2012年11月2日(金)晴れ
 今朝の「国家の統治を考える会」のテーマは政治とメディアだ。
私は、「情報メディア論」で講演したレジュメを元に5分のプレゼンを行う。
舛添さんの厚生労働大臣時代の話は、象徴的だった。オフレコなどといいながら1時間後には、自民党の族議員にその内容が漏れていて、改革を潰す布陣が待ち構えていたこともあったと言う。政官業のもたれあいは記者クラブメディアも巻き込んで増殖しているというのだ。
 PHPの責任者だった江口さんの政治とメディアの距離感は、とても現実的でドライなものだった。予め原稿が出来ていて、それにそって取材が為されること。切り取られて報道された情報がいくら違っていても、それを後から訂正してもそれこそ後の祭りである場合が多く、誰に何を言うかを吟味しながら政治家はプレゼンをしなければならないとも言う。
 松野さんの鳩山内閣時代の官房副長官としての経験談話も注目だった。
「最低でも県外」と言う言葉の前後は何が語られていたか。幾重にも条件があったことを明らかにした。オバマ大統領との会談の「トラストミー」というあの有名になった言葉も本当に発せられてはいない言葉を故意に貶めようとしたものがリークしたのではないかという疑いを私も抱いた。
 どれもこれも一旦、活字になり放送されてしまえば、簡単に消し去れない「事実」として拡散していく。それがどんなに国益を損なうことであっても政治の側に訂正を申し入れる余地は少ないよう思える。
 クロスオーナーシップ規制や記者クラブ制度、そして言論の砦、電波オークションなどの議論について私のプレゼンをもとに議論を深めてくれた仲間もいた。

国会は、参議院が緊急質問を委員長職権で決定。公債特例法案や議員定数是正、一票の格差の問題の解決、社会保障と税の一体改革についての国民会議の設立などを信を問う環境整備の前提とした野田政権。ある意味で首相が解散にむけた条件整備ができるのではないかという情報が一気に飛び交い、すわ解散か総辞職かと色めき立つ者も出てきた。
 「第三極の大同団結の見通しは未だにたたず、民主党を離党して新党を結成した者も政党助成金の起算日からは遠く、財政基盤は脆弱だ。予算委員会を乗り切れる布陣でもなく、議席減を最小限にするならば、今の解散しかない。」「君のいうのは当たったためしがない。解散を野田政権でできるはずがない。従って総辞職しかない。新たな首相で解散することを選択するだろう。」「首班指名もすんなり民主党でいくかどうか。しかし、自民党の議席では、とても過半数までいかない。右派色の強い安倍総裁では、他の野党も乗らず、さらにハードルは厳しくなる。」「政党助成金の額は、12月31日までに届けた政党が、その翌年の1月1日にどのような状況にあるかによって決まる。直近の選挙による得票数に比例する部分と所属政党の議席による部分との加算だ。いずれにしても年4回の交付の最初の月の4月まで新党には政党助成金はこない。議席が確定していれば、それを元にお金を借りることもできるだろうが、いずれにしても年内に解散され大きく議席を減らすようなことになれば、翌年はそれに応じた助成金しか回らない。」
 政策や理念の実現も資金の問題を無視してはできない。党派を超えて聞こえてくるのは苦しい台所事情だ。

 貧困をどう乗り越え解決するか。橋下市長に大阪市の西成地区などを念頭に社会的マネーによる解決の模索を提案していた。一昨日、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌスさんの関係の教授の方から、大阪で講演するので橋下市長にも会いたいと言う申し出があった。急な申し入れで両者の時間調整がつかなかったが、橋下さんも社会的マネーの導入について強い意欲を示していた。ユヌスさんの大阪での講演は、なんと6000人を超える人が集まりスタンディングオベーションで見送ったとのことだった。もう既に離日されてしまったが次の機会を待ちたい。

 民主党市民政策議員懇談会会長としてNPOの皆さんと内閣府の新しい公共担当大臣中塚大臣の元に提案活動を行う。中塚さんは、財金でもともに理事を務めた仲間で半年前までこの分野の副大臣を務めていた。来年からは「NPO支援助成」が被災地に限定されることに対する危機感を共有できる大臣だ。