類類相従 類は友を呼ぶ | 朝鮮問題深掘りすると?

朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

あきれ果てた事件が韓国で起きました。3日、こともあろうに前職空軍参謀総長が、長年にわたり軍事機密に分類された空軍の戦力増強計画の資料などを、アメリカのロッキード・マーティン社に秘密裏に漏洩し、金をもらっていたとして起訴されたのです。


容疑者は1982~1984年の空軍参謀総長で台湾大使、航空宇宙戦略研究院長などを歴任し、2005年からは予備役将星の集まりである星友会の会長を務めたこともある金某という人物です。
現在は武器仲介業会社の代表で、同社の前副社長であるイ某(予備役空軍大佐)らとともに不拘束起訴されました。


検察によると1995年に会社を設立し武器輸入業を始め、2004年から昨年まで軍事2級秘密である「合同軍事戦略目標企画書」と軍事3級機密である「国防中期計画」を文書やEメールなどでロッキード・マーティンの職員らに数度にわたって漏洩し,その見返りに2009年と2010年に総額で25億ウォンを受け取ったといいます。


ところがこの事件を契機にかつてから軍の機密漏洩が話にならないほどに酷かったことが俎上にのぼっています。
実際、朝鮮日報によれば、2004年以後だけでも、軍機密保護法違反で大法院(最高裁判所)のコンピューターに記録されている26件の事件で,現在までに起訴され刑が確定したのが36人います。ところが刑量が極めて軽く、重刑を受けたものは一人もいなく、罰金の100万ウォンが最高刑でした。36人中31人は執行猶予、4人は宣告猶予で釈放されています。


軍の機密をスパイし売り飛ばした罪が軽い窃盗罪程度に扱われているのです。しかもこれは実際に刑が確定した事件であって,実際には星を付けた将軍から末端の兵士に至るまで、数十人が数百件の軍事機密をスパイし、売り渡しており、その範囲は各軍の戦力増強計画と最新兵器の導入関連情報、軍事保安区域である軍基地の設計図面と暗号解読分、戦時作戦計画までが含まれています。


しかしこうした機密の漏洩も、流出した情報はすでに公開された情報であり、もはや軍事機密ではなく、国家安保に現実的な脅威を与えないと言う理由で実刑を免れています。

3日に起訴された前空軍参謀総長も「検察が軍事機密だと主張している内容は、すでにインターネットで公開された資料」であり、「会議の資料として作成したのであって、アメリカの軍需業体に伝達しなかった」と主張したと言います。


だが、こうした口実で刑を免れる輩はすべからく、権力にへばりつこうとする寄生虫の類いの連中です。いちど国情院に睨まれ「(北の)スパイ容疑」がかけられた瞬間から、「すでにインターネットで公開された資料」と言う抗弁はまったく効力を失ってしまうのです。これまで何度もそういうことがありました。


ところでこの人物、ノ・ムヒョン政権の時にアメリカから戦時作戦指揮権を回収しようとした際に、「国家安保を危険にさらす売国行為」だと口角泡を飛ばしながら反対して回った人物だというのです。そしてあにはからず2007年の大統領選挙では、李明博候補を積極的に支持した人物でもあります。


類類相従と言う言葉があります。類は友を呼ぶと言うことでしょうか。そういえば銃で98人を殺害したノルウェーのテロ犯アンデルス・ベリン・ブレイビックがMBととても会いたがっているという話があります。また金を与えて野球のバットで人をなんども叩いたチェ・チョルホンM&M前代表は独裁者朴正熙を尊敬するといったと言います。


最近、海軍士官学校の教員が国家保安法容疑で拘束されましたが、問題となっている彼の講義要項はすでに公認されている事実を語ったものであることがはっきりしています。「民族21」に対する国家保安法容疑も酷いでたらめです。


そういうばかげたことに精力を使うのではなく、金某前空軍総参謀長のような獅子身中の虫こそ、しっかりと取り締まる必要があるのではないでしょうか?しかし彼は熱心なMBファン、支持者です。検察も困っているでしょう。


法を取るか権力を取るか。管理人なら迷わず法を取りますが、韓国の検察はいったいどちらを取るのでしょうか。