「低迷」は「ていめい」であるが、麻生首相は「ていまい」と読んで言い直したらしい。

「迷」は「めい」で、「米」は「まい」または「べい」というのは確かに煩雑、いや、複雑だ。

Y!辞書の漢字項目「米」には呉音「マイ」、漢音「ベイ」とある。
そして、北京語音は mĭ である。

Y!辞書の漢字項目の「迷」では慣用音の「メイ」が載っているだけだが、藤堂漢和で調べると呉音「マイ」、漢音「ベイ」、慣用音が「メイ」。
そして、北京語音は mí である。

「迷子」は「まいご」と読まれる。これは本来、「まひご」で、「まよひご」の音変化らしい。

シナ語なら「迷」mí、「謎」mí、「米」mĭ である。

「亜米利加」では「米」は「め」である。
日本語で「アメリカ」の「メ」を表すはずの「米国」を「メコク」と呼んだらいけないのだろうか。
もちろん、シナ語では「美国」Měiguó である。

日本語で「新米」は「しんまい」で、「親米」は「しんべい」。
これは確かに漢字を単なる暗記科目にしてしまう。

結局、日本での漢字の知識は単に知っているか知らないかだけの低次元なものである。
日本では漢字をどう読むかということだけで「国語力」の評価方法が止まっており、ことばをどう使うか、議論をどう進めるかというところが軽視されている。

ちなみに現代シナ語では日本語の「メシ」を取り入れた「米西」mĭxī というのがあって、日本人が聴くと「ミシ」に聴こえる。多くの中国人はこの「米西」が日本語だと思い込んでいる。

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参照
2009年1月1日~14日