Y!辞書 Wiktionary 中国語方言字音データベース
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 「くわう」、「かう」、「こう」の区別はChina(シナ)語でわかる
●「黄海」=「くわうかい」Kwaukai ― Huánghăi(k←h、u←ng)
●「紅海」=「こうかい」Koukai ― Hónghăi
●「後悔」=「こうくわい」koukwai ― hòuhuĭ(=hòuhuĕi)
●「航海」=「かうかい」kaukai ― hánghăi

 「公開」と「公海」は「こうかい」で、「公会」は「こうくわい」になる。

●「廣州」(中国)=「くわうしう」Kwausiu ― Guăngzhōu
●「光州」(朝鮮)=「くわうしう」Kwausiu ― Guāngzhōu(朝鮮語 Kwangju)
●「杭州」(中国)=「かうしう」Kausiu ― Hángzhōu
●「甲州」(日本)=「かふしう」Kahusiu ― Jiăzhōu(<「甲」周~唐代kăp)

 英語圏ではそれぞれの国で「標準的」とされる發音を採用し、Guangzhou(廣州)、Kwangju(光州)、Hangzhou(杭州)、Kōshū(甲州)になる。「甲州」は廣東語でGapzhauになるようだ。
 日本では「廣州(くわうしう)」と「杭州(かうしう)」が両方とも「コーシュー」になったので、「廣州」を「ひろコーシュー」、「杭州」を「くいコーシュー」というように、最初の漢字の訓読みを混ぜる言い方もあるようだ。
また、「講習」は「かうしふ」kausihuであり、朝鮮語のkang-seupと同系であることは歴然。


●「華北」=「くわほく」Kwahoku ― Huábĕì(<「北」周~唐代puək)
●「河北」=「かほく」Kahoku ― Hébĕi(<「河」隋、唐代ɦa<周、秦、漢代ɦar)
●「華南」=「くわなん」Kwanan ― Huánán
●「河南」=「かなん」Kanan ― Hénán
●「歌劇」=「かげき」kageki ― gējù
●「過激」=「くわげき」kwageki ― guòjī

 このように、中国音でhuaまたはhuei、gua、kuaなどにあたるものが、日本語音でgwa、kwaになっている。「くわ」の發音は日本人が昔の漢字音を忠実に發音しようとした結果である。いいかえると、中国音でkua、gua、huaであれば日本語音で「くわ」行だったと類推できる。こうなると、パソコンの変換ミスの原因となっている同音語の書き分けが可能になる。
 「菓子」は「くわし」で、「歌詞」は「かし」である。「菓」はguŏで、「歌」はgēだから。ただし、「菓子」にあたるのは現代漢語で「点心」diănxīnなどで、草かんむりなしの「果」で果物を意味する「果子」guŏziという熟語がある。「家事」は「かじ」で、「火事」は「くわじ」である。「家」がjiāで「火」がhuŏであることから明白。「台風一過」を「台風一家」と誤解した人が多いが、「過」はguòで、「家」はjiāだから、「一過」は「いっくわ」で、「一家」は「いっか」である。同様に、「華」はhuáだから「華族」は「くわぞく」、「家族」は「かぞく」であり、「華人」は「くわじん」で、「歌人」と「家人」と「佳人」は「かじん」になる。
 さらに、「関心」は「くわんしん」で、「感心」は「かんしん」である。「世界観」、「人生観」の「観」は「くわん」であり、「第六感」などの「感(かん)」とは違う。
 「機会」と「奇怪」は「きくわい」であり、「機械」は「きかい」である。北京語で読めば「機会(>机会)」jīhuì、「奇怪」qíguài、「機械(>机械)」jīxièになることから、どれが「くわい」で、どれが「かい」かは、すぐわかる。

@marikobabel 個人的には「~のせい」が「~のせゐ」だと覚えるのは難しいですが、漢字の字音で「口」が「コウ」、「皇」が「クワウ」、「甲」が「カフ」だという区別の方が簡単です。シナ語で「口」kou3、「皇」huang2、「甲」はjia3ですが朝鮮語で「갑」kapですから。
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2009年1/11~14