先日、大変ショッキングなニュースが飛び込んでまいりました。

 

 フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪と2大会連続金メダルを獲得し、現在はプロスケーターとして活躍する羽生結弦さん(28)が17日深夜、離婚することを決断したと公式X(旧ツイッター)「羽生結弦 official_Staff公式」で発表した。

(略


詳しくは上記のアドレスをクリックして戴ければと思います。


ただ、ショッキングと申しますのは、「離婚した」事ではなく、「離婚した理由」なんですね。


こちらが、公式文となります。


お相手が一般人にもかかわらず、本人やご親族等に対しまして、「誹謗中傷やストーカー行為」「許可の無い取材や報道」「不審な車や人物に徘徊される、声を掛けられる」といった事態に悩まされ、今回の決断に至ったそうです。

つまり、「マスコミの過剰な“取材”」「(ファン等の)一般人による嫌がらせ」が後を絶たない状況が、原因という事ですね。

勿論、その様な結果を受けましてマスコミや過剰に熱狂的なファンに対しまして非難の声が上がりました。

その前にございました、ハライチの岩井さんの結婚に対しましても、四の五の言う輩が、X(旧Twitter)内で散見しました。

何故、他者の良縁を素直に祝福する事が出来ないのでしょう?

他人の足を引っ張る様な意地悪な行動を、【スパイト行動】と言います。

日本人は、このスパイト行動が多く、他国からは付き合いづらいと感じさせるそうです。

結果的に私達日本人は、自分で自分の首を絞めていると言っても過言ではないかも知れません。

ただ、実はこの様な事を示す学術的なデータは、まだ存在しません。

しかしながら、例えばアンケート(調査表)で段階を以て評価する、所謂『リッカード尺度』ですが、
・とても満足…5点
・満足…………4点
・普通…………3点
・不満…………2点
・とても不満…1点
と設けた場合、日本人は他国と比較しまして5段階の内、真ん中(普通・どちらでもない)を選択する傾向に有ります。

これは欧米等の個人主義の国よりも、
「極端な意見の表明」
「過度な自己主張」
を避ける傾向に有ると言えましょう。

『Steam』というゲーム1,316作のレビューにおきまして、日本人が各国と比較しまして本当に“悪評価”を付けるのかを分析した結果ですが、
・全言語での低評価率…11.95%
・日本語での低評価率…20.1%
と統計的有意差が確認出来ます。

更に2006年に公開されました大阪大学社会経理研究所の実験、
『経済実験におけるスパイト行動』
というのが、ございます。

この実験は、公共供給材(道路や公共施設)を作るゲーム実験です。

被験者は日本側(筑波大学の学生)10名と、米国側(南カリフォルニア大学(USC)の学生)10名の合計20名で、それぞれのグループで2名一組のペアを5組ずつ10組が、それぞれの公共事業に投資して行くというゲームです。

・ステージ1…参加者A.Bそれぞれが投資するかを決める
・ステージ2…相手が参加するか否かを知った上で投資数(投資額)を決める
といったものでして、一番楽な選択は、
「投資をせずに美味しい蜜だけを吸う(他方が投資した事に対して、タダ乗り)」
というケースです。

日本側は、
「投資額を減らすと自分の利益は減るが、相手の利益も減る」
というスパイト行動を採ります。

最初は参加をせずにタダ乗りをして大きな利益を得る事が出来ないと学んだ被験者は、後半は多くの被験者がゲームに参加する様になりました。

一方で米国側は、
「相手がタダ乗りをしようが構わず、自己の利益を最大化する」
という行動を採ります。

日本側は、自分の利益だけに目を向けるのではなく、他人の利益がどの様に変化するのかを見て行動を変えたりする傾向に有ります。

すなわち、例え自分の利益が減ったとしても、タダ乗りをする人に得をさせたくないという心理が働く訳ですね。

自己犠牲を払ってでも規範を守らない人を処罰する『スパイト行動』によって、結果的にゲームに協力的になっていったという事になります。

パッと見た感じでは非合理的に思えますが、タダ乗りをする事で社会的制裁を加えられる事を学習し、結果的に全体として協力的になって行くという事、つまり、
「他人の足を引っ張る事で、逆に秩序を生んでいる」
と捉える事も出来るでしょう。

この『スパイト行動』が日本人の同調圧力の心理的メカニズムとなっており、「出る杭は打たれる」の正体になっていると考えられます。

米国の経済学者のハーバード・ギンター氏は、
「スパイト行動をする人自身が、この仕組みに気付いている訳ではなく、スパイトするのが本能的に“気持ち良い”と感じている」
と仰られております。

では、何故日本人は他人の足を引っ張るのでしょうか。

日本人は遺伝的に、“幸せホルモン”と呼ばれておりますセロトニンの分泌が少ない民族なのです。

慢性的なセロトニン不足は、不安になり易いと言われております。

そして、その不安を打ち消す防衛本能としまして、
「良い事をした人は良い結果を出す」
「悪い事をした人は悪い結果を出す」
とした【公正世界仮説】という認知バイアスに陥ります。

つまり、「その人の言動が結果に結び付いている」と考える訳ですね。

大阪大学の三浦教授達の研究チームの調査によりますと、
「『コロナ感染は自業自得』と考える人は日本人は米国人の10倍いる」
そうです。

つまり、
「行いが悪いからだ!」
「対策を採らないからだ!」
という事なんですね。

経済的困窮に対しましても、
「本人の努力不足」
と考える訳です。

「言動が結果に結び付いている」と考える事で未来に対する期待であるとか、コントロール考えられますので、漠然とした不安や恐怖心から自己防衛を計る訳です。

「努力は報われる」と自分に言い聞かせる事で、長期的に物事に取り組み易くなります。

将来への漠然とした不安を払拭する為には、
「言動によって結果はコントロール出来る」
と思い込む一方で、過度な自己責任を自分にも他人にも強いる事で生きづらくなっている現実もございます。

「相反する感情や思考が同時に存在する」という【アンビバレント】な状態ですね。

この【公正世界仮説】が社会の秩序を保つ事に役立っているとも言えましょう。

では、羽生結弦夫婦に対する嫌がらせを、どの様に捉えるか、です。

私の推測は、以下です。

「私のユズル君を奪ったアノ女は悪い奴に違いない」
「私のユズル君の功績にタダ乗りをしているだけだ」
「私のユズル君をグルーミングして、私のユズル君を騙したのだ」
と“悪人”に仕立て上げ、様々なスパイト行動を採ったのでしょう。

マスコミも、ソチラに需要(金の臭い)を感じたのだと、私は考えます。

変なところで他人の足を引っ張る事を考えず、良縁を祝福して上げるのが本当のファンなんだと思います。
(勿論、“ユズリスト”達は『良縁』とは考えていなかったのでしょうけど)


大切な事は、こちら↑だと思います。