書紹しましょ。

本日はこちら。


誰が勇者を殺したか


著)駄犬 先生

イラスト)toi8 先生



勇者は魔王を倒した。

同時にー

帰らぬ人となった。


勇者の人物像について当時の仲間達は多様に答えた。

しかし死の真相に関する事だけは一様に口を噤んだ。


勇者を殺したのは魔王か。

もしくは仲間か。

はたまた他にいるのか。


そんな特殊設定を含むファンタジー作品であり、ミステリ要素を兼ね備えた作品です。


どうやら今作はスニーカー文庫の新シリーズ電子書籍売上歴代1位のようです。


正直納得の面白さでした。


ミステリ、ファンタジー、いえ、これは人間ドラマや群像劇とでもいえます。

そしてここまで勇者らしくなく、それでいて勇者らしい勇者は近年ではあまり見ません。

それがまた素晴らしいです。

こういうのを勇者の素質と言えるのではないかと思わされましたね。


物語は仲間達の視点等で代わる代わる展開されていきますが、それでも芯の部分にはしっかりと勇者へと繋がっていてとても理解がしやすいです。

あと非常に読みやすいです。

だからこそどこかで切りをつけないとどこまでもページをめくってしまいます。


読了して第一に思ったのは、

「これはライトノベルじゃない。純文学だ」です。


ライトノベルに寄せて難しい表現や堅い文章構成にはしていないようですが、内側にあるのはライトノベルでは収まらないような壮大で深遠な構成だと思いました。


ただ、今作はこれにて完結でしょう。

ここから繋がるには無理がありますし、どう繋げるのかが想像出来ません。

でもそれがいいのです。

ここで終わるとかなり綺麗です。


最近ではライトノベルらしくないライトノベルというのも増えてきていますが、これほどまでに突出した作品が出てくるとは思いませんでした。


とても面白かったです。


では今回はここまでです。

話題作もしっかりと読むとこうも素晴らしい発見があるものですね。


ではまた。、