「新型コロナワクチンは、これまでのワクチンの中で最も危険だ」

といった言説を、散見します。


こちらのポストが、好例でしょう。



こちらの方、東近江市の市議会議員の様です。


こちらのプロフィールを読みますと、“アノ人”の支持者かな?とは推測が出来ます。

さて、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを比べまして、新型コロナワクチンの危険性を謳われます方はよくいらっしゃいますが、こちらの名古屋大学の小島勢二教授は、これまでのワクチン全部を足しまして数字を合わせた上で、副反応や死亡者数を並べまして比較されていらっしゃいます。

これは一見、同列に並べての比較に見えますが、それぞれのワクチン接種の条件が違いますので、的外れな比較と言えましょう。

SARS-cov-2ワクチンは新規の感染症ですので、
因果関係が示されない症状も含め幅広く評価する必要がある
という厚生労働省からの通達がございます。

実は、2009年に流行しました『新型インフルエンザ』の時も、同様の通達がございました。

ですので、“念の為”に報告される事が多いものですから、報告数が増える傾向にある訳ですね。

実際、厚生労働省の、
予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について
によりますと、SARS-cov-2ワクチン接種の死亡者数は約2千人に対しまして、
因果関係が否定出来ない死亡者数が2名
なんですね。

一方で季節性インフルエンザの場合は、評価技術が確立しておりますので、医師の報告時点でかなり絞り込まれます。

となりますと、SARS-cov-2ワクチンと同じ条件のワクチンは、新型インフルエンザワクチンという事になりますので、両者を比較してみました。

とはいえ、SARS-cov-2ワクチンはほとんどの国民が接種しておりますので、約21倍強の接種回数(延べ回数)という事になります。

【図1 SARS-cov-2ワクチン及び新型インフルエンザワクチン接種回数】

という事で、単純に報告数を並べての比較は不可能ですので、以下のグラフを作ってみました。

【図2 SARS-cov-2ワクチン及び新型インフルエンザワクチンの人口100万人当たりの副反応疑い報告数】
※データ出典
・SARS-cov-2ワクチン副反応疑い報告数
・新型インフルエンザワクチン副反応疑い報告数

重篤化されました接種者数はほぼほぼ変わりませんが、新型インフルエンザワクチンの方が、
・副反応疑い報告数…約35%増
・死亡報告数…約65%増
という事になります。

単純に数だけを比較する事は、意味は無いものだと私は考えます。