先日久々に、前職での夢をみました。

前職は書店員で12年余り、最後の数年間は責任者的な立場で働いていました。

幼少期から本屋が好きで入り浸り、本を読むのも好きなので、

といった牧歌的な動機で働き始めましたが、現実の書店は過酷な職場です。

 

毎日送り付けられる大量の新刊・既刊本と、それとほぼ同量の返本処理。

本部から受ける売上や返本率の数字に対するプレッシャー。

連日訪れる万引き犯との攻防+確保した後の警察での聴取。

そして、あまりお行儀の良くない神様への対応。

 

当然、みた夢は悪夢です。

レジで、提示されたクレジットカードを端末に通したところ、

「このカードは使用できません」的なメッセージが出てエラーになったため、

その旨を伝えると、「そんなはずはない!」と激高。

確かに読み取りエラーのケースもあるので(実はこの時点で、2.3回試みています)、

再度試みるもやはりエラー。

すると、神様は「俺に恥をかかすのか!」とさらにヒートアップ。

ここで、目が覚めましたが、当時実際にあった出来事です。

 

恐らくこの夢をみた原因は、東京都がカスハラ防止条例制定を進めていて、

その検討部会が開催されたいうニュースを観たからだと思われます。

 

先月4月22日に開催された

「カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会(第4回)」の資料によると、

カスタマーハラスメントの概念を次のイメージ図のように示しています。

 

 

    (引用:カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会 第4回  資料)

 

暴行・脅迫までいってくれるともう警察を呼ぶこともできますので、

逆に対処がしやすいような気がしますが、その手前は、どこからが「ひどい暴言」

「著しく不当な要求」かの線引きは難しいですね。

その外側にある「申出その他の行為」も、あくまでその範疇にとどまっていても、

それを延々と続けられたら、どう対処していいものか。

 

「社会通念上相当であると認められない」「就業環境を害するもの」といった表現、

私たちが就業規則を作成するときにも使用する文言ですが、この判断も難しいです。

 

そこで資料では、次の事例が挙げられています。

 

    (引用:カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会 第4回  資料)

 

「1億円」という金額が極端すぎますので、どうかとは思いますが、

とにかく法外な金額を要求したら該当すると。

丁寧な口調かどうかに関しては、丁寧な口調の銀行強盗の方もいらっしゃるので、

そりゃそうですよね。

 

ただこのケース、明らかに店員のミスだとすると、3千円の返金は当たり前。

そこに再来店が必要になった時間と費用、せっかくの誕生日が台無しになったこと、

一連のやり取りに対する精神的苦痛、そこを加味して3千円+αで要求できるのでは

ないかと個人的には思うのですが。

「社会通念上相当であると認められる」金額はいくらなのでしょうか。

要求できると考えてしまうところは、私の中にあるクレーマー気質なのだろうか。

そんなことを考えていたら、悪夢をみてしまいました。

 

深刻な人手不足な中、従業員を守るために、カスハラ対策は企業が近々に

取り組むべき課題であると考えます。

カスハラ防止条例制定の動向、今後も注視していきたいと思います。

 

「聴いてみたら思っていた感じと違ったから返金して」

CDを購入した若い衆から執拗に返金を迫られて、

30分を超えたあたりで逆にブチ切れした一件の話はまた次の機会に。