朝鮮問題深掘りすると? -31ページ目

朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

4月11日日のブログでご紹介した「民衆の力」が3日、ついに出帆しました。この日、午後2時、ソウル駅広場に市民社会団体代表ら2000余人が結集し、「2011年民衆大会」を開催。ここで「韓米FTA批准無効、民衆生存圏争取、李明博政権退陣、ハンナラ党解体を促し推進するために労働者、農民をはじめとする各界市民社会団体が終結し、「民衆の力」の正式な出帆を宣言、「この地の民衆たちの苦痛を民衆陣営の団結と闘争を持って越えていく」とし、とくに韓米FTA廃棄を実現するために闘おうと声を上げました。


朝鮮問題深掘りすると?

「民衆の力」の常任代表に選出された民主労総のキム・ヨンフン委員長は大会の辞を通じて、「かつて、ばらばらになってたたかってきた過去の教訓をくみ取り、奪われた者たちが全て集まり、一握りにもならない資本と政権に正面から立ち向かう象徴的闘争体を作るための運動の結実として『民衆の力』が出帆する」と明かしました。


そして「民衆の団結と闘争を通じてこの汚い世を変えることが『民衆の力』の基本精神」だとし、「民衆の生存権を踏みにじり,民主主義を後退させるいかなる勢力とも闘うために『民衆の力』が先頭に立って闘う」と明かしました。


そしてなによりもまず勝ち取らなければならないのは韓米FTAの廃棄だと強調しました。そして「李明博大統領が韓米FTA批准案に署名したことで批准手続きが終わったと言うが、そうではなく署名した李明博政権とハンナラ党が終わったということだ」と声を荒げ、「民衆の力」をはじめとして、民衆の先鋒に立って韓米FTAを廃棄し民衆生存権を争取する歴史的闘争を開始する」と宣言しました。


また「民衆の力」協同代表である全国農民会総連盟のイ・グァンソク議長は「李明博政権の4年間、農民たちはそれこそ塗炭に落ちたままだった。米価、生活費、物価を抑えるといいながらかえって農民を殴りつけている」と非難。「韓米FTAは昨年殺処分で失った家畜のように農民たちを殺処分することだ」と訴えました。
そして「間違ったことを是正するために各分野で闘ってきたことを、いまこそ「民衆の力」を通じて共に闘う」と明かしています。


このように「民衆の力」は当面の闘争方向を韓米FTA廃棄闘争に定めていることが判ります。そして「、民衆の力」はその出帆宣言文を通じて「新自由主義の反対」「戦争反対」「社会公共性の拡大」「自主的平和統一の実現」などのために労働者、農民、貧民、青年学生が団結し、闘っていくと明かしています。


「民衆の力」の出帆は民衆に果てしない力を与えています。
病院に勤務するュ紙(47)は「遅くなったが、出帆を歓迎し、「民衆が力を合わせ一つの言葉を叫ぶ事の出来る進歩的な団体になって欲しい」とと語り、公務員のキム某氏(42)は「外形だけが統一されるのではなく、民衆の力を結集して政治的に統一した民衆の力になって欲しい」と熱い期待を寄せています。


「民衆の力」は進歩民主陣営を総網羅した常設的連帯闘争体です。4gつ8日に準備委員会を出帆させましたが,そのときの宣言では労働者、農民、貧民、青年、女性、進歩政党、進歩的知識人、民衆芸術家、進歩的社会団体、人権団体などが集結し、自主と平等、民主主義、反戦平和と統一を志向する進歩民衆陣営を総網羅した常設的連帯組織体『世の中を変える民衆の力』準備委員会の出帆を宣言する」と発表していましたた。「民衆の力」には民主労働党、進歩新党、社会党などの政党も参加しています。


出帆宣言文は「反新自由主義と民主主義の争取、反米反戦、自主統一という旗印の下、強力な連帯闘争体を構築する」とし、「世の中を変える民衆の力(準)はこの闘争の求心点となり進歩民衆運動陣営の闘争力と社会政治的影響力を強化するために全力を傾ける」と誓っています。

には民主労働党、民主労働者全国会議、韓国進歩連帯、全国農民会総連盟、民主労総、全国女性連帯、平和と統一野道を開く人々、韓国青年連帯、21世紀韓国大学生連合など40の団体が参加しています。


「民衆の力」準備委員会結成後、韓国では様々な問題が起こりました。何よりも李明博政権のレイムダックはいよいよ深まり、ソウル市長選挙に見るよう今の韓国はもはや李明博政権に対する爆発寸前の不満でパンパンです。MB政権の対北敵対政策、いわゆる「5大江乱開発」反対闘争、富益富貧益貧にあえぐ労働者、農民の塗炭の苦しみ、韓進重工業ヨンド造船所でのキム・ジンスク女史の300日を超える高空クレーン単独籠城と、それを支援して全国的に展開された「希望のバス」運動、ソウル市長選で見せたハンナラ党に対する民衆の強烈な排撃、韓米FTAのこそ泥のような強行採決に対する怒り、進歩的政党の統合目前の情勢、そして何よりも「天安艦」沈没事件、延坪島砲撃戦などMB政権によって企てられた反北謀略事件によるいわゆる「北風」が最早通じないことを見事に見せつけた今の韓国は、まさに民衆の力を総結集させることを歴史の使命として、民衆の希望として要求しているのです。


韓国ではこれまでもこうした組織体が幾度か生まれては希望を与えては残念にも消えていきました。管理人はその最大の理由は、これまでの組織体が情勢発展の要求に基づかずに各運動体上層部やいわゆる罪や性欲あるいは在野人士の手前勝手な判断に寄るもので民衆側からの切実な要求と、民衆側にそれを実現することの出来る力が備わらないないままに青年学生と労働者農民らの意思を決定的な要素としていたからであったというのが管理人の考えです。


だが、まさに「民衆の力」は違った通路を通じて発足しました。何よりも情勢の発展がそれを必然的に要求しています。つまり「民衆の力」は正式に出帆すべき時に出帆したと言うことです。また前で見たとおりに出帆に値するような大衆的力量と各界各層の広範な民衆の支持を獲得した上で出帆しました。こうして韓国の反政府闘争は重大な曲がり角に来ていると言えるでしょう。天王山を迎えつつあると言うことです。期待したいです。


しかし一方で懸念されることもあります。西海での軍事的衝突が起きる可能性を完全に否定できないと言うことです。現在韓米が西海で合同軍事演習を強硬しています。これに対して朝鮮は断固中止を要求し、さもなければ物理的措置に訴えると強く警告しています。この合同演習で一発でも砲弾が朝鮮領海に落ちれば去年の延坪島砲撃戦が再び起きることも考える必要があるでしょう。


しかも韓国軍部は北側の物理的対応には、直接対応に動いた部隊だけではなく、その上部の指揮所までも攻撃すると息巻いています。もちろんそれが可能かどうかと言うと否定的な答えしか出てきません。実際それだけの実力が韓国軍にはありません。しかし韓国軍の意識的な衝突拡大がそのまま拡戦に繋がることも考えないわけにはいきません。


こうした危険を防ぐ唯一の方法は「民衆の力」をはじめとする韓国民衆の反李明博闘争の急激な拡大と、韓国軍に対する北側の圧倒的な武力の差でしょう。それを韓国軍部が認識しなければなりません。もっとも良いのは韓国の民衆闘争がMB政権と軍部の野欲に終止符を打つ事でしょう。韓国の民衆の力にMBばかりか韓国軍部が恐れるようにならなければなりません。武力衝突は自滅をもたらす事だとMBも韓国軍部も気づかねばなちません。


どの道を歩むことになるかは「民衆の力」をはじめとするそれこそ結集した民衆の力でしょう。



30日、ソウル延世大学で第3回コリア国際フォーラム「コリア半島の平和と統一の課題と展望」がひらかれました。


朝鮮問題深掘りすると?



同フォーラムは28日から開催されており、この日は朝鮮半島統一問題が論議されましたが、核心を突いた活発な論議がありました。公開されている内容を見る限り、参加した外国からの来賓の認識が、朝米問題の本質を的確に捉えている事がわかります。日本の市民運動にはなかなか見られないストレートな発言に関心しています。


いくつかをご紹介します。

まずフランスから参加したフランス労働組合公企業部門全国連盟のウィグマティオ中央委員の発言です。彼はこう主張します。「朝鮮半島の非核化がいかに重要なのかを知った。しかしその先決条件は駐韓米軍の撤収」であり、「駐韓米軍の撤収は南側の自主と関連している。」「チーム・スピリットのような韓米軍事演習は行われるべきではない」「これは宣戦布告と認識されるしかない。韓国と米国の軍事同盟も廃棄されなければならない。こうした過程が朝鮮半島の統一を早めるもっとも早い道だ」と指摘しています。


また核問題と関連して、「北朝鮮も核兵器保有に対して否定的認識をもっている。しかし北朝鮮が核を持たざるをえない理由は韓国で繰り広げられている韓米合同軍事訓練のため」であり、「北朝鮮が直面している困難はいくつかあるが、アメリカによる帝国主義勢力の圧迫と封鎖がもっとも重大な問題」だと指摘。「北朝鮮がアメリカを始めヒラリーらとも接触を持っていることを慎重に見なければならない。裏で何が話合われているのか。実際、アメリカを説得するために北朝鮮が直接動いている。オバマが賢明な決断を下すときである。アメリカと北朝鮮を取り巻く交渉は暗いところではなく外に出て行うべきである」と強調しています。


最初の発言内容は朝鮮の統一問題に対する認識であり、次のパラレルは朝鮮半島非核化の問題に突いての発言です。もちろん両方とも他者としての客観的な視角からの判断だと言って良いでしょう。


フランス・コリア親善協会北部支部代表のクリサンテ・テハポンテスはより直裁に言っています。「重要な政治闘争は外国軍を追い出すことだ。そうしてこそ我々自身が国防を語ることが出来るし、統一を実現することも出来る。誰もこの統一方法について干渉すべきではない」


彼らの発言の基本的認識はアメリカによる一方的な「北朝鮮悪魔化」キャンペーンから自由であり、事態を客観的に,歴史的脈絡の中にしっかりと位置づけて理解したうえで成り立っていると言う印象を強く受けます。日本TVによく顔を出す似而非北朝鮮専門家や学者、評論家、ジャーナリストにはついぞ見られない真面目な姿勢が見受けられます。


意実、朝米関係史の内実を真面目に勉強したものであれば,彼らの発言がなんら珍しいものでも、難しい論理展開が要求されるようなものでもないでしょう。ただ、何の先入観もなく、真面目に、アメリカの頭ではなく自身の頭で朝米関係史を紐解いていけば、小学高学年レベルの知的準備さえあれば、わりと簡単に気づくことの出来ることです。


このフォーラム、まだ続くようですので、またなにかありましたらブログで扱おうと思います。


今日は一泊二日の予定で広島に行ってきます。体調は万全ではありませんが,ブログの読者から講演の依頼がありましたので,嬉しいことでもあり、せっかくの依頼を辞退するのも申し訳なく、思い切って受けることにしました。そういうわけで明日のブログはお休みということになります。

朝鮮外務省が30日、長い沈黙を破って代弁人談話を発表し,核問題に関する朝鮮側の基本的立場を再確認しました。


外務省代弁人は「核エネルギーの平和的利用は国際法的に公認された主権国家の合法的権利」であり、「その原料源泉が豊富なわが国で緊張する電力事情を解消する事の出来る最も有力な方法」だと指摘。原発の建設と低濃縮ウラニウムの生産は電力問題解消用だと、改めてその性格を明確にし、軽水炉建設と原料用ウラニウムの生産が速やかに推進されていると明かしています。


代弁人はまた、「試験用軽水炉の建設とその燃料保障のための低濃縮ウラニウム生産が急ピッチで推進されている」と明かしています。朝鮮は2009年に軽水炉建設とウラニウムの濃縮について闡明し,昨年11月、アメリカの科学者らに濃縮施設を公開しています。代弁人はそれを再度確認し,朝鮮がすでに言明してきたことを着実に実行していることを示したのです。


6者会談が速やかに再開されない限り、朝鮮の核開発計画が着実に前進するしかないことを警告しているものでもあります。


さらに代弁人は「これと関連して憂慮されることがあるならば、6者会談でいくらでも論議することが出来るし、国際原子力機構(IAEA)を通じてその平和的性格を確認させることもできるという伸縮性のある立場も表明した」と指摘しています。先月ジュネーブでもたれた朝米高位級対話でIAEA視察団を受入れる用意があると闡明したことを再確認したものです。


以上は朝鮮の核開発と関連した原則的立場の再確認と、現状を知らせたものだといっていいでしょう。
目をとめたいのは、6者会談の速やかな再開要求とそれが遅延されるほど核開発は進むという警告が同時に行われている点です。


さらに代弁人は「朝鮮半島の非核化過程が紆余曲折を経ているのはアメリカが自から闡明した公約と義務をまったく履行しないまま,わが国の自主権を侵害し,平和的発展を妨げる事にのみ執着しているため」だとアメリカを次のように明快に非難しています。


「(2005年)9.19共同声明には全朝鮮半島で核の脅威を根本的に終息させ,敵対関係を清算し,恒久的な平和体制を構築する際のアメリカの義務がはっきりと規制されている」


そしてこうしたアメリカの義務履行について言及したのに続き、「われわれは前提条件無しに6者会談を再開し、同時行動の原則に基づいて9.19共同声明を段階的に履行していく準備が出来ている」と述べています。
つまり朝鮮側には全ての準備が出来ているが、問題はアメリカが自らの公約と義務を怠っていることが6者会談再開を妨げている最大の原因である事を暗に指摘しています。


他方で「現国際情勢は主権国家の合法的権利を不当に問題視し、徐々に他国の主権を侵害する不純な企てを許し,それに盲従、盲動することがどのような悲劇的後患をもたらすことになるのかをしっかりと見せつけている」としている点に注意を向けたいです。


アメリカの謀略的覇権主義侵略策動を正しく見抜くことが出来ずにじわじわと譲歩を繰り返すことで、ついには政権崩壊に至ったリビアの経験を忘れるべきではないと言うことでしょう。
そして最後に「しかい自分のするべき事をせずに、他人にのみ一方的な要求を強圧的に迫るのは許す事は出来ないし、われわれの平和的核活動を不法化したり限りなく遅延させようとする企ては断固とした決定的な対応措置をよぶことになるであろう」との不気味な警告で終わっています。


代弁人談話を読んで管理人が受けた感想を言えば、談話は現時点での朝鮮の核開発の現状を整理し、アメリカに通告したと言うことです。しかもその通告はもはや時間が切羽詰まっていることをアメリカに知らせるためのものではないでしょうか。いま決断しなければ朝鮮の核開発を何とかコントロールしたいアメリカの目論見は完全に破綻し、朝鮮は強力な核武装国家となり、アメリカは朝鮮と核軍縮交渉をせざるを得づ、従ってアメリカの東アジア政策が崩壊する事になるという警告です。


実際、管理人はこの談話に接して,直感的に朝鮮の軽水炉建設が予想以上に進展し、来年には稼働するのではないかという感じを受けました。それは談話が「核エネルギーの平和的利用の権利」について集中的に論じており、「自立的民族経済のしっかりとした土台と最先端に向かって飛躍的に発展する科学技術に依拠し試験用軽水炉建設とその燃料を保障するための低濃縮ウラニウム生産が級ピッチで推進されている」としているからです。


これまで朝鮮は軽水炉建設について段階ごとに公表してきました。管理人には今回の談話が軽水炉建設が最終段階に入った事を暗に伝えていると思えてなりません。


アメリカにとっていまが最後のチャンスです。つい最近、ニューヨークのブロードウェイの上空に「LAST CHANCE」と書かれたことが思い出されます。誰がどうやって何のために書いたかは知りませんが、通行人がビデオで撮影した画面(ユーチューブで見られます。http://youtu.be/EF2APh4gEyo )が思い浮かびます。アメリカの現状をよく表している言葉ではないでしょうか。


朝鮮問題深掘りすると?