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朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者であるキム・ジョンイル国防委員長が17日に逝去したとの悲報が全世界に衝撃を与えました。朝鮮中央テレビが18日、公表しました。それによると「心臓及び、脳血管の疾病により、長期間治療を受けてきた。度重なる精神的、肉体的な過労により、急性心筋梗塞(こうそく)が発生し、心原性ショックが併せて起きた」とした。現地指導に向かう列車の中だったといいます。17日午前8時半に死亡、18日に病理解剖検査が行われました。


殉職です。現地指導の道の半ばで倒れたというのですからまさに世紀の革命家らしい一生の終え方だと言えるでしょう。国防委員長を父とも思う朝鮮人民の驚きと嘆きは知って余りあります。在日コリアンも強い衝撃と悲しみに包まれていることでしょう。

管理人個人としては是非朝鮮の統一と朝米、朝日国交正常化を目撃できていたらと言う思いでいっぱいです。誠に残念です。心から深い哀悼の意を捧げたい思いで胸が張り裂けそうです。


また一時代が去りました。しかしその時代は今に継がれ,今後も永遠に引き継がれていく革命の時代です。国防委員長の生涯は故キム・イルソン主席の遺勲を実現することに捧げた一生でした。むろんキム・イルソン主席の遺勲は朝鮮革命の最終的勝利と世界の自主化(世界の民主化と完全なる平等の実現)の実現にあり、それは幾世代を通じて貫徹されるべきものであるので、国防委員長亡き後も面々と代を継いで完遂されていくことでしょう。


そこに朝鮮における革命の後継者問題の重要性があります。単に政権(若しくは権力)の後継者といった単純なものではないのです。


従って後継者の第一の徳目となるのは前最高指導者の思想(チュチェ思想とそれに基づく先軍思想)と、それに依拠した党の路線と政策に忠実である事、「人民を愛し人民の中で」をスローガンにした革命的大衆観と大衆路線、自主、自立、自衛の国家建設路線と国家政策、一心団結の思想とその具現化である領首-党―軍―人民の一体化を本質とする革命力量の強化発展、強盛大国建設路線,一言で言えば故キム・イルソン主席の遺勲にかたくなに忠実である事にあると言えるでしょう。朝鮮はそうした後継者として若き大将キム・ジョンウン軍事委員会副委員長を定めました。


しかし多くの人々がこれを知らないまま、あたかも朝鮮での指導者の交代を権力の委譲という視点で見ています。そこからキム・ジョンイル国防委員長の逝去があたかも「権力の空白」なるものを生みだし、そこに不安要素を見い出そうとしています。


そこから「混乱」や「不安」を語り、それを政治学者や朝鮮問題専門家らを動員して「解説」し、「納得(自らもそして他人も)」させようとしています。これからどんどん増えるでしょう。


キム・イルソン主席が逝去されたときとまったく同じです。すでに20年以上も過ぎましたが、そこから一歩たりとも前進できないでいるというわけです。嘆かわしい限りです。


しかし同じ事が国家レベルで起きている点は見過ごせないことです。現在米・韓・日で情報収集とその分析に必死です。もちろん焦点は朝鮮で何か特段の動きがないかという点です。すでに米韓は最高指導者の死去によるいわゆる「北朝鮮有事」を想定した軍事作戦計画をたてており、すでに韓国軍はその体制に突入しています。韓国が突入していると言うことは駐韓米軍も同様な体制を取っており,従って日本自衛隊もそれに続いていると見た方がよさそうです。


それは他人の不幸につけいろうとするやくざやギャングのする事とさして違わない態度です。
もちろん韓国の民衆はそれを警戒しています。民衆は2MB政権はこの機会に民衆の目と耳を北側に集中させ、ソウル市長選でのDdos攻撃に青瓦台が加わっていた事が明らかになったことが反2MB闘争に火を付けることのないように企んでいます。


つまり国防委員長の逝去を,全ての疑惑や反2MB感情を闇の中に吸い込んでしまうブラック・ホールに作り上げてしまおうと言うことでしょう。2MBのやりそうなことです。


かつて金泳三政権がそうしたことをやりました。全土に非常事態を宣布し,今にも北側が戦争をしかけるかのような恐怖で韓国全土を覆い尽くしました。もちろんためにするものでした。北側の民衆が金泳三を絶対に許せないとしているのはそのためです。果たして2MBも金泳三の轍を踏むのでしょうか。しかしそれは極めて重大な問題を引き起こしかねません。2MB政権のために現在の南北関係は極度の緊張状態にあります。ぱんぱんに張り詰めています。


こんな時に朝鮮を刺激するほんの小規模な衝突も全面戦争に拡大する恐れがあります。現在韓国軍は全軍に緊急非常事態体制に入るよう命令を下しデフコンを一段階上げようとしています。現在はデフコン4ですがこれをデフコン3に格上げすると非常戦闘体制となります。危険きわまりないことです。もっと人間的に行動するように訴えたいところです。

韓国の民主党が市民勢力の一部と弱小野党(議席もない)と統合し民主統合党を結成しました。民主党はこれを「世界史上かつて無い革新政党の登場」だと胸を張っていますが、虚勢と言うほかなさそうです。実際統合民主党を「革新政党」と呼ぶことが出来るのかは今後の問題であり、従って「性愛史上かつて無い」という修飾語は止めた方が良さそうです。しかしこれによって野圏には二つの政党が登場したわけです。


朝鮮問題深掘りすると?

 









    統合民主党親任指導部及び民主進歩統合代表者連席会議に参加した指導的人物ら

野圏は来年の総選挙でハンナラ党と一対一で対決した場合、十分に勝てると見ています。逆に野圏が二つに分かれたまま総選挙に打って出ては逆の効果をもたらすという点では一致した考えを持っています。そこで当然に野党の選挙連帯の論議が緊急の課題として浮上しています。

しかしこの点で野圏は未だ一致を見れないでいます。しかも民主統合党の新陣営が現れるのは来年の1月15日です。加えて民主統合党は根本的な問題を引きずっています。


民主統合党の主要な部隊の一つである韓国労総は、御用労総としての長い歴史を持っており,現政権下でもハンナラ党と政策連合まで締結した経験を持つ労総です。政権と資本を相手にした闘いでつねに妥協と哀願で一貫してきたし、後ろ向きでした。


しかも歴代の民主党議員らは日和見で一貫してきました。決定的な場面で政権与党と妥協してきたのです。つい最近も韓米FTA問題と関連して、こそ泥的に強行採決したハンナラ党の行為に抗議して登院拒否をしたのも中途で寝返り、暗闇にネズミがこそこそ動くように民衆を背信したばかりです。そのような民主党がいかに市民勢力の一部と統合したからと言って根本的に変わるわけがありません。


もちろん市民勢力の一部が民主党との統合に参加したことから幾分かは民主党の悪癖を是正するのに役には立つでしょう。しかし根本的な是正にはほど遠いものに終わるしかありません。いまは民主統合党と統合進歩党の選挙強力(どのような形であれ)がスムーズに進められる事を祈るばかりです。


現在の民主党は金大中のようなカリスマ性を持った指導者を持ち、そのカリスマ性の周辺に寄り沿っている、カリスマ的指導者がいなければ、左右のどちらの足を出すべきかと甲論乙駁しているような典型的なボス政党です。その悪癖は統合民主党の役員選出(新陣営の構成)をめぐって現れることでしょう。つまり民主統合党と統合進歩党の関係はそのときになってから確定されることになるということです。


ただし前回のブログでも書いたように、韓国の民衆は政治のパラダイムそのものの変化を望んでいることを忘れてはならないでしょう。民衆は現在の政権だけではなく韓国の政治全体のパラダイムが変わる事を望んでいるのです。


それは野党についても同じです。野党も体質改善が要求されているのです。米韓FTA問題やソウル市長選での政権側の不正選挙(パク・ウォンスン候補のhpや選挙委員会hpへのDdos攻撃)、さらに2MBの親・姻戚と李明博のアバターらによる巨額の不正事件、そうるしちょうせんのときに現れた「アン・チョルス現象」、民主統合党の結成合意などにも係わらず、民主党支持率はさして上がらず、統合進歩党の支持率は統合実現の直後には一気に15%に上った事などは、民衆が韓国政治のパラダイムの変化を切実に望んでいることを示しています。


そして現時点でのその力の大きさは「骨の髄まで親日」と言われた李明博大統領が、訪日で決して言いたくもなかった「従軍慰安婦」問題での発言をもたらしたことによく現れています。2MBとしては決して言いたくなかったことでしょう。


なぜならそれが日韓の新たな政治問題として浮上するばかりか、2MB政権にとって解決しなければならない今ひとつの重い課題になるからです。2MBとしてはそのように簡単には解決されない重く重大な課題を背負いたくはなかったはずです。その発言は韓国の民衆のみならず全朝鮮民衆の期待を膨らませることでしょう。しかし2MBには本気で問題解決を迫ろうとは思っていません。ただ気にしているのはそれが日本の反韓感情やエゴイズム的国粋主義的感情を煽るだけであり、そのことによって自らがさらに新たな問題を背負わなければならなくなるという心配だけでしょう。しかしこうした姿勢は政治のパラダイムの根本的変化を要求する民衆の意思をより強いものにするだけです。


現在、政治のパラダイム自体を変えるための政治的力量は急速に民衆の中に拡大し強化されて行っています。そしてそうした力は来年の総選挙、大統領選挙に向けて一層力強いものになるでしょう。統合民主党が自らの役割を果たそうとするのであればこうした民衆の意向を十分にくみ取って自らの進退を決めることです。

ハンナラ党の一角から大統領脱党の要求が飛び出し、立て続けに大統領親・姻戚の不正疑惑が生まれ、青瓦台が極度の不安に取り巻かれているなかで16日、親任の大統領室長が「揺れることのないように」「大統領がその席を離れるまでは渾身の力を振り絞って大統領を輔弼しよう」と職員を前にして必死に訴えました。しかし、その言葉も「我々が身を投じているこの政府は迅速な経済危機の克服と、4大江事業の完結、FTA締結と貿易1兆ドル達成など、必ず歴史に評価されると言う信念を持とう」と言った途端に空虚なものになってしまいました。親任の室長の訴えはまさにおぼれかけている人間がわらにもすがろうという姿を思い浮かばせます。


実際、ハンナラ党はこのまま今年を無事に過ごせるのでしょうか。彼の頭は酷く混乱しているようです。彼は「我々を守ってくれるのは国民しかいない」「国民を信じて働くほか無い。したがって大統領と国民のためにならないいかなる事もしてはならない」と訳の分からない言葉を吐いています。


彼は国民が2MBに早く退いて欲しいと思っていることに問題があることを分かっていないようです。国民のためを思えば2MBを捨てねばならないことが判っていないのです。無邪気と言うよりも完全にドクされているのです。それがわからないからしがみついているのです。だが、2MBの政権は事実上すでに終わっているのです。2MBの新しい読み方が生まれたのもそれを示しています。これまでは2=李明博のイ、mb=メガバイト=明博の頭文字と呼ばれていたのですが,新たにM=マルチ、Bビリリ(非理のハングル読み)、つまりマルチ非理と呼んだのです。李明博大統領の親・姻戚やアバターと呼ばれる側近らの非理、不正が暴かれていることから生まれたあだ名です。2MBは「自分の政権になって100%非理はなくなった」と自慢していましたが、それをせせら笑う民衆の声が聞こえてくるような気がします。


ハンナラ党は瓦解寸前で朴槿恵を引っ張り出して,何とか命脈を保とうとしているようですが、逆に朴槿恵の大統領有力説はそれに反比例して消え去ろうとしています。朴槿恵も相当悩んだようです。ハンナラ党と運命を共にするかどうかと言う分かれ目です。


大統領に当選する自信を喪失したことから、議会を牛耳る党の党首しての未来を描くのか、少数与党でも大統領の地位を得るのか、どちらの可能性が濃いのか、悩んだ上での登板でしょう。


それにしても朴の登板は分裂直前のハンナラ党に一種の安定をもたらしたようです。やはり朴のカリスマ性は生きているようです。しかし問題はハンナラ党が相変わらずボス政治の弊害をもっていること、朴一人のカリスマ性(あくまでも旧政治家らにとっての)に全面的に頼っていることなど、まさに腐敗と非理のもとがそのまま残っているのです。つまり旧態依然、何も変わらないと言うことです。


こうした政権のもろさは盧武玄政権が良く見せています。彼一人の個人的資質に全てかかっているような政権は、その周辺におこぼれをもらうか、あるいはその陰に隠れて不正と非理をことにするような輩が集まってくるものです。それにこうした輩は自分を小ボスとして扱うことを要求し、小ボスとして振る舞うものです。この悪癖を直さない限り政治は変わりません。そして国民はまさにその悪癖の克服を要求しているのです。韓国社会は民主化闘争を通じて一程度の発展を見せ、民主主義が多少なりとも進展したので、民衆の民主主義的要求は一層拡大しています。そして旧政治の非近代的弊害をなくそうと必死なのです。そうした民衆がハンナラ党のような政党のいまの姿を拒否しているのです。そうでなくても民衆はハンナラ党の汚い姿を十分に見せつけられています。そしてもはやそれに我慢できなくなり、反乱を起こしているのです。


こうしてみると民主党もさして違いはないようです。とくに野党単一化を叫ぶ民主党が早くから反対派と推進派に分裂し争っていたのが目立ちます。民主党は次回総選挙での勝利が確実と読む反対派と、次回総選挙での勝利を信じつつも次期大統領が誰であっても実権を握りたいと狙っている推進派に分かれているわけですが、早くも権力を握りたいという野心が見え見えで民衆の批判を買っています。野党統合は辛くも実現しましたが、民主党を中心にした党でその名も統合民主党です。しかし野党統合の際に見せた内部の分裂は別の野党の出現を予想させており、その党は来年1月には姿を見せると言われています。
ハンナラ党としてはしめしめと思っていることでしょう。


いずれにせよ民衆の思いが統合進歩党に向いているのは明らかです。統合進歩党はその出奔直後の世論調査で15%以上の支持を得ています。究極の目的は大統領選挙での勝利ですが、それよりもまず、民心の掌握が最も大事なことです。これを統合民主党に任せてはならないでしょう。それではせっかく政治再編のチャンスを逃してしまいます。


それは政治のパラダイムを変えることを望んでいる民衆の願いとは逆コースです。米韓FTAに反対する広範な民衆のろうそくデモは政治の新たなパラダイムを要求する民衆の姿を如実に見せつけました。民衆はそれを次回の総選挙と,その締めくくりとしての大統領選挙に託しているわけですから、統合民主党の動きは早くから民衆の望みと違う方向を向いているように思えてなりません。