神奈川県が高校無償化制度適用に意趣返し?県下の民族学校への私学助成金を留保  | 朝鮮問題深掘りすると?

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初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

高校無償化問題のブログ記事と関連してケナリさんからコメントの形で、無視できない情報をいただきました。以下がそのコメントです。


「高校無償化の話題が報道されたとき、神奈川県では朝鮮学校に対する補助金を当面保留すると通告がありました。
11/2 神奈川県文化学事振興課課長が口頭で伝えました。
高校に出すなら小学・中学には出さないと言うわけです。帳尻合わせでもあるまいに、呆れてしまいます。
この日本はいったいどこへ向かおうとしているのでしょう?
近い将来、今を振り返ってなんと評価されるのでしょう?
とても恐ろしい結果が待っているような気がしてなりません。」


ケナリさんは「帳尻あわせでもあるまいに、呆れてしまいます」と温和な表現を使っていますが、管理人はこの情報に接して怒りがこみ上げてきます。

朝鮮高校への高校無償化制度適用の報道と時をあわせたような神奈川県の補助金留保という通告があったわけですから、どう見ても高校無償化制度適用に対する反発、あるいは「意趣返し」としか考えられません。まさか偶然の一致だと言うわけではないでしょう。


先日(10日)のブログ記事で管理人は「それでも警戒は必要だ」と書きましたが、この情報に接して管理人の考えがまだ甘かったと反省しています。そう、決まったわけではないのです。4月以降まで遡及した無償化資金が実際に朝鮮高校に与えられるまでは安心してはいけないと言うことです。このまま年を過ぎれば来年に再度、審議が必要になると聞いています。さらに意趣返しがあることも予想すべきでした。


神奈川県のように、まったく別の問題を取り上げて在日コリアンの民族教育を抑圧するような姑息な手を、他の県でも使うことが予想されます。


これは管理人も指摘したように高校無償化制度の朝鮮高校適用が、そのまま在日コリアンの民族教育を受ける権利を認めたことと直接つながるものではないということです。神奈川県の愚考はいみじくもそれを立証したケースだと言えるでしょう。


こうした愚行を見ると朝鮮高校への無償化適用の際に、その金額までも差別する可能性が無いとはいえないとまで考えざるを得ません。その口実に使われるのは本国からの教育援助金と奨学金の送金ではないでしょうか。「教育援助金と奨学金」に対する意図的な歪曲や誤解が「拉致問題」と絡めて日本社会に振りまかれたのですから格好の口実になりそうです。


しかし、本国からの教育援助金や奨学金は、海外で差別のなかで生きていかざるを得ない在日コリアンの現状、つまり子弟教育での差別を考えた上での本国の「助け」であって、高校無償化制度適用とはまったく関係の無いものです。ましてやそうした本国の支援を口実に差別を合理化するようなことは許されることではありません。

ところでその子弟教育への差別の明白な現われが、私学に対する県レベルの助成金の適用をめぐる現状です。勉強不足で神奈川県がいったいどれ程の助成金を民族学校に通う小中学生に支給しているのかわかりませんが、おそらく日本の私学に通う学生とは比べ物にならない程度でしょう。


ところがそれさえも支給しないと神奈川県は一方的に通告してきたのです。それも高校無償化制度適用を口実に。もちろん高校無償化制度適用が口実だとは口を割っても言わないでしょう。しかしそこに本音があると見るケナリさんの指摘は正解だと思います。


実に姑息な汚い手法です。このような手法をとる神奈川県ははたして子供の人権条約をどう解釈しているのでしょう。彼らの頭の中には人種、民族にかかわらず平等に扱うと言う当たり前の人権感覚が無いようです。


神奈川県に居住する在日コリアンの出す県税は、たぶん神奈川県が民族学校に通う生徒に支給してきた助成金よりも多いと思われます。在日コリアンが収めている税金の総額は、たぶん在日コリアンが受けている社会的補償額よりも多いのではないでしょうか。


神奈川県が民族学校に通う学生に対する補助金の支給を保留する以上、神奈川県に在住する在日コリアンの納めている県税の総額を明らかにし、在日コリアンがその総額に見合うほどの社会的補助を受けているのかと言うことから明らかにすべきです。そうした最低限の作業もないままに一方的に助成金の支給を保留するのは、明らかな差別と言われても仕方ないでしょう。


またケナリさんの言うように「高校に出すなら小中には出さない」ということであるのなら、すべての私学にそれを適用すべきです。それでこそ平等であり、民主主義です。


日本はよく人権後進国だといわれますが、神奈川県の例はこの言葉が正しいことを立証した愚行としか言いようがありません。


※ケナリさん。情報ありがとうございます。これからもどんどん情報を送ってください。活用させてもらいます。