昨日から、反ワクチン厨たちが以下のニュース(?)を嬉々として拡散している様です。



この『INFOWARS』ですが、米国の極右のアレキサンダー・エミリック・ジョーンズ氏が運営する、陰謀論やフェイクニュースを宣伝するサイトです。


とはいえ、この日(2024年6月7日)に反ワクチン厨にとりましては喜ばしいニュースが発生したのも確かです。



ロサンゼルスの第9巡回控訴裁判所は、ロサンゼルス州の学校のCovid-19ワクチン接種義務化に対する訴訟の再開を決めたのです。


この決定には、トランプ前大統領が任命しました2名の判事が賛成し、2対1で可決したという記事です。


しかし、そもそも何故フェイクニュースは拡散するのでしょうか?


フェイクニュースは一見しましても、怪しい場合が多い訳です。


最初は陰謀論を好みます極少数の間で共有される訳ですが、時間の経過と共に大きく拡散されまして、科学的ニュースを凌駕する様になります。


一方で科学的ニュースは、公開後にすぐに広がりますが、拡散はそこで終わります。


しかしながら、両方の記事を読む層は重なりません。


フェイクニュースを信じた人が、正しい情報に触れる機会は極めて限定的なのです。


この流れには、

「信頼性の低い情報が、時と共にそれらしく見える」

というスリーパー効果が関係しています。


時間の経過と共に情報源が何だったのかが分からなくなるというソース・モニタリングの失敗ですね。


そしてその結果、情報だけが頭に残り、もっともらしい情報に見えるという訳です。


1951年、イエール大学の心理学者の研究によりますと、信頼性の高い専門紙に掲載された情報に比べまして、信頼性の低い大衆誌に掲載されました情報は影響力を持ちませんでしたが、四週間後に再度意見を聞きますと大衆誌群で意見が変容しまして一定の説得力を持つ様になったそうです。




噂やデマ、都市伝説といった類いのものは昔から存在しておりましたが、フェイクニュースがこれらと違いまして厄介なところは、ニュースに擬態したニセ情報というところです。


そして、人々の感情を刺激しながら拡散して行く訳です。


感情は人から人へと伝染して行きます。


これを、感情感染といいます。


特に影響力が強いのが、「怒り」の感情で、この感情は友人→友人→友人と三次元に拡散して行きます。


トランプ前大統領の言葉が広がりました理由も、「怒り」で訴えていた為と言われておりますね。


「多様性」という名目でポリティカル・コレクトが蔓延したが為に置き去りにされましたサイレント・マジョリティの怒り、「“正しさ”なんてクソ食らえ!!」が共有されたのでしょう。



道徳と感情の両方で訴えます感情道徳語でしたら、更に効果的です。


  • Greed(貪欲)
  • Evil(悪の)
  • Shame(恥)
などが好例ですね。


SNS投稿に含まれます感情道徳語が一つでも増えましたら、リポスト(リツイート)の確率が約20%高まるという研究もございます。


この研究では政治的争点でもあります、

  • 銃規制
  • 同性婚
  • 気候変動
の全てのトピックで、この傾向が見られたそうです。


社会を憂うスタンスで怒りを刺激されますと、人間は正確性を重視する姿勢よりも義憤が上回るという事ですね。


この事を押さえておきますと、フェイクニュースに対する予防線を張る事が出来るかも知れません。