグネームだったからタイトル自体はメジャータイトルではなくても業界ではそれなりに箔があるタイトルだったと思う。何せ馬場は海外武者修行時代に本場アメリカでメインを張り、当時の三大世界タイトル(NWA、WWWF、WWA)に連続挑戦という偉業を成し遂げた大物レスラーなのだから。

このPWFタイトルは後にインターナショナル王座、UN王座と統一されて三冠ベルトというプロレスならではのよくわからない王座になったけど、それでも日本プロレス界においてこの三本のベルトそれぞれが歴史の古いベルト達であり、何となく威厳というか権威を感じさせるものだったと思う。
 
そしてもう一つは猪木のNWF。こちらはジョニー・パワーズが作ったマイナーベルトを新日本が買い取ったとか。力道山の系譜を継いだ全日本のタイトルに比べるとマイナー感は否めないものの、日本では人気抜群の猪木が保持していたので当時はとてもカッコよく見えたものだ。なんとなくデザインがサンマルチノのWWWFベルトに似てたしね。

逆に素性が怪しい不思議なタイトルと言えば新日本タッグの看板タイトルだった北米タッグ選手権。子供心にそもそもなんで北米?という漠然とした疑問があったうえに、赤い宝石のような石が散りばめられたベルトはなんとなくチープに見えた。猪木と坂口が奪取してから、その後、坂口と国際から移籍したS小林のタッグで長らく防衛、保持された。地味な力技が主体のこの二人が繰りひろげる北米タッグ選手権試合は猪木のプロレスような派手さは無かったけど、じっくりまったり見せる昔ながらの地味なプロレスだった。まぁそんな地味でのんびりとした攻防も昭和プロレスならではの見応え、醍醐味でもあるんだけどね。

他にもタッグタイトルは全日本のインタータッグ王座、アジアタッグ王座なんてのもあった。こちらの方がタッグタイトルとしての権威が上のような気がする。しかしそもそもタッグマッチという奇妙な形式が試合として成立するプロレスというのは本当に不思議なスポーツだ。

話がプロレスのベルト話になってしまったけど、ボクシングの話に戻す。ボクシングのチャンピオンベルト。これについては以前も書いてるけど、私なりに思い入れがある。

現在のボクシング界では認定団体のベルトが普通だけど、昔は王者オリジナルのベルトなんてのがあった。後援者やスポンサーが作ってプレゼントしたものらしいけど、当時はそんな事は全く知らなかった。だから子供の頃の私にとっては具志堅用高が巻いていたオリジナルであろう鷲の刺繍が施された赤いベルトこそがボクシングの世界チャンピオンベルトだと思っていた。あれはカンムリワシと呼ばれた具志堅の圧倒的な強さと相まってか、本人にとてもよく似合っていて凄くカッコよく見えた。
 
認定団体のベルトというと私の中では渡辺二郎かな。実質的な統一王者になった時に保持していたWBA,、WBC2本のベルトはリアル映像で見た記憶はあまりはっきりしないけど、写真で見る限り今のベルトと基本変わらないデザインとなっている。
 
認定団体のベルトでカッコいいと思うのは個人的にはWBCのグリーンベルト。なんとなくこのベルトを保持していた王者達の方が国内外を問わずスター王者が多いような気がする。まぁ主要2団体の頃はどっちも凄い王者って感じだったからこれは単なる気のせいかもしれないけど。ともあれWBCのベルトの方がベルト自体の全体的なデザインがカッコいいと思う。
 
最近のボクシング界の団体と王座の乱立。まるでプロレスというよりも数だけで言えばプロレスと同等か、もはやそれ以上に陳腐なものに成り下がっているような気がしてくる。
 
真剣勝負とされる競技をブックありきのショーと比べるのはどうかとも思うが、考えようによってはこんなタイトルだらけで誰が一番強いのかわからない状況は真剣勝負をうたっているがゆえにボクシングの方がタチが悪いとも言える。逆にプロレスの方が最初から暗黙の了解でわかってる分、スッキリしていると言えるのではないか。
 
そしてベルト自体の権威に限って言えば、プロレスの方に分があるかもしれない。今のボクシング界の多すぎるタイトル、ベルトは商業主義的な何とも節操の無い軽々しい形だけの安っぽいものになりつつある。
 
ボクシングの世界チャンピオンはその競技性から見て本来各階級に1人であるべき。だけど興行的な側面もあるからどうしても複数の団体が存在する。それでもまだWBAとWBCだけの頃は良かった。2つの団体の王者が統一戦をやって真の王者を決める。これはこれでシンプルで分かりやすいからここまではまだ良かった。しかしIBF、WBOがメジャーとして認知されてから一気におかしくなった。

日本では主流となる軽量級は本場では需要が無い。どうせ地域タイトル扱いされているのであれば、そろそろ日本を本部とした軽量級中心の承認団体を作って勝手に世界チャンピオンベルトを始めたらどうだろうか。日本を主戦場にして興行を打てば海外でやるよりファイトマネーが良いだろうから、海外の選手も含めてウィンウィンだ。

ボクシングとプロレス。あらゆる意味で異なる世界なんだけど、タイトルのことを考えるともはやボクシングはプロレス。

ボクシングプロレス、だからプロレスボクシングでもいいだろう。

なんてね。