朝日新聞の誤報が続いている。誤報と言うよりも、ない物を有ったと言っているのだからでっち上げである。どれだけ酷いものか知ってもらうため、全文をそのまま引用することにした。「北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲氏が極秘に訪中し、胡錦濤・中国国家主席と北京で会談した際、長男の正男氏が同席していたことがわかった。両国を頻繁に往復する金総書記に近い北朝鮮筋と、北京の北朝鮮関係者が明らかにした。
正男氏は胡主席と面識があり、紹介者として側近とともに列席。北朝鮮筋は「後継者は正雲氏であり、北朝鮮指導部が一致して支持していることを中国側に強調する狙いがあった」と指摘する。
正男氏は朝鮮労働党や軍のポストには就かず、中国の特別行政区マカオに住んでビジネスにかかわっており、中国共産党幹部とのパイプが太いとされる。正雲氏が訪中した6月10日前後、正男氏もマカオから空路で北京入りしたという。
正雲氏は6月13日、北京から広東省に向かい、さらに上海、遼寧省大連の経済開発区などを視察した後、17日までに帰国した。中国政府は同日時点で正雲氏の訪中を公表していない。」(18日付け)
この報道について秦剛中国外交部代弁人は 18日の定例ブリーフィングで、「報道内容のような状況はまったく存在しない」と言った。
朝日新聞は16日朝刊の1面トップ記事で、金正雲氏の「極秘訪中」について報道したが、これがまったくのでっち上げであったことはすでに当ブログでも指摘した(http://ameblo.jp/khbong/entry-10281992932.html )。
ところが朝日はでっち上げであることがはっきりしたにも拘らず、続報を出し、ご丁寧にも「中国政府は同日時点で正雲氏の訪中を公表していない。」とまで書いている。そして情報提供者は前回と同じく「両国を頻繁に往復する金総書記に近い北朝鮮筋と、北京の北朝鮮関係者」としている。
しかしすでに中国側は16日の時点で「そうした状況は存在しない」とはっきり否定しているのだ。「訪中を公表していない」というくだりは、中国側が否定した事実まで歪曲していると言う他ない。
秦剛中国外交部代弁人は18日のブリーフィングでこうも言っている。「日本の方々は東洋の含みのある言い方が理解できるに違いないと思っていた。まだ理解できないようなら今日はもう一歩進めて事をはっきりさせる」と前置きしたうえで、「私も関係メディア(朝日新聞)の報道を読んでみたが、まるで(スパイの活躍を描いた)『007』の小説のようだと思った。彼らが次のシリーズで何を書くのか、私には知る由もない」と述べた。釘をさしているのだ。よほど頭にきたのであろう。もちろん、秦剛中国外交部代弁人この発言は朝日新聞には載っていない。
毎日新聞はこの記事をとりあげ、朝日新聞に問い合わせているが、実は毎日新聞も50歩100歩であることを知る必要が有りそうだ。
毎日新聞は14日付けで、「金正雲氏が90年代後半から、「パク・ウン」という偽名で、スイスの首都ベルンの公立中学校に留学していたことが分かった。毎日新聞は、正雲氏が級友たちと写った集合写真を入手した」「中学校の記録などによると、隣接する小学校でドイツ語の補習授業を受けた後、98年8月からの新年度で7年生(日本の中1に相当)に編入。語学の問題もあり、学年を落として編入したとみられる」と報道し、「金正雲氏の写真」なるものを公表した。
だが、金正雲氏が留学していたと言うスイス・ベルンの公立学校のブル校長とベルン・カントン州のクェニツケマインデ区のシュチュザー区庁長は合同で記者会見を開き、「北朝鮮外交官子女の一人が在学したことはあったが、金正日国防委員長の家族の名で登録された学生は今まで一人もいない」「日本の記者が先週学校を訪ねてきて学校の同意がないまま校舎の廊下に掛かっていた学生らの写真を撮っていった。学生の身元情報や写真を公開できないのは、個人情報を保護しようとするスイスの法律に従うべきなのでこれ以上協力することは出来ない」と語っている。
つまり、学校当局によって本人だと確認できたものではなく、「中学校の記録などによると」というくだりも、記者会見での学校当局の話とは食い違う。写真も学校当局の許可も受けずに、集合写真から勝手にこれだと思い込んだ学生の写真を本人だとして公表したわけだ。
最近の記者はスパイなみの仕事をしているようだ。いまや報道界は魑魅魍魎の世界になっている。報道界に「007」が跋扈している。