『従業員も水分補給をさせていただいております』

そんなレジの張り紙が、先日ネットニュースで話題になっていました。

レジで店員さんが水分補給をしていたことに対するクレーム対策とのことです。

 

そういえば思い出しました。

前職の書店員時代、受験生のお子さんがいる従業員さんから、

「インフルエンザに感染して、受験生の子どもにうつると大変なので、

マスクをしてレジに入らせて欲しい」との申し出がありました。

もちろん、そのようにして頂きました。

10年弱前のことなので、コロナ禍の前です。

 

すると数日後、書店が入っているショッピングセンターの副店長さんが、

1通の『お客様の声』を持って店にいらっしゃいました。

「お客様からクレームが入っているので、回答を書いて提出してください」

よくショッピングセンターのサービスカウンター近くに、

「お客様の声」ボックスとその掲示板を見かけたことがあるかと思いますが、

あれです。

 

内容を確認すると、「本屋の店員がマスクをしてレジを打っている。失礼だ」と。

コロナ禍を経た現在なら、そんなクレームはないかもしれませんが。

とはいえ、受験生のお子さんを心配する従業員の気持ちを考えると、

「マスクを外してください」とは言えず、レジ前に張り紙をしました。

『インフルエンザ感染防止のため、マスクを着用しております』

 

勤めていたショッピングセンターでは、他にも

『こちらのトイレは、従業員も使用させていただいております』

『防犯のため、従業員もエレベーターを使用させていただいております』

等々、いろいろ。

いちいちクレーム入れる人がいたんだろうなぁ。

しばらく忘れていましたが、滅多に来ない副店長が手に紙片を持って、

こちらに歩いてくるのが見えたときのあの憂鬱な感覚。

久々に思い出しました。

凡人には理解できない奇妙なクレーム。

まだちょっと、笑えるほどに風化していないので、具体的なエピソードを書くのは

もう少し時間が経ってからにしたいと思います。

 

さて、ショッピングセンターといえば、「ケース貸し」で商品が販売される

ことが多くあります。

「ケース貸し」とは、飲食店、菓子店、惣菜店などが、ショッピングセンター、
デパート、スーパーマーケットなどの商業施設で商品を販売する際に、

その施設の一角を借りて出店することを言います。
その際に、商品を販売することを目的としてその商業施設に派遣される人を

「派遣店員」と言いますが、労働者派遣との関係がしばしば問題となります。

 

派遣店員は、派遣元(菓子店など)に雇用され、派遣元の業務命令により

就業しますが、就業場所が派遣先事業所(デパートなど)になるので、

少し注意が必要です。
 

この場合、就業にあたって派遣元(菓子店など)の指揮命令を受け、

通常派遣先(デパートなど)の指揮命令を受けないものは、請負などの事業と同じく「他人の指揮命令を受けて当該他人のために労働に従事させる」ものではないので、
労働者派遣には該当しません。

 

ただし、派遣先(デパートなど)が派遣店員を自己の指揮命令の下に

労働に従事させる場合は労働者派遣に該当することになります。
この「自己の指揮命令の下」というのが、どのあたりまでを指すのかが問題です。

 

【労働者派遣と派遣店員との差異】

                (「労働者派遣事業関係業務取扱要領」より)

 

例えば、現実的には、派遣店員に関する出退勤や休憩時間に関する時間の把握等に

ついては、派遣先の事業主や従業員等に委任される場合があります。

この事実のみをもって直ちに、「自己の指揮命令の下」にあるとは言えませんが、

このことを通じて実質的に労働者派遣に該当するような行為(例えば、派遣先の

事業主や従業員から派遣元の事業とは無関係の業務の応援を要請される等)が

行われると、労働者派遣とみなされる可能性が高いです。

 

このようなことがないように、「派遣店員」の形態で商品を販売する際は、

関係事業主に対し、派遣店員に関する法律関係についての周知徹底等を行っていく

必要がありますのでご注意下さい。
 

馬

本日行われた競馬のGⅠフェブラリーステークス。

◎5オメガギネス 〇11キングスソード ▲4ドゥラエレーデ

から手広く3連複で購入するも、よもやの惨敗。

2024年のGⅠも波乱の予感。