書紹しましょ。

本日はこちら。


青を欺く


著)三船 いずれ 先生

イラスト)ぶーた 先生



第19回MF文庫Jライトノベル新人賞 優秀賞受賞作です。


初めにこのタイトルを見た時に

「何を欺くのだろうか」と思っていたんですけど、読了してなるほどなと思いました。


表紙から何となく学生の青春ストーリーかなと予想していましたが、やはりそうでしたね。

直近の新人賞受賞作の中では割と珍しい、青春モノでして読んでいて「こんな学生生活なら楽しいんだろうな」と思いました。


ただ、バトルやラブコメ要素が無いので、好きな方には好きな作品でしたね。

裏を返すと、この青春ストーリーで一作作るのは物語の起伏然り、見せ場を上手く記す必要があるので難しいんですよね。


似ている作品で言うなら、過去の受賞作である、

「悪いコのススメ」が近いように思えます。

しかし今作は悪者にあたる人がいないので、やはり書くのは難しいジャンルだと感じましたね。


まさに学生生活のワンシーン、青春のひと時、女の子に手を引かれて感じる甘酸っぱい青春の1ページというものを感じました。


主人公については普段の学生生活で絶対一人はいるような性格でしたし、それと対照的にヒロインはそんな彼を引っ張っては知らない世界に連れて行ってくれる夢のある性格でした。


やはり世間の様子や、学生達の性格が内向的になっている事もあってリアリティがありますね。


所々でキャラクターの心理描写を、作中のキャラクターが演技で表現する場面があるんですけど、三船先生は書いてて思考がごっちゃにならないのかなと思いましたね。

複雑な描写かつ、それをキャラクター達が自然的に会話しているように書かないといけないわけですからね。


何にしても今作は作り方だったり、描写の細かさだったりが絶妙で、まるで技でした。

もちろん作品も面白かったです。


4月に第2巻が出るようなのでそちらも楽しみですね。


では今回はここまでです。

MF文庫Jの新人賞って毎年毎年違った作風に出会えるので面白いです。


ではまた。