漢詩、成語
 漢詩と成語を本場の發音で読んでみる
 日本では漢詩や中国の成語は日本の「国語」(日本語)で教わり、漢詩は縱書きで返り点や番号、送りがなをつけて読み下す。一方、「中国語」は大学第二外語で、普通、古文はやらない。日本人が中国に留学すると、漢詩も古典も現代漢語音で読み。現代漢語で説明することになる。ここで、日本の「国語」でおなじみの漢詩や成語を、第二外語の「中国語」として考えてみる。


早發白帝城
 早辞白帝彩雲間jiān────an
 千里江陵一日還huán────an
 両岸猿声啼不尽(or住)
 軽舟一過万重山shān────an

 「間」jiānは現代北京音でjiēnのような發音になるが、廣東語のganに残る古音をあてはめると、1、2、4行目がanで韻を踏んでいることが明確になる。

玉不琢不成器、人不学不知道
 Yù bù zhuó bù chéng qì,rén bù xué bù zhī dào

 「知道」zhī dàoは「道を知る」になる。現代漢語で「把」băを使って目的語を動詞の前に移す語法が發達しているが、漢語は原則として動詞が先で目的語があと。
 いうまでもなく、現代漢語で「知道」zhīdao(daoは軽声)は「~を知る」。

 「而」érには「しこうして」という訓が与えられ、漢文の読み下しでは、しばしば、読まない「置き字」とされるが、中国人が読む場合、当然、發音される。