『今だけ 金だけ 自分だけ』東京大学大学院農学生命科学研の

鈴木宣弘教授が自書の中に表した言葉だ。

自分さえ良ければ、他人がどうなろうと知ったこっちゃない。

世知辛い世相を、短い言葉に凝縮させたもの・・・。

 

 新型コロナの感染が拡大した2020年以降、この三だけ主義の

蔓延には目を覆う。他者を思いやる余裕が無いからとも言える。

 

 酷いのは、総理大臣を始め、政治も経済も社会を導く指導層に

三だけ主義の蔓延が色濃く映るから。国民の困窮などお構いなし

に巨利をむさぼる連中により多くの富が集中し、政治がこれを後

押しする仕組み・・・。

 

 日銀ですら円安誘導を容認し、目先の利益創出に手を貸すと言

う体たらく。日本経済立て直しに必要な、労働分配率の是正には

政府も積極的ではないように見える。

 

 歴代総理は言う。国民の生命財産を守り・・・私は上級国民の

と付け加えたい。多くの国民は都合よく利用される存在だと思う

から。

 

 我々世代は、自分の存在が勝ち組なのか?、負け組なのか?に

こだわっていた。当時の私の想いは、年収一千万以上が勝ち組だ

と判断していて、とにかく一千万円以上の年収を稼ぎたかった。

これもまた、三だけ主義の極みだったのかも知れない。

 

 結論から言えば、マックス990万で打ち止め、なので今も負け

組に甘んじている。ただ当時と今の違いは、物欲が減って、それ

なりに暮らせれば良い、と考えるようになった事だろうか?。

 

 原因は、難病を患った妻への介護を通して体験できた出来事。

弱者が弱者を労わる現実社会の暖かさだった。

介護の世界には、日々命と向き合い、物欲とは対極の立場に居る

人々の温かさに、救われた想いが有った。

 

 所詮は負け犬の遠吠えだが、それでも私は今の世相に怒ってい

る。