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zhia、zhie、zhiu、zhin、zhingがいわゆる「普通話」にない理由
chia、chie、chiu、chin、chingがいわゆる「普通話」にない理由
shia、shie、shiu、shin、shingがいわゆる「普通話」にない理由
ria、rie、riu、rin、ringがいわゆる「普通話」にない理由
巻舌音(そり舌音)zh、ch、sh、r に i がつく場合、これは巻舌の子音を發音して、舌や唇をそのまま動かさずに發音する母音である。
したがって zhi、chi、shi、ri はそれぞれ zhr、chr、shr、r と解釋していい。

巻舌音(そり舌音)につく i は普通の yi などの i と違う。zhi などの後半の i 単独で存在する。
普通の ji や li などの平舌の i は、次に別の母音 a、e、u(下注釋)や n または ng といった子音がつく。
jia、jian、jiang、jie、jiu、jin、jing あるいは lia、lian、liang、lie、liu、lin、ling がその例。

しかし、巻舌音(そり舌音)の次の i にはそういう性質がない。
これは zhi の母音が巻舌になっているように、普通の i を巻舌が飲み込んでしまった、または發生する余地を与えなかったと解釋できる。

例えば、「厦」xia に対する sha はなぜ shia でないかというと、巻舌音の次では舌面の i を發音しにくいからであろう。

「謝」xie は声母が舌面音なので ie が続くが「射」she は声母が巻舌なので、shie と發音しようとしても舌面母音 i が巻舌の子音 sh に飲み込まれてしまう。

「秋」qiu は qiou であるのを略しているわけで、この q が ch になって chiou になると i が消える。
したがって、「愁」chou では ch の次に iou でなく ou がつく。

「臭」xiu の場合、厳密には xiou であるが、声母が ch になった場合は chou になる。

また、韻母 in、ing は藤堂氏の解釋で iən、iəŋ のように、i と鼻音の間に何らかの母音が入っていたようである。
これは今ではほとんど in、iŋ と解釋していい。
しかし、in と ing は声母が唇音か舌面音のときだけで、平舌音、巻舌音、舌根音とは結びつかない。
声母が巻舌であれば i は声母に飲み込まれ、鼻音との間に ə が残る。
だから「姓」「性」xing に対して「生」sheng がある。

中国系の人の名前で Shin や Chin があった場合、これは台湾式のローマ字である。
拼音であれば Xin と書かれる「辛」「新」などが台湾で Hsin または Shin(Sin もありうる)になる
拼音で Jin になる「金」や Qin になる「秦」も台湾で Chin になるわけだ(下注釋)。

前後一覧
2009年6/16 6/16前後


注釋
平舌の i の次に別の母音 a、e、u がつく
o は i のあとに続く場合、iou>iu という形のみ。
io の零声母形 yo は感嘆詞(間投詞、感動詞)で存在する。

「金」Jin が台湾で Chin
台湾では舌根音の口蓋化(gi、ki、hi>ji、qi、xi)を採用しない綴りが多く、「金」の場合は Kin もありうる。
「金」は客家方言で kim であり、廣東語で gam [kam]。
朝鮮語では姓の「金」は Kim、それ以外の金剛山や金曜日などの「金」は keum [kɯm] になる。

英語で中国の王朝を表現する場合「秦」Qin は Chin、「清」Qing は Ching とも表記された。
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Qin Han Xin Wei Wu Shu Jin Sui Tang Song Yuan Ming Qing で検索
Chin Han Shin Wei Wu Shu Sui Tang Sung Kin Yuan Ming Ching で検索


参照
bun、bong、pun、pong、mun、mong、fun、fongがいわゆる「普通話」にない理由