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Obamaは「奥巴馬」か「欧巴馬」かI

アイスランド(Iceland)は「冰島」Bingdao であるが、アイルランド(Ireland)は「愛尓蘭」Ai'erlan になるように、意譯と音譯の使い分けの基準は一定していない。
ソルトレイクシティー(Salt Lake City)は「塩湖城」Yan Hu Cheng になる。

スイスが「瑞士」Ruishi、スウェーデンが「瑞典」Ruidian になるのは、ピンインの r が巻き舌の [z] 音だからである。
中国語方言字音データベース
  

「瑞士」は客家方言では Suisi になるようである。
「瑞士」は日本語音読みで「ズイシ」Zuishi と読んだほうが Swiss などとの関連がわかりやすい。
「瑞」rui の r が z や s に近いことは「然」ran や「染」ran、「辱」ru からもわかる。

固有名詞に関しては「奥巴馬」「白宮」が定着しているからそれでいい気がする。
李明博が市長だったとき、ソウル(Seoul)のシナ語名を「漢城」Hancheng から「首尓」Shou'er にしたのは妥当な判断であった。

硫黄島については日本で「いおうじま(<いわうじま)」から「いおうとう(<いわうたう)」にする動きがあり、アメリカでは問題になっていた。
Yahoo!辞書>「硫黄島」で検索いおう‐じま【硫黄島】いおう‐とう【硫黄島】

アメリカ人にとっては漢字の読みだけが頼りなので、Iwo Jima で親しんだ島の名が Iwo To になるだけで大問題であった。
一方、中国人は「硫島」を Liuhuang-dao と読めばいい話である。
もし、アメリカ英語で「硫黄島」を意譯するなら、*Sulfur Island と呼べばいい話だ。

その代わり、中国人にとっては、日本人の「あだち」が「安達」Anda か「足立」Zuli かでもはや大問題である。
一方で、「貴子(たかこ)」と「桂子(けいこ)」は中国で同じ読み Guizi になるので、中国人は大して区別しなかったりするようだ。

なお、中国語方言字音データベースで調べるとシナ語でも南方方言では「奥巴馬」が Obama や Oubama になるようだ。
  

Hillary Clinton の場合、シナ語では「希拉利・克林頓」Xilali Kelindun になる。
現代北京語では hi がなくなって xi になった。
フランスの Sarkozy は「薩科斉(=萨科齐)」Sakeqi の前の Chirac は「希拉克」Xilake だ。
中国でいくら漢字を工夫しても原音とずれることは避けられない。