日本で出ている日本語の中国情報雑誌『人民中国 People's China』2019年(令和元年、中華人民共和国70周年)2月号で、劉徳有(Liu Deyou)氏が漢字の「落とし穴」という文を載せている。

 

1914年(大正3年、民国3年)に郭沫若(Guo Moruo)が日本の田舎を訪れたとき、当時、郭さんは日本語を話せず、おばあさんから名前を聞かれて名前を漢字で書いたら、そのおばあさんは「日本に来たばかりで日本語が話せないのに漢字で名前を書けるの」と驚いたようで、このリアクションに郭沫若の方が驚いたようだ。

このおばあさんは漢字が中国文字であることを忘れていたんだろう。

 

逆に日本人が中国に行って名前を漢字で書くと、中国人が「中国字写得很好」などとほめてくれることがあるが、これは中国人にとって漢字は中国の文字で、日本人が日本語の中で日常的に漢字を使っていることを中国人が知らないか忘却しているのだろう。

 

また、劉徳有の文の続きで、中国人が日本でタクシーに乗ると「毎度ご乗車有難うございます」とあるのを見て「毎度乗車有難」から判断して、このタクシーはいつも事故を起こすのかと不安になったことがあるらしい。

 

2019年10月7日に中国語の授業で似た話を教わった。

あるとき、日本人が中国でホテルに泊まり、從業員に感謝のメッセージを残そうと考え、「非常有難 我我上機嫌」と書いて残した。これを見た中国人は驚き「この客は何か災難に遭って飛行機に乗りたくなくなったのか」と誤解したらしい。

 

知恵袋「孔子之墓者何処御座候哉?

ある漢文の参考書に書かれてあった話でこういうのがある。

江戸時代の日本人(おそらく武士)が当時の唐土(もろこし、明朝か清朝か)を訪れ、地元の人に筆談で「孔子廟何処御座候」のように書いて見せて質問したら、相手は「孔子廟在〇〇 御座候我不知」のように答えたらしい。

 

HSK@次回公開会場3月29日(日)

(@HSK_Japan_PR)さん  Twitter

日本語では普通の言葉も中国語で読むと意味が異なる場合があります。感謝の言葉「有難う」も中国語で理解すると「難あり」、「油断一秒、怪我一生」も「油を一秒断つ(途切れさせる)と、自分を一生責めることになる」という意味になります。

8:02 - 2018年7月7日

 

日本人が中国人と「筆談」しようとして日本語の漢字をそのまま書くと、大きな誤解を生む例。これは中国では「毎回のように事故が続発しています。私としては絶対に飛行機には乗りたくありません」という意味に解釋されるようだ。

毎度有難、我々非常上機嫌

23:18 - 2018年7月23日

 

前後一覧

2019年(令和元年)〔11月〕〔12月〕(漢字論原点回帰)

 

関連語句

漢字の落とし穴〕〔筆談

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中国人 漢字 御馳走〕(twitter)

中国人 毎度ご乗車有難うございます〕(twitter)

 

参照

漢字の落とし穴(非公開、画像つき)

下書き 2019年12月21日 08:49

〔「漢字の落とし穴」関連tw

2020-01-21 23:55:02

 

日语词汇_日本自行车文化:与行人的共处之道_沪江日语」〕

油断ゆだん) - 語源由来辞典