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朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

つい先日日本に戻りました。日本を留守にしていた間、世間ではブログに書いても良い様々な事が起きていることが判りました。読売ジャイアンツのGM清武氏が読売新聞の渡辺天皇に噛みついていることや、相変わらす日本のテレビ番組がノー天気なタレントのくだらない遊び場になっていること、TV番組が総じていよいよ低レベルの文化的汚染をを撒き散らす害毒になっていること、日本人がいまだに何を選択し、どちらに進むべきかを知らないままに放浪している姿にまったく変わりがないことなど実に嘆かわしい状況が続いていることに驚きました。日本を離れていただけに余計にそう思えるのでしょうか。どうもも最大の原因はTVメデイアにあるようです。TVメディアが日本人総白痴化の先鋒に立っているように思えてなりません。


ところで韓国では大変なことが起きているようです。22日に韓米FTAが国会で、与党単独でこそ泥が盗みに入るときのようにこっそりと強硬可決し、それを知って怒り心頭に達した民衆が連実ろうそくデモ・集会などの反対運動に出るや,零下の厳冬に水大砲を撃つ(放水する)という殺人的な弾圧を加える一方、延坪島砲撃戦1周年に当たる23日には日当3万5000ウォンの金で老人たちをかき集めては派手な官製集会を繰り広げるかと思うと、韓米合同軍事演習を強行し、北側を著しく刺激し、再び西海を戦争の危機に陥れています。


朝鮮問題深掘りすると?

ソウルでの韓米FTA協定単独奇襲採択に抗議するデモ


延坪島周辺区域での米韓軍事演習は人民軍最高司令部による「青瓦台火の海」の警告をもたらし、青瓦台と軍部はそれを米韓FTA強硬採決に怒る民衆の関心を北側に向ける新たな「北風」に利用しようとしています。


こういして政局が大いに揺れています。現職の検事が検事の行き過ぎた政権寄りの姿勢に抗議し辞職したり、二人の現職の判事が韓米FYA強行採決に反対して2MBを糾弾して現職から退くという政権内部からの瓦解の兆しまでが見え隠れしています。


22日の強硬採決がいかに民衆の怒りを買ったかは、直後の世論調査でハンナラ党の支持率が20%台に急落したことからもわかります。また民衆の進歩政党合党(新たな統一進歩政党)の要求はいよいよ高まり、民主労働党が主導している進歩政党の一本化が可視化の段階に突入しようとしています。


民衆からは北側の「青瓦台火の海」発言について、これを民衆への「脅迫」とは受け取っておらず、逆に「早くやってくれた方が嬉しい」という声が出ています。韓米FTA協定反対の民衆デモではMB早期退陣を求める声が強く、来月には10万人規模の大抗議集会が予定されています。韓米FTA協定反対闘争はMB退陣闘争へと拡大発展する兆しさえ見せています。ハンナラ党の韓米FTA協定単独強硬採決は来年4月の総選挙での敗北を確定的にしたと見ても良いでしょう。






先日小平の朝鮮大学校に行ってきました。創立55周年を記念して朝鮮問題研究センターを開設した事を宣言すると共に、それを記念して「躍動する朝鮮半島その展望と課題」と題する国際シンポジウムが開かれたので,それに参加したのです。


シンポジウムには中国精華大学訪問教授のチョン・ギヨル教授、中国北京大学のキム・ギョンイル教授、東北アジア研究ネットワークの小牧輝男全国士舘大大学教授がそれぞれ発題しました。シンポジウムの終了後、平壌科学技術大学のパク・チャンモ名誉教授が記念報告をしました。それぞれ学ぶことが少なくありませんでしたが、個人的にはキム・ギョンイル教授の意見には賛成しかねませんでした。


同教授の主張は地政学的見地からの接近方法では朝鮮半島問題を解決することは出来ず、地経学的接近方法をとらなければならないと言うことでした。しかし彼の話を聴いているうちに疑問が沸きました。かれは地政学をどれほど知っているのか、また朝鮮問題の何を知っているのかという根本的な疑問です。聴講しなかった読者には申し訳ないことですが,重大な問題が潜んでいるようなので、ブログで扱うことにしました。


明らかに彼は地政学と地経学を相対化して話していました。地政学的接近方法では問題は解決しない、地経学的接近をこころ見るべきだと言う主張そのものがそうです。ここで地政学について長々と語るつもりはありません。ただ、政治的対立を経済的共通点の積み重ねによって解決する事が出来るかのような見解には同意できません。元来地政学も地経学も共通したいくつかの原理的認識を持っています。その原理的認識を管理人なりに整理するとこうなります。


・地球を支配しているのは弱肉強食の世界である。個別国家を主体とした国際社会もやはり弱肉強食の原理に基づいて関係を築いている
・弱肉強食の世界はアノミーに溢れており,アノミーは秩序を欲する。
・その秩序を形成する過程は覇権を求める過程でもある。
・各国は覇権を求めて闘うが、各国は自国の地理的あるいは経済地理的状況の拘束を受けている。
・従ってその闘いで優位に立つかどうかは,その国の地理的あるいは経済地理的位置によって決まる。
・各国は引っ越すことなど出来ないのであるから、地理的あるいは経済地理的状況の拘束を受けるのは宿命的である。


とまあ、こういうことになるでしょう。要するに各国が国際政治の場で占める位置ははなから宿命論的に運命づけられていると言うことです。


例えば地政学敵視点から朝鮮半島を見ますと、そこは世界制覇に繋がるハートランドと接触しており、リムランドの中でも海洋勢力が大陸勢力の反対を押しのけてハートランドに進入するもっとも良好なハイウェイの位置にあると言う事が出来ます。実際、歴史を見ると、海洋勢力である日本やアメリカが大陸侵攻のための橋頭堡として認識していたことが判ります。とくに豊臣秀吉が「仮道征明」の言葉を使ったのは良いたとえです。アメリカが朝鮮戦争を前にして策定したNSC68にもそうした認識がはっきりと現れています。


つまり地政学とは元来侵略の論理だと言うことが出来ます。ヒトラーの「生存圏」論や日本帝国主義が好んで使った「生命線」論などは全てとは言わないまでもこの地政学に基づいたデマゴギ-だと言っても良いでしょう。

ブッシュ(jr)政権に入って地政学は再び脚光を浴びました。ブッシュ(Jr)自身が地政学で言うリムランドを彷彿させる「不安定な弧」という言葉を使っています。その「不安定な弧」とはまさにリムランドと重なっています。そしてそれはアメリカの世界戦略のなかに位置づけられました。


ところが今や軍事的覇権までが崩れ去ろうとしているアメリカの現在の状況下で、新たな世界秩序をどのように築けば良いのかという問題を巡ってアメリカ、日本、ヨーロッパなどのいわゆる先進資本主義国家の御用学者連中は頭を悩まし、その過程で新たに生み出したのが地経学と言う言葉です。まだ学問的に確立したとは言えませんが、日本でも中国の勃興に恐れをなした保守派を中心に少しではありますが,著書が顔を出しはじめています。地政学が地理的概念を使って覇権の論理を組み立てたのに比べ地経学は金融、経済地理的概念を基本にして似たような論理を進めようとしています。中国でもアメリカナイズされた学者の中で地経学がもてはやされているようです。


中国の世界的規模での資源外交が急速な経済発展、人民元の世界的シェアの拡大、中国の世界的発言力や影響力の拡大などが日本やアメリカ、ヨーロッパなどに恐れを抱かせ、一人勝ちの様相がそれら諸国から強い抗議を受けていると言う現状認識も中国にはあるでしょう。地経学でもっとも注目されている問題は果たして何がドル基軸通貨体制に取って代わるのかという問題と資源の占有問題です。そして政治的多極化に相応する地域的経済ブロック化の問題も含まれるでしょう。


話が堅苦しくなりましたが、眼を朝鮮にむけて見ましょう。朝鮮の地経学的位置を最も良く見せてくれるのが羅清・先鋒地帯です。まさに海洋勢力がハートランドに入り込む絶好のルートです。キム教授の言いたかったことは、ひらたく言えばこういう経済地理的位置を利用して経済的関係を深めて行く中で政治的対立面を狭める方法論を採れと言うことですが、管理人に言わせれば一つを知って十を知らないと言わざるを得ません。


彼のこの主張は古くはデビット・ミトラニーと言う学者が主張していることで、実際に現在のEUの前身であるEC(欧州共同体)を作るときに、適用された方法論です。事実ECはヨーロッパ諸国の統合を目指しながらも各国の政治的対立がなかなか解消されず、実現可能な問題から接近しようとする機能主義的方法論にのっとってまず、鉄鉱で次に石炭で経済共同体を作り、欧州共同体の基礎を作りあげ、それを徐々に広げて行く過程で経済の共同運営を阻害する各国の政治制度や法律を変えて行き、ついには政治的共同体にまで発展させていき、それが今日のEUになったのでした。つまり経済的利害関係が共通利害を広げて行くことで徐々に政治的対立をなくしていくと言うことです。経済的に共通の利害関係が生まれれば、各国はそれを失わないように努力するので、結果的に政治的対立関係も是正されていくというわけです。


しかしこの方法論を朝鮮半島に適用するのはお門違いです。いかなる問題にもその問題を生じさせた、その問題自身に内在する論理というものがあります。この論理を解消することで初めてその問題は解消されるものです。従って作業は、その問題に内在する論理をえぐり出すことに向けられる必要があります。


では現代朝鮮問題に内在する論理とは何でしょう。これについては精華大学のチョン・ギヨル教授が明確に指摘しました。簡単に言えば過去70年にわたるアメリカの朝鮮に対する一方的な侵略的野欲とそれに抗する朝鮮の反米闘争の論理です。この論理がどのような構造を持っており、現在それはどこまで進んでいるのかという問題をまずえぐり出すのが先決です。その点でチョンギヨル教授はアメリカによる朝鮮「悪魔化」について指摘します。アメリカによって世界に広げられた朝鮮「悪魔化」は日本や韓国、イスラエルなどに伝搬され、朝鮮とアメリカの闘いはあたかも「悪魔と善人」の、「異常と正常」の、「民主主義と独裁」の闘いのように歪曲され続けています。現在日本を支配している朝鮮認識がこうしたアメリカのプロパガンダに完全に毒されていることは言うまでもないでしょう。


アメリカは黄昏を迎えつつありますが、未だに超大国です。その超大国によって、東アジアの小国が政治、軍事、経済的に締め付けられていると言う現実を冷静に見据えた場合、キム・ギョンイル教授の指摘はうつろに聞こえるばかりです。彼はもっと朝鮮を知るべきです。しかも冷静に、客観的に,現実をしっかりと見据えて、とくに今年のキム・ジョンイル国防委員長の訪中、訪ロの持つ意味をもっと正確に、捉える必要があるようです。


地経学の専門家ではないので管理人の理解に間違いがあるかも知れません。一応お断りをしておきます。


それから明日から約2週間、日本を離れる事になりました。そのため明日から当分おやすみになります。ご了承下さい。

聖域問いwqれつづけてきた軍事費にメスを入れなければならないほどの財政危機と経済の低迷にあえぐアメリカの姿は少し前まで考えも付かなかった話です。もちろんアメリカ経済の破綻については1990年代半ばには明らかに予想の付くものでしたが,これほど早く表面化するとは残念でしたが思いもよりませんでした。まだまだ管理人は勉強不足くのようです。


アメリカはその経済軍事力を持って、「朝鮮を封鎖せよ!」と日本や韓国など世界に号令をかけてきたのですが、攻撃の的であった朝鮮はどっこい力強く生き残り、反対に号令をかけて朝鮮を圧迫してきたアメリカの無残な姿はなんと言えば良いのでしょうか。遠からず事態は反転しつつあるのですから。


しかしこれに気づかない,あるいは意識的に気づくのを避けようとする日本では、相変わらずのネガティブ報道が続いています。だが、朝鮮の経済は引き続き良好のようです。いつだったかテレ朝の番組で、池上章が何も知らないタレントを相手に朝鮮を取材したのに基づき講義をしていたのを偶然に見ましたが、最新の映像を見ることができました。


ただ、映像はよかったのですが、池上のコメントは映像が訴えていることを否定し、あら探しの類いを抜けきれなく、やはり色眼鏡を架けていたようです。そして何も知らないタレントらがそれみよがしにうなずいているのをみると、人間とはこうもいとも簡単にだませるものなのかと思ってしまいます。彼の言っていることが正しい判断にもとづいたものなのかどうかは二の次で,彼の「名声」と知ったかぶりの話し上手が彼の話に信憑性をもたらしているのでしょう。気をつけなければ…。


一つだけ是正しておきたいことがあります。彼は番組の中で朝鮮は来年には「経済大国」になると目標を掲げていると言っていましたが、それは彼の勘違いか、やはり朝鮮のことを知らないまま知ったかぶりをしているという事のようです。これは日本の報道も間違っている点ですが、私見では朝鮮が公式にいっていることは、来年は「強盛大国の大門を叩く」と言うもので、「強盛大国になる」なんてことは一度もいったことがありません。「強盛大国」になると、「その大門を叩く」とはまったく意味が違うのであって、単に「言葉のあや」で片付くものではありません。


しかし映像を見た限りではやはり朝鮮の経済が上昇気流に載っているという印象を受けました。
今朝鮮では「ハンナム(咸慶南道=咸南)エプルキル(咸南)の炎」と言うかけ声が高らかに叫ばれています。咸南に所在する基幹産業(CNC設備を自力で開発し、朝鮮の先端科学技術に基づいた機械設備の生産で躍進を遂げたヨナ機会連合企業所や地熱設備の生産の突破口を開いたヨンソン機械連合企業所、原油に依存しない繊維をはじめとする様々な化学製品の生産を可能にした2.8ビナロン、無煙炭のガス化を通じた新たなチュチェ科学肥料生産のフンナム化学肥料、などの化学産業の基幹企業所)で新たな躍進が生まれていますが、その躍進の炎を全国が見習おうというのです。


他にもテフン青年英雄鉱山、ヨンヤン鉱山、タンチョンマグネシア工場、ヨンジョン果樹農場、それにタンチョン港建設などで類を見ない成果を上げています。


朝鮮中央通信によればフンナム肥料連合企業所はすでに一つの生産ラインを完工し、試運転も終わっていて本格的な生産に入ったといいます。最終的には二つの生産ラインを持つことになりますがもう一つは来年の4月に完工の予定です。他にナムフン青年化学連合企業所がありますが、昨年二つの生産ラインが稼働し、無煙炭(褐炭)を利用した化学肥料生産に入っています。朝鮮にとって農業はネックだとされてきましたが、これらの肥料工場が正常稼働に入れば年産1000万トンの穀物を生産するのに必要といわれる肥料の全量を国産で賄え、肥料の輸入に頼る必要がなくなります。


ところで輸入原料に依存しないチュチェ鉄製産工程やチュチェ肥料生産工程の確立によって朝鮮経済の輸入原料依存度は限りなくゼロに近いものとなり、全てを自国の原料と技術で解決することのできる土台が形成されたわけです。画期的だと言わねばならないでしょう。


そうした朝鮮の科学技術水準は製品の質的レベルとなって現れ国際的にも評価されているようです。
たとえば10月17日から20日まで,朝鮮で平壌秋の国際商品展覧会が行われましたが、そこには中国を始めオランダ、ドイツ、ブルガリア、マレーシア、スイス、スェーデン、オーストラリア、オーストリア、インド、イギリス、チェコ、フランス、ポーランド、台湾などから189企業が出店しています。展示会には工作機械などの機械設備、電気・電子製品、軽工業製品、食料品、医療器具及び医薬品、建材、化学製品、輪転機など約2000の各種製品が出品されています。


平壌での展示会に出展する企業の数は毎年拡大していますが、今回は大型トラックや建設機材、など建設関係が目に見えるほど増えていたと言います。建設ブームの朝鮮の姿がここにも現れています。


またイギリスやドイツ、ポーランドなどのヨーロッパ企業と朝鮮の企業を結ぶ仕事をしているヨーロッパ企業協会は、今回の展覧会を機会に新たに6企業が加入したと言います。同企業協会のバルバラ責任担当者はドイツと朝鮮の合弁会社が成功していることを例に挙げながら「展覧会を機会に毎回良い結果をあげている。朝鮮に関心を持っている企業が毎年増えている」と語っています。


フランスは現在同協会に加盟してはいませんが、展示会の1週間前に平壌に常駐事務所を設置し、今回の展示会には8企業が参加しています。


また一時日本のマスコミが韓国の報道にのせられて平壌10万世帯分のマンション建設が滞っていることから2012年に「強盛大国」の目標達成危うしと言ったような報道をしていましたが、その報道がまったくのでっち上げであった事がはっきりしています。(朝日新聞は朝鮮新報の記事を紹介して是正のための記事を新たに載せていましたが、)


朝鮮の衛星放送などを見ていると、43階建てのマンションを始め高層マンション(一世帯80~100平米)が、どんどん建っており、万寿台通りの建設(10万世帯建設の中心地域)が最後の追い込みを迎えているようです。イメージ出来るように現在の建設光景を写真でご紹介します。サッカー・ワールドカップ予選を見に100人を超える一般の日本人サポーターがが平壌に入ることになりましたが、現地をよく見てくることを進めたいです。


また盗み聞きや盗み撮りを得意とするジャーナリストらがサポーターに紛れ込んで朝鮮に入り込み、のぞき趣味,ひがみ根性丸出しのでっち上げ記事を生み出すこともあるでしょう。週刊誌や産経新聞などジャーナリズムとはほど遠い、売文家丸出しの憶測記事、勝手な自分のレベルに見合ったス想像記事でこれらの週刊誌や新聞ならぬ新聞が埋められるでしょう。


日本には最早ジャーナリストと呼べる人物がなく、腐ったテレビ報道や腐った新聞に染まっていることすら気づかずにいる一般人、それを知っていながらも是正しようとは決してしない経営陣や編集担当者、知ったかぶりの得意な似非学者や評論家の同盟に依存している政治家たち、これらの姿はフクシマ以来はっきりと姿を現しています。これ以上、言うことはないでしょう。(写真は現在建設中のマンション=上と、すでに建設し終え入居済みのマンション群=下)

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