Deng XiaopingとJiang Zeminの名前について、注釋 

田中という姓の日本人が中国で何か手続きをする場合、署名のところでは「中文」に「田中」と書き、「英文」のところに Tanaka 某と書くことになる。
要するに中国人にとって漢字で書かれているものは漢語、中文(=中国語、シナ語)であり、ラテン文字であれば英語なのである。

つまり、中国人にとって「田中」は田中氏の中国語名であって、Tianzhong と読むものであり、Tanaka は田中氏の英語の名前である。シナ語圏では特に外国人に関して「創氏改名」は当たり前で、同じ人間が別の言語によって異なる名前になるのは当然なのである。

もし、「眞鍋かをり」のような下が平假名の人が中国に留学などで滞在したら、「中文」の欄では姓だけを書くか、無理して漢字を当てるか、気になるところだ。
私が中国に留学していたときも「まどか」「あずさ」という女性があおり、「あずさ」は「梓」のシナ語読みと想われる Zĭ を名乗っていたようだ。
最近のNHK『テレビで中国語』でも伊藤さおりが中国でどう名乗るかについて、細かく説明していた。
もう、こういう面倒な習慣は改めたらどうか。
└→漢字で書かない名前の場合
└→NHKの中国語講座

1930年代、当時の中華民国が日本に対し「支那」の使用をやめるように要求したが、日本は無視し、「支那」を使い続けた。この要求は、のちに1999年に『人民日報』の「“支那”源流考」で言及された表現の記事のままだとすると、それは「中文須写“大中華民国”」「英文須写“National Republic of China”」というものだっだようだ。
この要請には「中文」と「英文」でそれぞれどう書くかということだけで、「日文」でどう書くかが抜けている。
しかも外交文書の「中文」で「支那」の文字を使うことを禁止しているだけであるから、日本人が外交文書以外で「支那」という字を使っていいことになるし、言うまでもなく、「中文」でない「日文」では当然、「支那」は使っていいはずだし、「支那」という「文字」を使わなくても「シナ」という「詞(ことば)」は使っていいのである。

結局、中国側が日本語の中の「大支那共和国」を「中文」と勘違いしていただけだということがわかる。
中華民国の英語名 Republic of China の Republic を日本語にすると Kyōwakoku になり、China を日本語にすると Shina(または Sina)になるから、合わせて Shina Kyōwakoku または Sina Kyōwakoku である。
China は英語で [t∫áinə] だが、スペイン語で [t∫i:na]、オランダ語とポルトガル語で [∫i:na] である。
シナ語では Zhōnghuá Mínguó(中華民国での当時の綴りではおそらく Chūnghuá Mínkuó)になる。日本語はシナ語ではないということだ。
中国人も sina.com の名前で sina を採用している。