「どなかへのプレゼントですか?そちらはレディースです」

 

まだ、イオンがジャスコと呼ばれていた頃、私がまだ20歳前後の頃、

地元のショッピングセンター2階の時計店で言われた言葉。

 

いいなぁと思った時計があったので、見せてもらおうと声をかけたところ、

わりと冷たい声で言われてしまいました。

言われてみれば確かに少々こぶりで、薄い紫色の文字盤ですが、

かわいいと思ってしまったので仕方ありません。

女性が男性ものの衣類、時計、眼鏡などを身につけていても、

「かっこいいなぁ」と当時の年齢でもそう思っていたので、

別にその逆があっても、私は何の違和感も持っていなかったのですが、

世の中の感覚は少し違うようでした。

男は、男らしい服装をしなければならない。

 

私が中高生の頃は、バブル真っ只中。

特に直接恩恵を受けた世代ではないので、以下はあくまで当事のテレビ、マスコミ

が報じていた受け身の情報なので、本当のところは分かりませんが・・・

男性は高級車で女性を迎えに行き、食事代などは全額男性が出す。

クリスマスなどのイベントとなれば、高級ホテルでのディナー。

こういった振る舞いが、大人の男性の姿だとされ、さらには

アッシーくん、メッシーくん、ミツグくんなどの階級に分類される。

 

「大人になったら、男はこんなことをして生きていかなあかんのか」

と絶望的な気分に日々さいなまれていたことを強く覚えています。

幸いと言ってはいけませんがバブルが崩壊し、私が大学生になった90年代中盤には

そのような気配は薄れ、社会人になった頃にはすっかり消えていました。

 

今の事務所に入って、ジェンダーに関する問題に勉強会で触れる中で、

「男の生きづらさ」という視点を知りました。

無意識に感じていた窮屈感、絶望感は、これだったのかと。

そして、ジェンダー問題を考えるときに「男のいきづらさ」を語ってもいいんだ!

結果的にそれが女性の活躍推進、ジェンダーフリーにつながるのだから。

 

前置きが長くなってしまいましたが本題です。

弊所 社会保険労務士法人ナデックの小岩広宣代表が新刊を発売しました。

社労士の鎌倉美智子さん、講演家の寺田智輝さん、共著となっております。

 

『ジェンダーフリーの生き方・働き方ガイドブック』

 

労働新聞社 2024年2月26日発売 

 

第1章『ジェンダーフリーの採用定着』では、社労士の鎌倉美智子さんが

ご自身の経験と様々なデータをもとに、ジェンダーについて理解するための視点、

採用難時代における採用定着に向けての戦略などを書かれています。

 

第2章『「男らしさ」「女らしさ」を超えた人事戦略』では、弊所の小岩広宣代表が

現在労務管理の場で何が起こっているかをリアルに考察、男性学の視点からみた

ジェンダーギャップの中での「男のいきづらさ」、そしてより良い未来に向けての

ジェンダーフリーの取り組みなどを書かれています。

 

第3章『知ることは愛のはじまり』では、講演家の寺田智輝さんが

ジェンダーに違和感を持ってきたご自身の半生、様々な出会いと、講演家として

全国を駆け巡るお姿などを書かれています。このブログを書くにあたり、

今、事務所で読み返していましたが、また目頭が熱くなってしまいました。

 

第4章『ジェンダーを超えた働き方が日本を変える ~著者3人のディスカッション~』では、著者お三方のフリーディスカッションが展開されています。

こちらも読み応え抜群です。

 

ぜひ皆様に、お手に取って頂きたい1冊です!

 

◎冒頭部分がお試し読みできる労働新聞社様のサイトです。

 

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ジェンダーフリーの生き方・働き方ガイドブック