二度と福島第一原発事故のような重大事故を起こさないために、政府の事故調査委員会の中間報告書を読み込んでいます。

事故調「はじめに」12月16日現在、主として事務局を通じた関係者456人のヒアリングであること。この456人は、どのような人なのでしょうか?前首相や閣僚も含まれるのか?調査の中間段階であり調査検証対象の全てを取り上げたものではないと断っていますが、事項全てとは何を意味するのか?

事故調「全ての交流電源が失われ、原子炉や使用燃料プールが冷却不能に陥った」としていますが、全ての交流電源が失われても機能するICがあったのではないか?交流電源喪失は、事故拡大の重大な原因であるものの、それだけが全ての原因とは言い切れないのではないか?

事故調は、「原災法」に基づく現地の緊急事態応急対策拠点施設「オフサイトセンター」が十分にその機能を果たすことができなかったことを取り上げています。そもそも「原災法」にそった政府の対応が十分だったのかという法的観点も検証されるべきだと考えます。

事故調はオフサイトセンターが十分にその役割を果たすことが出来なかっと述べています。施設に放射性物質を遮断する空気洗浄フィルターが設置されておらず、放射線量の上昇により退去せざるをえない状況になったとしています。そこで、これまでの対応を厳しく批判する記述が。

事故調は、原子力災害が地震と同時に発生することを想定していなかっとこと、原子力災害を想定した施設であるにもかかわらず、その構造が放射線量の上昇を考慮していなかったことが、オフサイトセンターの機能発揮を妨げたとしています。重大な指摘です。全国の原発のオフサイトセンターの実態解明。

「まだ動く時ではない。政権政党を創るのに多くの時間を要する。このままでは、益々、民主党が私たちが約束した民主党の姿から遠ざかる」との説得も厳しい局面になりました。松木代議士からも昨日、事態のご報告がありました。想定したよりも政界再編のタイミングが早く来る。

事故調は、「政府はオフサイトセンターが大規模災害にあっても機能を維持できる施設となるよう速やかに適切な整備を図る必要がある」と提言。現地対策本部への権限移譲の問題点についても、さらに解明を続けるとしています。原子力災害のオペレーション拠点も経産省内にある。どう機能したか?

事故調は、原子力災害本部の問題点として官邸の対応もあげています。そして意思決定が行われていたのは主として官邸5階であったとしています。原災法で緊急参集チームが官邸地下の危機管理センターに参集することとされているにもかかわらず、どうして意思決定が官邸5階だったのか?

大臣就任時にも一番最初に確認したのは緊急時対応でした。総務省は消防を所管する緊急事態官庁でもあるからです。事故調は、緊急参集チームと官邸5階のコミュニケーションの不十分さをあげています。クラウドによる緊急時対応の一元化を唱えてきましたが、現在でもできることができていなかった危惧。

事故調は情報収集の問題点としてERC(経済産業省緊急時対応センター)にも言及しています。ERCを通して官邸に原子力事業者の事故報告がなされ情報が伝達される仕組みになっていたにもかかわらず、情報の入手・伝達ルートが十分に機能しなかったとしています。

事故調は「ERCに参集していた保安院等のメンバーは、情報の入手・伝達に迅速さを欠けていると認識しながらも、東京電力が活用していたテレビ会議システムを設置することを思い至らず、職員を東京電力に派遣することもなく、積極的な情報収集を行わなかった」としています。

事故調が指摘しているとおり、「正確で最新の情報の入手は、迅速かつ的確な意思決定の前提であり、国民への情報提供という点でも大きな課題を残した」と私も考えています。寧ろ、危険性や危惧を述べることそのものを排除する空気さえあったのではないかとさえ思います。

事故調の「福島第一原発における事故後の対応に関する問題点」の最初に掲げられてくるのが「1号機のICの作動状態の誤認」です。専門家も一番疑問視してきた点です。ICが津波後の全電源喪失しフェイルセーフ機能によって非常用復水器(IC)は、機能不全に陥ったと考えられるとしています。

事故調は「ICは当初、正常に作動しているものと誤認され適切な現場対処(その指示を含む)が行われなかった。その後、当直は、制御盤の状態表示の一部復活等を契機にICが正常にさどうしていないのではないかという疑いを持ってICを停止したとしています。 

ICの機能等に対する理解が、当直のみならず、発電所対策本部ひいては本店対策本部に至るまで十分理解されていたとは思われず、このような現状は原子力事業者としても極めて不適切であったと事故調は断じています。ICは上原先生らと訴えてきたポイントです。「つけていない」との認識だったのでは?

ここで疑問がいくつかわきます。その第一は、ICを止めた理由についての政府答弁書です。蒸気系冷却装置を使えば急速に炉を冷やすことになってしまうから3回に分けて止めたとの答弁との整合性は、どう説明するのでしょうか?

ICが機能不全に陥ったとする事故調の根拠はどこにあるのか?「ICが機能不全に陥ったことから。1号機の冷却には一刻も早い代替注水が必須となり、加えて注水を可能とするたMけの減圧操作等が必要となった」と事故調はしています。機能不全が原因なのか?オペレーション上の問題が原因なのか?