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日本語の中では天体と鑛物以外に、医学関連の語彙も漢語が多い(注釋)。
「胃(イ<ヰ)」「腸(チョウ<チャウ)」「心臓(シンゾウ<シンザウ)」「肺(ハイ)」がそうである。
「胃」の音読みは「ヰ(ゐ)」wi である。これは古代の日本人(倭人)がシナ語の wei を wi にして借用したものであろう。江戸時代に wi が i になったと思われる。

「腸」は日本語音で「チャウ(ちゃう)」chau であるから、chang の ng が「ウ」u になっていると解釋すればいい(下注釋)。鼻音と母音はどちらも自鳴音で音色が似ている。
例えば「明星」(古代シナ語で *mieng-sieng か)は日本語で「めいせい」meisei または「みゃうじゃう」myauzyau(Y!辞書)である。これも語尾の ng が i や u になっている例だ。

而且,發 ang 時,發 a 時舌最低,以后為了發 ng 音――舌根軟腭濁鼻音,舌根上升向軟腭接近,這个過程跟發 au 的過程很近。

また、ang を發音すると、a では舌が最も低いので、ng が続くと舌根を軟口蓋に近づける必要があり、必然的に二重母音 au に近い發音になる。

古代日本語では「心臓(シンザウ)」の發音は「シムザウ」shimuzau のようなものだっただろう。
古代シナ語において「心」は *siem のような發音だったと推定できる。その後、明代、清代に語末の m が n になった。廣東語では語末の m が保存されている。廣州、香港では「心」が sam になる。
「心里(<心裏)」は廣東語で samlei である。
また、廣東語で「你有心」は Nei yau sam である。

古代日本人は「臓」zang4 を「ザウ」zau と發音した。
これも「腸」chang が「チャウ」chau になっている例と同様、ang が au になっている例である。

「肺」fei4 は日本語で「ハイ」hai であるが、これも *pai が変わったものであろう。
現代漢語の f は p が変わったもので、fei の古音が *pei のような音だったとすれば、pai と pei が似ていることがわかるだろう。

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心 

中国語方言字音データベース
心