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「海」と「母」と「産む」について 

注釋
羊水は「洋水」ではないのか
「羊水」はどうしても「水」と書きたくなるが、「羊水」、つまり「ヒツジのミズ」らしい。
「羊水」は英語で amniotic fluidと呼ばれ、「羊膜」が amnion で、『岩波英和大辞典』で amnion の語源を調べると、ラテン語経由でもとはギリシャ語の amnós、意味は lamb(子羊)と同じらしい。
ちなみに「羊水」と「揚水」は日本語音で「やうすい」、「用水」は「ようすい」である。
「羊水」を「水」と書きたくなる心境は、「果実」を「実」と書きたくなるのと似ている。

「産」 
「産」字形の中で「生」sheng を右下に含んでいるが、単語としては別物である。
「産」の意味は「生」に近いから「うむ」「うまれる」も「生」と「産」の両方の漢字が当てられているし、「生産」という単語もある。「生産」と「出産」は意味を交換したほうがいいと想う。

また、中国大陸では「産」の「生」を省いて「产」にしている。これでは「産」の意味の中核がなくなってしまうと想うのだが、中国人はこれでいいと想っているのだろうか。

「海」には「母」が含まれており、日本語の「うみ(海)」は「産み」と同音である。
しかし、ここで「海」という漢字の字源と、「うみ」の語源は区別すべきである。

朝鮮語
固有語 어머니 [ʌmʌni](母)、날마다 [nalmada](毎日)、바다 [pada](海)、바닷가 [padatʔka](海岸、海辺)
漢語詞(漢字語) 부모 [pumo](父母)、매일 [mɛ:il](毎日)、해안 [hɛ:an](海岸)、해변 [hɛ:bjʌn](海邊)

英佛語の「海」と「母」
佛語で mer(海)と mère(母)が同音語である。

英語の場合、sea は独語の See と同系であろう。おそらく、ゲルマン系の固有語。
oceanはギリシャ系で、もとは Ōkeanós という単語らしい。
marineはラテン系である。
英語で母馬を mareと呼ぶが、月の「海」も mareと呼ぶ。
└→海と湖と池と沼、Salt LakeとLakewood

英語では「海」を表す場合、固有語で sea、ギリシャ系外来語で ocean、ラテン系外来語で marine と呼ぶと解釋していいだろう。
英語の marines とスペイン語の marinos はいずれも「船乗りたち」という意味である。

英語の語彙は固有語と外来語の多重構造になっている。
日本語や朝鮮語が固有語(日本語の場合は和語)と漢語詞とその他の多重構造になっているのと同じだ。

英語で「母」は mother だが、「母校」はラテン系で alma materと呼ぶ。
「母性」は英語固有語で motherhood、ラテン系語彙で maternity であり、したがってラテン系の言語であるフランス語では「母性」は maternité である。
└→「海」と「母」についてさらに追加

現代ギリシャ語で「海」は Θάλασσα(Thálassa)である。
ラテン語で Mare になる。

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2009年3/19 3/20 3/20前後