【影森駅・長瀞駅・ふかや花園駅・2両の電車】秩父鉄道本線のクセがある駅を巡る

 

秩父鉄道本線で影森駅、長瀞駅、ふかや花園駅を訪問する。それぞれ個性のある駅で見所があった。前回(9月25日分)からの続きである。

2024年4月13日(土)乗車

 

【旅客ホームがシンプル過ぎる影森駅。見慣れない独特の雰囲気をした貨車がハゲ山の前に止まる】

 

 

 

↑三峰口駅13時39分発1708レ影森行きは元都営地下鉄三田線5000系(5001編成)であった。見た感じは「オンボロな車両」である。それでも手入れはしっかりと行き届いている。車内は「昭和感満載」である。これでも3両ワンマン対応で全駅全ドアが開く。前回も述べたが、無人駅が多いので信用乗車方式となっている(車内での運賃支払いは実施しない)。

 

 

 

 

↑影森駅に到着。折り返し14時03分発1703レ三峰口行きになる。三峰口駅から熊谷・羽生まで全線”通し”で運行する列車もあるが、基本的には影森駅で系統分離されている。熊谷駅に近づくほど本数が多く、寄居、長瀞、秩父(夜間の一部のみ)、影森と行き先設定がある。これは熊谷駅から遠くなればなるほど客数が減るという事を示している。

特殊な列車としては西武秩父線直通の列車が存在する事で、現場で確認した範囲では午前中に三峰口駅発着で数本あるようだ。西武秩父駅は直接的には秩父鉄道本線とは接続していない。少し歩いた場所にある御花畑駅が乗り換え駅となる。線路は当然の事ながら両駅間で接続している事になる。

さらに寄居駅では東武東上線とも線路が接続しているが現在は営業列車の運行は実施していない。東武東上線系統の車両は森林公園駅付近にある車庫に所属しているが、以前はここで重要部検査等を実施していた。東武社内の合理化により東上線系統の車両整備も重要部検査レベルになれば、本線系統(伊勢崎線・日光線)の整備工場である南栗橋で行う事になった。車両を移動させるために寄居駅から秩父鉄道本線に入り羽生駅まで持って行き、羽生駅でも伊勢崎線と線路が接続しているので、東上線系統の車両も南栗橋で検査可能と言うわけだ。この場合は回送列車での運転で、東武線内は自走するが、秩父鉄道本線内は電気機関車にけん引される形で回送(自走しない)となる。

 

 

 

↑見慣れない独特な雰囲気をした黒い貨車が止まっている。目の前の山はハゲ山となっている。鉱物輸送があるという事はわかったが、具体的にどこからどこへ何を輸送しているのかはわからない。この辺はネット検索や業界関係者に聞けば知る事は出来るが、それを云々とブログに書くつもりは無い。あくまでも「完全描写する」が当ブログ(私)のモットーなので、単に「黒い貨車がありました。詳しい事はわかりません」と思った事を素のままに表現しておく。

 

 

 

 

 

↑影森駅の旅客ホームはシンプル過ぎる。ホームの長さは4両分程度ありそうだが、実際に使っている(旅客が入れる場所)は3両分程度。一応旅客車両の車庫も兼ねているようだが、撮影出来る場所とか構図は限られている。島式の構造だが中央に階段がありこれが出入口。直接駅の外に出る事が出来るらしい。ホームの階段付近に改札口+事務所があって有人管理となっている。フリーきっぷなので階段を降りて駅の外の様子を見る事をしても良かったが、あまり時間が無かったので諦めた。

 

 

↑一応は影森駅ホームから側線に止まる旅客車両を撮影する事は出来る。急行秩父路に使用する6000系(6001編成・元西武新101系)であった。

 

 

↑影森14時12分発36レ熊谷行き(始発)に乗る。7500系(7503編成)の3号車デハ7503にした。これは前回(9月25日分)で述べた通り元東急大井町線8090系である。秩父鉄道では7500系と称する。

特に車窓の撮影はしていないが、西武秩父線接続の御花畑駅の乗り降りが目立つ。36レで14時37分着の長瀞駅まで乗車し、これまた始発の14時54分発2008レ熊谷行きに乗り換える。

 

【桜満開の観光地長瀞駅】

 

↑長瀞駅は駅舎前が1面ホームの1番線、島式ホーム2番線・3番線と続く。1番線~2・3番線は構内踏切で連絡する。

 

 

 

 

 

 

↑長瀞駅前は桜満開であった。駅前から続く道はまさに「関東の観光地」と言った感じだ。自動車も多く行き交う。基本的には自動車で観光に来た人が目立つ。電車で来た人も居ない事は無いが絶対数が少ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑長瀞駅も関東の駅百選に認定されている。有人駅である。駅舎の昔ながらの趣を今に生かすのはなんとも良い駅である。基本的には列車別改札のようであるが、PASMO等のICカード利用ならば基本的にはそれも関係なくなる。電車の発着がしばらくの間無いのに2番線・3番線ホームでは影森方面に向かう電車を待つ客が何人かいた。厳密に言えば「有効な乗車券があればいつでも出入り自由」なのが実態である。

改札の駅員に「どこまで?」と聞かれたので「ふかや”かえん”」と答えると「ふかや”はなぞの”ですね」と鼻で笑われた。原生花園(釧網本線)とは同じ読み方ではない。漢字が同じだけである。初めて乗る路線ではよくある話である。事前に予習と称してミッチリ調べておくことが多いが、今回は「思い付き」で乗ったので予習はほぼ皆無であった。現場の地理感覚を把握するために補助的にGoogleMapsを併用した程度であった。

 

【秩父鉄道本線にもある2両の電車】

 

 

 

 

↑長瀞駅14時54分発(始発)2008レ熊谷行きは2両の電車だった。元東急8090系で秩父鉄道では7800系と称する。基本的には36レで乗った7500系と同じである。細かい性能の違いはあると思うが同じ電車と思って間違えないだろう。

 

 

 

↑野上駅で29レ影森行き(デハ7504以下3両・7500系)と交換する。この駅も桜満開で美しく見えた。

 

 

↑樋口駅で2009レ長瀞行き(5003編成・5000系)と交換。秩父鉄道本線は三峰口駅から基本的には国道140号線と並走する。国道沿いに駅舎を構える駅も多い。樋口駅もその1つである。SLパレオエクスプレス狙いの同業者がこの辺でも多く居る。全体的には4種踏切(警報機と遮断機無し)が目立つ。

東武東上線接続の寄居駅には15時11分の到着。乗り換え客が目立つ。私もこの1時間後にその客となる事になる。今までは「田舎感丸出しの車窓」であったが、寄居駅から熊谷方は一転して「郊外の車窓」になる。住宅地が急に増えて、ロードサイド店も増える。これだと秩父鉄道本線の利用者も多そうだ。

 

 

↑お前だ!

基本的に珍名駅も多いのが秩父鉄道本線である。

 

【秩父鉄道本線で最も新しい駅であるふかや花園駅・】

 

 

 

 

 

 

↑ふかや花園駅はシンプルな棒線駅であった。秩父鉄道本線では最も新しく2018年10月20日の開業である。

 

 

↑駅前にはプレミアムアウトレットがあるようだ。E17関越道のインターからも近い。集客のメインはやはり自動車であろう。電車は補助的にあるような感じだ。ジュース自販機やトイレはもちろんあり、少し離れた場所にコンビニ(セブンイレブン)もあるようだ。

 

 

 

↑有人駅で紙のきっぷは駅員に見せる(渡す)。自動改札機もあるがICカード専用であった。深谷と言えば「深谷ネギ」である。深谷市を秩父鉄道本線が通っている感じがしない。JR高崎線沿いが強い。

 

 

 

↑あちらこちらに深谷市のゆるキャラが出ている。名前は何というか知らない。深谷ネギがモチーフになっているのは言うまでもなさそうだ。

 

 

↑深谷市は「二大英雄誕生の地」だという。右側には2024年7月3日から流通が始まった新一万円札の渋沢栄一、左側には畠山重忠と言う人物であったがどういう人か知らない。特に調べるつもりもなかったのでスルーする。

 

 

↑駅舎はこんな感じ。木造駅舎主体の独特な形をした駅舎が秩父鉄道本線では多い中、それを新しくしたような感じの作りである。

 

 

 

↑15時34分発の1004レ急行秩父路4号羽生行き。影森駅で撮影した6000系であった。乗車券のほかに急行券210円が別途必要との事であるが、運転上はワンマンであった。急行券の所持確認は誰がどうやってやっているんだ?

 

 

 

 

↑15時53分発5002レSLパレオエクスプレス熊谷行き。ふかや花園駅にも停車する。乗車する客は少なかったがSLパレオエクスプレス狙いの撮影者がチラホラと集まる。停車時間がややあるダイヤ設定で15時51分頃には到着する。電車とは違いスグに動き出す事が出来ない。発車直前になると蒸気をたくさん出して発車準備をする。

 

 

 

 

 

↑SL特有の大きな汽笛を鳴らす事も無く、スーッと動き出した。客車は特に動力を持っていないので電車とは比べ物にならぬほど静かである。このような客車の後ろ姿は久しぶりに見たような気がした。普段のSLパレオエクスプレスの客車はどうなっているのだろうか?

 

 

↑15時58分発33レ影森行きに乗る。36レの折り返しであった。秩父鉄道本線は羽生駅までの路線なのでまだまだ先に進まないといけない。だがフリーきっぷの効力はふかや花園駅まで。この先の熊谷・羽生方面は別運賃(課金)となる。そちらの方は未乗車であったが、別の機会に乗りつぶせば良い。

 

 

 

 

【線路際ギリギリを攻める撮り鉄】秩父鉄道SLパレオエクスプレスは三峰口駅ではスグに転車台に載らず

 

翌日に山梨県に行く予定があったので”前入り”として山を越えた埼玉県秩父地方を走る秩父鉄道本線に乗る事を急きょ決めた。予備知識は全く無い。とりあえずフリーきっぷを買って、秩父鉄道HPの時刻表だけを参考に乗り歩いてみた。

2024年4月13日乗車

 

【SLパレオエクスプレスが三峰口駅で転車台に載る所を見ようとしたが…】

 

 

 

 

↑広い駐車場があるのでここに自動車を止めておく。最初は「駅のウラ」から。ホームが途切れた先まで線路が伸びており踏切もあるが第四種踏切(警報機・遮断機無し)。ここに列車が入る事はそう多くないのだろう。枝垂桜がよく見える。そして三峰口駅自体が広大な駅構内だという事がわかる。

 

 

 

 

 

↑三峰口駅の駅前は小さな街である。木造駅舎がなかなか良い雰囲気を出す。

 

 

 

 

↑関東の駅百選に選ばれているようだ。改札口は2つ。駅舎内にある正規の改札と、1番線ホーム上にある臨時改札。後者は基本的にSLパレオエクスプレス専用だとか。臨時改札の仕切り(ラッチ)は簡易な作りなので、改札外から容易で1番線ホームの様子を見る事が出来る。改札外からホームを撮影してどうこう文句を言われるわけではない。この辺りにはトイレ、臨時売店等もある。

 

 

↑有人窓口(9時00分~16時30分)と券売機もある。秩父鉄道では2022年3月11日からようやくSuicaやPASMO等のICカードが使えるようになった。東京近郊の鉄道でICカードが長く使えない状態がやっと解消した形だ。

 

 

↑「SAITAMAプラチナルート乗車券」を1,900円で購入する。秩父鉄道本線ふかや花園~三峰口間と東武東上線並びに越生線が乗り放題になる。なぜか秩父鉄道本線全線が乗り放題になっていない。全線が埼玉県だから全線乗り放題でも良いのではないか?その辺は東武との「大人の事情」が見え隠れしそうだ。なお、秩父鉄道本線だけ乗り放題になるフリーきっぷもあるが、こちらは窓口販売が無くネット上での販売で、きっぷの表示もスマホ画面から行う。これは小田急グループのMaaSを使うとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

↑とりあえず入ってきた電車を見学する。12時57分発1534レ羽生行きは7500系であった。3両で編成を組んでおり、3号車デハ7505(三峰口方・車内)+2号車デハ7605+1号車クハ7705(羽生方)であった。元は東急大井町線8090系で関東大手私鉄の中古車が秩父鉄道本線の主力車両となっている。内装は東急時代と大きく変わらない。違いと言えばワンマン対応になった程度であるが、秩父鉄道では全駅全ドア開くので運賃箱は車内には無い。駅での精算となるが、無人駅がほとんどなので、実際に運賃支払い(またはICカードタッチ)を実施したか否かはお客の良心に任せられる。

 

 

↑7500系車内からSLパレオエクスプレスが到着した所を撮影する。

 

 

↑三峰口駅の羽生方に転車台がある。折り返し列車にするためにここにSLが載って向きを変えるはずである。

 

 

 

 

↑しかし、なんともノンビリしている。到着後スグに客車から切り離されたSLは側線に入る。ここで給水と石炭補給が行われる。SLの大きさが大きいため時間がかかる。大井川鐡道千頭駅(2022年9月以降は災害でSLが来なくなったが)ではスグに転車台に載り、向きを変えて客車と連結(場合によっては別線路でSLのみ展示撮影会と言う事も)であったが、秩父鉄道では違うらしい。大井川鐡道では千頭駅ホームから転車台見学が出来るが、三峰口駅では許してもらえなかった。転車台見学したいならば駅舎を出て大きく構内を周り、専用の見学場所があるからここから見学しろと言うやり方だ。そのためSL到着とスグくらいから転車台見学者が集まりだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑旧型客車が4両連結していた。「高クン」と言う表記があり、これはJR東日本ぐんま車両センター所属と言う意味である。どうやら特別に貸し出された車両らしい。普段はSLパレオエクスプレスで運行する客車とは別らしい。

 

 

↑転車台見学が可能な2番線・3番線ホームには出入出来なくなる。さらに駅員は1番線ホームに居る客に対して「ホームから出ろ」と案内するほどの徹底ぶり。とにかくSL転車台見学はホームから出来なくしている。

 

 

 

↑1番線ホームからみたSLパレオエクスプレスの旧型客車はこんな感じ。このあと強制的にホームの外に出される。この時点で13時05分。転車台付近まで行くのが面倒だったので、遠くから転車台を見ていたが見学者の人垣は出来るものの何分経過しても肝心なSLが入って来ない。13時39分発1708レに乗る予定だったので、そう長くは滞在できない。この状態が30分以上続く。しびれを切らして13時30分に改札口に向かう。駅舎前改札口は1708レの改札をまもなく開始とあったが、14時05分発5002レSLパレオエクスプレスは13時45分から臨時改札口で改札開始とのことだった。大井川鐡道の感覚で言うと「こんなに待たされるのか」と言った感じで、失望した。と言うか転車台に載るという作業は時間がかかって当たり前か。

 

【SLパレオエクスプレスを撮影するため線路際ギリギリを攻める撮り鉄】

 

 

↑1708レに乗る。なんともオンボロな車両。ステンレス車だから極端な古さは感じない。この車両は元々都営地下鉄三田線走っていたようだ。編成はこれも3両で三峰口方3号車クハ5201+2号車デハ5101+羽生方1号車デハ5001であった。

 

 

 

↑三峰口駅発車と同時にやっとSLが転車台に載る。13時40分頃にならないと回転しないようだ。

 

 

↑三峰口~白久

 

 

 

 

↑白久駅

撮り鉄だらけ。SLパレオエクスプレス運転日は普段からこんなに撮影者が多いのか?

それにしても「線路際ギリギリを攻める」撮り鉄が多い。列車が通過すれば平気で線路内侵入がある。さらに路上駐車容認と言った所で自動車が大量に止まっている。恐らく「追いかけ」だろう。白久駅付近で撮影したら自動車で先回りして次の場所で撮影…を熊谷駅までの間で繰り返すに違いない。

 

 

↑白久~武州日野、ここも撮り鉄だらけ

 

 

↑クハ5201運転席

 

 

↑武州日野駅、枝垂桜が満開だ

 

 

↑武州日野~武州中川、ここも撮り鉄だらけ

 

 

 

↑武州中川駅、ホームを通過するSLパレオエクスプレス狙いの撮り鉄が多数。枝垂桜と絡めるのだろう

 

 

 

 

 

↑浦山口駅は桜満開である。花見客やハイカーの下車がまとまってあった。この辺の桜見物は翌朝行う事にしよう。

 

 

↑5000系はいかにも「昭和感満載の車内」である。1708レは影森駅止まりで熊谷方面行きは同駅で乗り換えとなる。車両運用上は折り返し1703レ三峰口行きになる。乗り換えの間、影森駅を見学したが何とも不思議な作りをした駅であった。

 

 

 

 

【2024年度は冬も発売】青春18きっぷ廃止騒動(2024年6月22日当ブログ)

 

↑のブログにもある通り、2024年夏の青春18きっぷは発売開始ギリギリまで発売有無の発表がなかった。そのためネット上では「青春18きっぷは2024年春をもって廃止」と言う意見が支配的であった。そういう予想を覆すかのように2024年夏の青春18きっぷは発売された。発売期間が例年夏分は7月1日からだったのが7月10日からに変更になっただけで、値段や効力については全く変わらなかった。

もう「青春18きっぷの将来性」云々については書くのを止めにしたい。その話をするのは疲れた。某鉄道乗蔵みたい(鉄道ジャーナルで時々出てくる経済ジャーナリスト〇田泉が同一人物らしいが)な不毛な議論をやっても生産性もクソもないし外野(客)が騒ぐだけバカバカしい。それはJR各社の営業担当者が決めれば良い話である。

そもそもこういう不毛な議論をする奴は「現場を知らない」。机上の空論が全てである。青春18きっぷに関しては非課金(新幹線や特急には乗らず)で毎回長距離(1日500キロ以上)乗った上で、しっかりと利用実態を見ろや!と言う話である。別に意図的にそうしたわけでは無かったが、今回は北海道と九州を除く全国で青春18きっぷの利用実態を現場から見てみた。とは言っても「みなまで書くと」1万文字オーバーの超大作になるので、気になった内容についていくつか拾い出す。

 

【JR東日本宇都宮統括センターは青春18きっぷの販促に積極的?】

 

↑宇都宮駅在来線改札口。有人通路は1つしかない。Suicaが普及しているとはいえ現金精算の客が多い。長蛇の行列が出来るため単に青春18きっぷを見せるだけでも時間がかかる。JR東日本の一部の駅には「青春18きっぷは係員が順番に日付を確認するので列に並んで待ってくれ」と言う案内もある。宇都宮駅にもこの案内。これは”青春18きっぷあるある”の話だが、オッサンが”殿様気分”で列を無視して手を大きく挙げてスルーする姿にはイラっと来た。青春18きっぷの利用者はそもそも「客層が悪い」自分で言うのもあれだが。JR側からすれば「良い客」(いろんな意味で)とは言えぬが実態である。

 

 

↑青春18きっぷはMV(指定席自動券売機・みどりの券売機等)でも買う事は出来る。だがどうやって操作すれば良いのかわからない読者諸氏も多かろう。多少の差異はあるが概ねトップ画面の「お得なきっぷ」から入り、その中にいろんな商品が並んでいるのでそこから「青春18きっぷ」(1ページ目に表示される事が多い)を見つければ良いだけである。

実は青春18きっぷのMVでの買い方案内の表示は初めて見た。恐らく客から問い合わせが多いので案内を表示したのであろう。宝積寺駅は宇都宮統括センター管轄の直営駅で、一応みどりの窓口もあるが9時~17時だけ営業でもはや”お役所並み”。基本的にはMVで買ってくれと言わんばかりである。周辺駅は窓口を廃止してMVで代用する事が多い中で、宝積寺駅だけなぜ残っているのか?しかも直営で?その辺が疑問であるがその事は置いておくとして、同センターは以前から青春18きっぷの販促は積極的である。1年ほど前には宇都宮駅のMVやみどりの窓口付近で「青春18きっぷいかがですか」と言う手作りポスターで販促していたほどである。

JR東日本の他の(営業)統括センターやJR他社では基本的に青春18きっぷの販促は実施していない。一応形式的にJR各社が持ち回りで写真を提示する全国版の販促ポスター(2024年夏はJR東海キハ25と紀勢本線であった)だけだ。なぜ宇都宮統括センターが自ら青春18きっぷの販促を行うのか?疑問である。これは正直言って今時珍しい。青春18きっぷの販促なんてやらなくても「自然と売れる商品」だからである。

 

【ローカル線の乗車率向上にやはり青春18きっぷは貢献する】

 

↑青春18きっぷの出自を辿れば1982年頃に当時の国鉄が増収策の一環として始めたものである。特に普通列車は学校が休みに入るため本来利用が多いはずの朝や夕方の列車の利用が減る。その減った分を取り戻そうとしたことが1つの理由でもある。

例えば8月3日に乗車した関西線亀山10時14分発237D加茂行き(キハ120の2両・所定は1両らしい)や高徳線高松18時33分発363D徳島行き(キハ47の2両+キハ40の1両)は青春18きっぷの利用と思われる客が多く乗っていた。

363Dに関しては3両で30~40人と言った状況であったが、高松~徳島を”通し”で乗る18キッパーが少なくても10人は居た。この間特急うずしおに乗れば1時間弱で着けるが、追加料金が発生するので乗れない。時間よりもコストを重視した人が多かったのだ。

仮に青春18きっぷの利用者が皆無になる場合、その分の客がそっくりそのまま減る事になる。363Dの場合だと20~30人程度の地元客しか乗らなかった事になる。

翌日8月4日の土讃線佃13時41分発4236D多度津行き(1022単行)に至っては佃発車時に17人の乗車があったが、そのほとんどが青春18きっぷの利用者であった。秘境駅で知られる坪尻駅には10人前後の鉄道マニアが来ていたが、12時33分発4229D阿波池田行きで来たようで、何人かが戻るために乗車した。坪尻駅からの客も青春18きっぷの利用者が多かったと思われる。土讃線の琴平~阿波池田は普通列車は1日に数える程度しか無い。地元利用も少ない。普段ならば貸切同然の車内(1両に10人以下)かと思う。

このように青春18きっぷの利用者によってローカル線の普通列車は利用者が増えるのだ。

しかし、大きく収入に貢献するわけでもないので、基本的に増結・増発はやらない。積み残しになればそれまでで自己責任となる。最近では14時30分頃の芸備線と木次線備後落合駅発着列車で混雑が激しい事で知られるが、キハ120の単行である事は変わらないし、増発を行う事も無いという例が典型である。

従って2024年夏の青春18きっぷでもこの利用実態が見られた。多少なりともローカル線の乗車率向上になるならば、JRも青春18きっぷを終了する理由は無い。

 

【やはり青春18きっぷの利用が多いのは東海道線。米原付近の混雑がよくわかる実態】

 

↑青春18きっぷの利用の多い路線と言えば間違えなく東海道線だろう。

一番青春18きっぷの利用者が多いとみられるのがJR会社境界付近。すなわち熱海や米原付近である。

熱海だと東京からの列車が15両や10両運転なのに、静岡方面へ向かうのが3~6両に減るので混む。米原だと名古屋(大垣)からの列車は1時間に2本程度しかなく、編成が8両であっても満席+立席が1両に数十人と言う事もある。そのほとんどがスーツケース等の大きな荷物を持った長い距離を移動する客であるが、乗車券を見るとやはり青春18きっぷが目立つ。米原で大阪方面に向かう新快速と乗り換えが出来るが、12両も編成があるのに米原の時点で満席+立ち客が1両に数人も出る有様だ。これが青春18きっぷが使えない時期にはあまり見る事が出来ない。仮に青春18きっぷがなければ最初から東海道線の普通列車は使わず、高速バス、新幹線、場合によっては自家用車となる。

これは東海道線に限った話ではない。山陽線の姫路~相生~岡山、東北線黒磯~新白河~郡山、上越線高崎~水上~越後湯沢等でも言える話である。

ではどこまで乗るのか?と思ってみてみるとやはり”通し”が多い。1度立たされると1時間前後は座れないと思って良い。例えば米原だと下りは良くても京都まで、上りは良くても大垣か岐阜までは座れない。

「どの車両が混雑するのか?」わかっていない客も多く、やはり階段付近は混む。米原だとJR西日本の新快速で言う下りは3~6号車付近、上りは4~8号車付近がよく混む。JR東海側だと下り・上りとも前側車両はよく混むが、後ろ側車両は比較的空いている。但し後ろ側に乗るにはホームの移動距離が長い。それを嫌っている客も散見される。確実に座りたいならば「あえて空いた車両を狙う」しかないように思う。

これは米原駅の一例であるが、他の駅・路線ではこの状況が違ってくる。流石にこれは「みなまで書けない」ので各自現場で探してほしい。

 

【まとめ・青春18きっぷの利用者は今でも多い】

 

2024年夏の青春18きっぷの利用動向を現場で見た結果を述べた。やはりローカル線の乗車率向上に貢献している所は見逃せない点である。根本的に利用者が多い東海道線などの幹線路線でも青春18きっぷ利用者が目立つ傾向であった。仮に青春18きっぷ廃止ならば、その分の客をそのまま落とす(減らす)事になるので、JR各社の収入面や各線の利用状況向上(輸送密度と言う数字で現れるがそれでも”たかが知れている”)にならなくなる。青春18きっぷ廃止はJR各社にとってメリットは薄い事がこの夏現場で乗っていてわかった。

青春18きっぷの様式変更は十分あり得る話で、紙のきっぷで販売ではなく、スマホ画面だけのみで販売が来てもおかしくない。JR四国の「しこくスマートえきちゃん」やJR東日本の「えきねっとQチケ」等のように、QRコードを改札機にタッチするか、セルフチェックインで日付管理を行う(ので今まで通り期間が連続していなくても使える)。この辺はありそうな予感がする。

いずれにせよ、青春18きっぷの廃止はJRも客もデメリットしか無く、JRにとっては「上手い商品を捨てる理由は無い」のである。但し利益向上のために値上げはあっても良いと考える。

 

 

【概要としては】
①「トリマ」(ポイ活・移動でポイントが貯まるアプリ)の動画宣伝で知る
②LINEのメッセージでやり取り
③LINE電話→7月23日申し込み(ここまで33万円クレジットカードで支払いをしないとこのサービスは出来ないと言われた)
④指定した商品を自分で買う(健康食品等)
⑤自宅に届く
⑥着払いで倉庫へ送る(受取拒否は無く伝票番号検索で届いた事を確認)
⑦すると商品1個につき2,000円の報酬+商品代金が支払われる
⑧実際に銀行口座に振り込みがあった
⑨商品代金分以外は自分の報酬になる。以上が基本コース
⑩「(弊社)代行」と言って自動で商品を注文するコースに入ると1日4,000円〜1万円程度毎日報酬(収入)があると言われる(ここが不労所得と言う事)。このコースに入るには別途45万円必要と言われクレジットカードで支払い、8月9日申し込み
11、約束としてはLINEで毎日報酬額を教えてもらう。私が金額を確認したら即日振り込みと言う対応で、最初の1週間は続いていた
12、8月20日分以降、報酬額の支払いが途絶える
13、8月29日以降LINE返信が無い。既読にもならない。正確には一度既読になったが返信無い
14、倉庫に「代行」分と商品代金支払いを促す手紙(特定記録郵便を使い9月7日に届いた事を確認)を送付したが返信無い。基本コースの契約書にあった(最初に33万円分は契約書発行があったが、代行分45万円の方には契約書発行無し)本店メールアドレスに9月5日早朝連絡するが返事無し。
15、約束した報酬が途絶えているため、その分の支払いをLINEでも促しているが(9月7日以降)が既読にもならず。

16、対応者は「ワンデイ不労所得レクチャー社(やしろ)」と言う人物だが(ここの判断で報酬額決定、実質的な窓口)、「ワンデイ不労所得特典案内・目黒)と言う人物は申し込みの電話がうるさかった。45万円のコース(代行)を申し込んだ途端に音信不通。今日(9月11日)朝8時10分にになって「退室しました」と表示。もう連絡付かず。今の所レクチャーのLINEアカウントは存在する。

【本店住所】
株式会社エスエステート
法人番号8140001127028
会社法人等番号140001127028
本店所在地→ 大阪市浪速区難波中3丁目12番9号ヒュッテンベルケ大阪なんば202
電話番号→不明(一応050-3890-4542と案内されたが電話したら「この電話は現在使われていません」であった)

メールアドレス s.estate1188@gmail.com
↑会社の詳細。これが本店。2022年に設立。わずか2年で4回本店を移転している。
 

【倉庫住所】
〒550-0025
大阪市西区九条南4丁目12-14
ハイネス九条203
株式会社エスエステート
↑これが倉庫の住所。荷物を送れば(郵便・ゆうパック)で送れば届く。誰も人が居ないというわけでは無い。

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

【エスエステートに送ったメール(9月12日早朝送信)】

【質問・9月14日24時までに要回答】報酬額の精算(振り込み)について(第3報)

 

「ワンデイ不労所得会員サポート」で作業した商品並びに御社で発注委託の「代行」で私が得るべき報酬額について、8月20日以降1円も振り込みされていません。レクチャーの社氏にLINEで連日繰り返し連絡を行っておりますが、既読にはならない、返事は来ない、電話には出ない状況で音信不通です。

私が支払うべき商品代金(下記3つ)についても報酬額と商品代金を振り込む約束(契約)になっていますが、振り込みがないため支払い出来なくなっています。LINEが音信不通になっているためメールで連絡せざるを得ません。

今まで毎日LINE連絡があったにも関わらず、8月27日以降レクチャーから連絡(返事)が一切ないのは、常識的に考えて「異常事態」であります。これは「常識的な企業対応」とは到底言えません。

また私は「代行は毎日報酬が発生する」と聞いておりますが、高額な80万円のコースに加入させておきながら、実際には報酬がほとんど発生しない、若しくは一時的(1カ月程度)には報酬が発生したが契約期間の2年間継続的に発生しない、ましては担当者との音信不通で私が受け取るべき報酬額が1円も振り込まれないというのは、客の立場からすればそれは「契約不履行」であります。

従って「代行は毎日報酬が発生する」と言う約束(契約)を必ず守ってください。

 

【①9月11日15時32分の御社からの返信メールについて】

 

(メールの内容)

お世話になります。

株式会社エスエステートです。

 

報酬の方はお支払いいたします。

 

その他、特殊詐欺などの事実無根の内容につきましては

弊社弁護士から内容証明を送らせていただいてもよろしいでしょうか?

 

↑この意図する事について教えていただけますか?

具体的に内容証明郵便で記載する予定の文言(内容)について教えていただけますか?

u  「特殊詐欺などの事実無根の内容については」ともありますがそういう意図は無いという御社の主張(考え方)の表明なのか、根拠のない事について言われた事に関する名誉毀損にあたると考えているのか。事実無根であるならば率直にお詫びを申し上げ、この発言については撤回させていただきます。

u  報酬支払いに関する内容・金額・方法等の変更なのか(そもそも内容証明郵便を送るようであればこの点を確実に記載してもらいたい)

u  契約全般に関する見直しなのか

u  そもそも御社の弁護士は、利害関係者(顧客や取引先等)についてどのような立場なのか、何を行うための弁護士なのか

u  御社は争うつもりがあるのか(私は争うつもりは無い・報酬支払いが確実にあれば)

u  私がどのような不当な事を行ったのか(しっかり客観的な証拠をお示しの上でご回答願いたい)

・・・従って、御社からのこのメール内容だけでは「~だろう」と曖昧な事しかわからず、全てが推測の域で検討せざるを得ないため、このメールの文言に記された意図について明確にご回答ください。

 

【②なぜ支払いが8月20日以降ストップしているのか?】

 

支払い遅延になっている具体的な理由について教えてください。支払い遅延分の支払い(振り込み)は何月何日までに出来ますか?

レクチャーの社氏と8月27日以降音信不通になっていますが、なぜ返事が来ないのか教えてください。

 

【①今後の見通しについて】

 

u  今回仮に別紙精算額に記載された額の通り(若しくはそれ以上)振り込みがあったとします。それではそれ以降の精算(振り込み・支払い)についてはありますか?

u  今後の精算(振り込み・支払い)にあたり、契約が2年となっているので2年分まとめて一括で支払う方法も認めます。むしろ音信不通で支払い遅延が生じている現状であれば、この方法の方が手っ取り早いと考えます。その場合「代行」を行えば「1日1万円もらえる」と聞いているので単純計算で1日1万円×30日=1か月30万円×24か月=720万円からお受けします。なお当初のネット広告における勧誘では「1か月50万円」と言う文言もあったため、その場合は50万円×24か月分=1,200万円となります。それ程度支払うのは然るべき対応と考えます。

u  レクチャーと音信不通である中で、日々得るはずの報酬額を知る由がありません。御社のどの担当者が(具体名を教えてください)が私に報酬額をお伝えするのでしょうか?またその担当者は精算(振り込み)出来る権限を持った立場の方ですか?

u  お伝えする手段(LINE以外の方法があるのか?)についても教えてください。

u  教えてもらった電話番号050-3890-4542が不通になっています(通じない)。なぜですか?正しい電話番号を教えてください。その際に確認や今後の打ち合わせのため私から電話させていただきます。

u  「毎日報酬」が入ると聞いていますが、今後もそれが実現する見込みですか?その場合1日平均の金額について教えてください。

u  御社で最初に33万円、追加で「代行」を申し込んだ際の45万円、合計約78万円分の契約書が手元にありません(発行を受けた覚えもありません)。この契約書について発行していただけませんか?

u  御社のビジネスモデルについて教えてください。私が聞いている話では、顧客(私たち)に御社のサービスを33万円なり45万円と言う金額で購入させて、御社指定の健康食品等の商品を顧客に購入させたうえで、顧客が御社の倉庫に送って、御社が確認出来れば顧客は報酬を受け取る事が出来て、商品代金の支払いも御社から受けられるとあります。疑問なのはそれ以降で、「海外(他社)に転売する」と少しだけ話を聞いた事がありますが、具体的にどのような所にどのような形で転売した上で(その転売は社会通念上問題ないやり方なのか?そもそも商品購入の際に「転売お断り」と出している商品も多い中でなぜ“転売”と言う行為が許されるのか?)御社が収益を出す事が出来るのか?この辺の理屈がよくわかりません。なぜこれで利益が出るのか疑問です。着払いで御社に商品を送っていますが、顧客は送料負担が無いのでメリットがありますが、受け取る側の御社は送料を支払う必要があるので損しているのでは?それに加えて、報酬(1個につき2,000円)を支払い、さらにそこから別途収益を出ないと会社として儲けにならないような気がしますが、その辺の“カラクリ”はどうなっていますか?この辺詳しく押してください。

 

u  私の希望として、一度御社の本社事務所(OsakaMetro御堂筋線大国町駅・南海難波駅・近鉄大阪難波駅・JR大和路線難波駅近くにあるようですが)並びに御社倉庫(JR環状線弁天町駅近くにあるようですが)を見学させてください。どのような仕事をやっているのか知りたいため。

u  私としては、当初の契約(約束)の通り「毎日報酬が得られる」のであれば、特に文句は言いません。「必ず毎日振り込みが無いといけない」とまでは言いません。1週間に1度、1カ月に1度でも構いませんが、大前提として今回のような支払い遅延がない事が条件です。その上でその契約(約束)が確実に守られているのであれば、問題ありませんし、そうやっていただきたいと思うのが私の希望であります。

また、現状未払いの報酬(金額等は別紙参照)については9月15日(日)24時までにお支払い(振り込み)ください。

↑この期日を超過しても返事なし。弁護士から内容証明郵便も届いていない。報酬の支払いも行われていない(9月16日15時現在)

 

 

【まとめ・特殊詐欺ではない?単なる詐欺若しくは契約不履行の話か?】

被害状況としては上記の通りである。警察にこの旨を相談すると「特殊詐欺ではない可能性が高い。”単なる詐欺”

若しくは”契約不履行”ではないか」との指摘があった。この時に契約書を提示出来なかったので「だろう話」で終わってしまったが、契約書を提示できれば深度の高い事がわかるようだ。

いずれにせよ、犯罪である。

そもそも「1か月30万円の報酬がある」と言う謳い文句で入って、実際に自分の銀行口座に振り込み(着金)があれば、それは継続的に収入が得られると思ってしまうのが普通である。特殊詐欺の大半は「入会金」等と称して最初に多額の費用を支払い、自分への報酬はゼロだし、そもそも論自分の銀行口座に振り込み(着金)がないケースがほとんどである。

また「弁護士を立てる」と言う所も疑問で、普通の企業ならば弁護士の1人や2人いるのが常識だが、詐欺集団の場合はそもそも弁護士はいないと警察に言われた。

「弁護士と称する人物が内容証明郵便を送りつけて来て、法律的な事が羅列されているが、実はそれはウソでそもそも書いた人は弁護士ではない事もあるのでは?」と警察に聞いたが、それをやったら別の犯罪になるし、そこまでやるメリットが詐欺集団の場合全く無いと言う。

但し、現状では上記画像にある通り契約書を提示内容を履行出来ていない。

「1度報酬を得ているので追加で報酬を得るのは難しい」というのがネット検索で見つけて無料電話相談した法律事務所の見解である。

続報があれば、後日ブログで公開する。

私としては、1か月30万円(それ以上でも可)の報酬が得られれば文句ない!

それだけである。

㈱エスエステートよ!即座に本来払うべき報酬を今すぐ払え!!

 

 

中央東線勝沼ぶどう郷駅は春になると山梨県内ではトップクラスと言える桜の名所である。「鉄道と桜」が撮影出来る場所は全国各地に多数あるが、勝沼ぶどう郷駅も有名である。今回は撮影記録主体で掲載する。

2024年4月6日(土)撮影

 

【春は桜の名所】勝沼ぶどう郷駅で桜と列車(E353系・211系・貨物列車)撮影

 

【基本的に特急が止まらない勝沼ぶどう郷駅】

 

 

↑211系2000番台(6両・長野N614編成・6号車クハ210-2022)甲府14時46分発538М高尾行きに乗る。中央東線は特急街道なので普通列車が特急に追い抜かれるという事はよくある。大月~小淵沢間では中線があるのは塩山、山梨市、酒折、竜王、日野春である。実際には酒折では実施していない。竜王では本数は少ないが実施する。日野春は実施回数がかなり多く、塩山、山梨市はそれなりにある状況だ。

538Мは山梨市駅中線(2番線)に入り後から来る34М特急あずさ34号新宿行きに抜かれる。

 

 

 

 

↑暇だったのでホームを撮影すると案外殺風景な駅だ。駅の海側(下り線側)は更地同然となっている。甲州市の公共施設が出来るような話を聞いた事があるが、どうなったのだろうか?

甲府統括センターの車掌も暇そうに待っている。一昔前ならば乗務中にタブレット端末を見ること自体が客からの苦情の対象であったが、2021年以降各社運転時刻表をタブレット端末に実装し、紙媒体の運転時刻表を廃止してペーパレス化。JR東日本に至っては2015年頃から規定類のペーパレス化を段階的に進めてきており、乗務カバンの多くを占めるそれを無くすことで、負担軽減や業務の効率化を図った。だからJR東日本の乗務カバンは”マルヨ”でもない限りは薄ぺっらいタイプになっている(但し支社や統括センター等によっても異なる)。客から列車時刻の問い合わせがあったが、それもタブレット端末で探してしまう。車掌が必死に紙の時刻表をめくって探し出すという事はJR東日本・東海(他社もそうだと思うが)では消滅したと言って良い。

 

 

↑とは言っても34Мが多少遅れているようだったので、塩山始発の15時05分発343М甲府行き(211系2000番台・6両・長野N612編成・6号車クハ210-2017)が下り線に来た。流石にガラガラであった。

 

 

 

↑フツーにE353系単品で撮影しても面白くないので、「やまなしし」の駅名標と211系側面を絡めておく。タイミングが悪かったようでドンピシャリ!と言う所にE353の顔が来ず不満な出来であった。

 

 

↑勝沼ぶどう郷駅には15時18分に着いた。お客が入れ替わった。この駅で花見をするために来た人たちだ。ホームも結構混雑している。同駅は土曜休日の一部の「かいじ」だけが特急停車。基本的には特急は止まらない。普通列車で来るしかない。昼間(概ね10時~16時台)は1時間に1本程度である。以下は写真主体で記事を構成する。

 

【勝沼ぶどう郷駅ホームから桜と列車の撮影】

 

 

 

↑甲府方のホームの端。下り線側にはスイッチバック時代の旧ホームが残されている。ここの桜は非常に良い。花見客も多く居る。

 

 

↑使用停止になった鉄道用電話

 

【E353系(9両・松本S120編成・15時33分発3136М特急かいじ36号新宿行き)】

 
 
 
 

【甲府方から東京方へホームを移動の時も桜が楽しめる】

 
 
 
 
 
 
 

【E353系(9両・松本S108編成・通過・3131М特急かいじ31号甲府行き)】

 
 

【貨物列車EH200-10+タキ7両程度+コキ7両程度(82列車根岸行き・竜王15時13分→根岸19時10分・通過】

 
 
 
 

 

【211系0番台(6両・長野N601編成・16時18分発537М小淵沢行き】

 
 
 

 

【甚六桜公園のEF64-18】

 

 

↑勝沼ぶどう郷駅のかいさつぐちを出場する。㈱JR東日本ステーションサービス(JESS)の業務委託駅で10時頃~18時頃が有人管理である。基本的には無人駅の時間帯が長い。みどりの窓口は無いがMV(指定席券売機)がある。特急の臨時停車がある場合はその旨が掲示される。待合室(クーラー・暖房あり)もある。

花見の時期は花見客で混む。無料駐車場もあり警備員が交通整理にあたる。列車で来る人よりも車で来る人の方が多いように見えた。

 

 

 

 

↑これが甚六桜公園の見事な桜だ。EF64-18が動態保存されている事で有名で、桜の時期は良い被写体になる。ソメイヨシノに加えて枝垂桜もあったが、これは新たな発見であった。

 

【スイッチバック時代のホームも桜の名所】

 

 

 

↑むしろここが勝沼ぶどう郷駅における桜の名所なのだと思う。百花繚乱の桜。これは良い。しかし、走行中の列車とここからの桜を一緒に撮ろうとすると構図的には難しく上級者向け。個人的にはスイッチバック時代のホームからの列車撮影はオススメしない。これは「桜単品」で楽しんだ方が良い。

 

【勝沼ぶどう郷駅のお立ち台から①E353系(9両・松本S113編成・44М特急あずさ44号新宿行き・通過)】

 
 
↑甲府方のホームの端は「お立ち台」となっている。このフェンスに囲まれた場所。昼間は同業者(撮り鉄)が多数屯しているため容易に近づけない。だが17時を過ぎて終了したのか誰も居なかった。ここからも撮る事にした。これが勝沼ぶどう郷駅における一丁目一番地的な構図であるがわずか10分の間に3車種も撮る事が出来た。
 
 
 
 
 
 

【勝沼ぶどう郷駅のお立ち台②211系2000番台(6両・長野N610編成・17時25分発544М立川行き)】

 

 

 

 

 

 

 

【勝沼ぶどう郷駅のお立ち台③貨物列車EH200-18+タキ10両程度(2084列車根岸行き・石油返空】

 

 

 

 

 

 

 

 

↑お立ち台からやや離れた場所から。544Мが来た後は列車が来ないと思っていたら貨物列車が来た。タキを連結していたが中身(ガソリン等)は入っていない。単にタキを油槽所がある根岸へ回送するための列車で、専門的には「石油返空」と言う。

勝沼ぶどう郷駅の桜見物と桜と列車の撮影は2時間足らずであったが、満足な記録が出来て良かった。来年以降も毎年花見の時期には通いたいと思う。

 

 

 

【桜の名所山北駅付近で花見】転換クロスシート313系1300番台が主力になった御殿場線

2024年3月16日ダイヤ改正から御殿場線は転換クロスシート313系1300番台(静岡車両区L編成)が主力になった。元々は神領車両区所属の車両で主に中央西線(中津川~塩尻~松本)や関西線(名古屋~亀山)等で運用されてきたが、315系の登場と211系の引退によりJR東海全体で大きく車両の入れ替わりが発生している。とは言っても2010年前後の製造のため純粋な新車ではない。ヨソで新車が入る→不要になる車両がある→別路線に”代え”として入れる=「玉突き転配」になった形である。大きく車両がなった御殿場線を乗り歩くと同時に、春になると桜の名所で有名な山北駅で花見も同時に行う。

2024年4月6日(土)乗車

 

【211系の「西富士宮行き」】

 

↑722М三島行き(富士6時29分発)は改正後も4両であった。改正以前は211系GG編成のみ4両(2本併結)であったが、改正後は基本的に313系W編成+211系GG編成となった。だがこれは暫定的な形で6月に315系が登場すると日によっては313系W編成+K編成と言う事もある。原則トイレありなので車内でトイレに困る事は無くなっている。この日はGG5編成(クハ210-5053乗車)であった。

 

 

↑身延線にも211系運用はある。その唯一と言えるのが富士6時35分発3523М西富士宮行きだ。これも722Мと同じ形で日によっては別車両の事もある。この運用も11月以降は315系に置き換わる可能性が高い。この日は211系GG6編成(クハ210-5054以下2両)+313系W6編成であった。クハの前面が色落ちしている。GG編成でも一部あった。正面のサボは単に「普通」と出ている。どうやら「西富士宮」と言う幕が無いらしい。側面はしっかりと「西富士宮」と出ているので誤乗する恐れはない。

なお211系は基本的には富士~西富士宮しか入線出来ない。西富士宮~甲府は断面(天井)が低いトンネルが存在し、パンタグラフも低い位置に設定する必要があるため。それに対応した211系は3両SS編成しか無く、これしか入線出来ない。GG編成やLL編成は最初から西富士宮以北は入線出来ないのだ。だが近年はSS編成でさえも西富士宮以北の入線実績は皆無に等しい。

 

【富士発御殿場行き2226М乗車・沼津→富士川→富士と回送してからの営業】

 

 

↑6時28分頃富士駅5番線(下り本線)を猛スピードで列車が通過する。313系2600番台N2編成であった。放送案内もサボも「回送」だったので、どこへ向かっているのかわからない。後で調べたら回221М富士川行きと言う事がわかった。

これは沼津運輸区から出庫し富士始発の列車で使う場合、沼津~富士は回送となるのだが(営業列車の場合もある)、富士駅の配線の都合上、身延線と東海道線上りで出発させる場合は、一旦富士駅を通過し隣の富士川駅の中線に入れた上で、折り返しする運用である。中には沼津方面からの「富士行き」が日に何本かあるが、これも富士駅到着後は富士川駅へ回送となる。

なお配線上は富士駅6番線→身延線へ進む事も可能であるが、下り本線と上り本線を跨ぐ事になるため、原則この使い方は現在実施していない。以前は昼間に沼津発身延行き(実際には身延で列車番号が変わり甲府行きになるので実質的には沼津発甲府行き)もあった。現在6番線を使う旅客列車はほとんど無い。6番線は「貨物専用ホーム」の感もあり、1日に何本か貨車の連結や切り離し作業を行う列車がある。

 

 

↑約15分後、富士川駅から戻ってきた。先頭クモハ313-2602に乗車する。これで沼津乗り換えの必要は無くなり御殿場線へ直通出来る。意外にも御殿場線へ直通するお客も多かった。

 

【富士山と桜が見える富士岡駅】

 

↑富士岡駅で下車する。今は島式1面2線ホームだが、かつてはスイッチバックで有名であった。とは言ってもそれは大昔の話で1968年の電化以前の事である。スイッチバック自体は1968年7月1日に廃止されている。今の島式ホームは1989年に新設とのこと。それでもよく見ればスイッチバックがあった名残はある。この辺は「駅マニア」だから着目する視点である。”並みの鉄道マニア”ならば「昔スイッチバックがありました」だけで終わりだろう。

ホームの沼津方(この辺に車両が止まる事は少ない)からは富士山がデカく見える。その手前には高架の構造物があるがこれはE1A新東名の御殿場JCTである。今の所はE1東名との分岐点で西日本方面へ行く場合はE1Aの方が速くて短く、線形も良いので運転も楽だ。日本の大動脈が富士岡駅近くにはあるのだ。

 

 

↑富士岡駅は東海交通事業㈱が受託する業務委託駅である。直営駅としての管轄は御殿場駅である。7時10分~18時45分は駅員が居て、それ以外の時間は無人駅になる。御殿場線でもTOICA等のICカードが使えるのでそれがあれば特に問題ないが、紙のきっぷで乗った場合は車内で精算するようにとの案内が出ている。

 

 

↑駅舎内はこんな感じである。案外簡素だ。長いベンチがある。近距離用券売機が開いているものの無人駅となる時間帯は閉鎖となる。JR全線きっぷうりば(みどりの窓口)もあるがJR東海も「サポ化」が始まっているので、富士岡駅もちゃんとした自動改札機・精算機・「サポート付き指定席券売機」と称するAMVを設置して無人化…という事をやってもおかしくはない。これは御殿場線の他の駅でも言える。

 

 

↑駅舎。ジュース自販機あり・トイレもある。

 

 

↑富士岡駅の駅舎を出て沼津方に進むと踏切がある。踏切を渡った所がちょっとした丘になっていて富士山を一望できる。ここには桜(数種類)・菜の花が咲く。「ICサービス導入記念」として平成20(2008)年6月20日に植樹した木(花)も実っている。御殿場線では全く知られていない「花の名所」である。ここは結構良い場所であった。可能であれば毎年春に訪れたいとも思った。

 

【御殿場線で桜の名所・山北駅で花見をする】

 

↑8時55分着2534М国府津行きは313系3000番台V1編成であった。

 

 

↑8時57分発2529М沼津行き313系2600番台N7編成と交換する。桜満開の山道を登り始める。SL時代は25‰の登り勾配(御殿場・沼津方面へ進む場合)でカマの付け替えが必須であった。東海道本線全体の速度向上の障壁となっていたので、1934年に函南~三島で丹那トンネルが出来ると国府津~熱海~三島~沼津が東海道本線に編入され、取り残された既存区間は御殿場線に改称…という昔話は鉄道マニアの間では有名過ぎる話である。

だが今の電車は25‰の登り坂はスイスイ登ってしまう。E231系が以前は国府津~山北間だけで運転していた時があったが、これが御殿場や沼津に行けなかった理由としては、モーターの出力が弱く25‰登りを走らせたらモーターが焼き付けて再起不能の故障に生じるため…というウワサを聞いた事があるが、実際にそういう事はありえない。実際問題、上野東京ラインの東京~上野間(秋葉原駅付近)は33‰登り勾配が存在するので、山北以西で走らせる事は十分可能である。山北以西に乗り入れなかった理由は、需要が少ない事などの大人の事情によるものが大きかっただろう。今やE231系が入線する事も無くなった。

 

 

↑山から降りてきたのは新宿行きの特急ふじさん2号であった。小田急60000形MSEの1号車60552以下の6両だ。山北駅は通過する。以前は特急あさぎりであったが、2012年に371系と小田急20000形RSEが撤退してからはMSEに変わっている。小田急の片乗り入れでJR東海は車両を出していない。列車名は2018年3月18日に「あさぎり」⇒「ふじさん」に改称されている。御殿場線特急は371系の時に1回乗った事があるだけだ。

「ふじさん」も小田急ロマンスカーの1つにラインナップされるが、きっぷを買う上ではいろいろとハードルが高い印象がある。少なくてもIC乗車券で小田急線と御殿場線を跨いで乗る事は出来ない。特急券の発行にも条件があり、小田急の駅では比較的容易に出来るようだが、JRの駅ではそうには行かない。予約システムがJRのマルスではなく、小田急のそれを使っているのでJR側から小田急のそれに接続する手間もあるため。きっぷを買うのに苦労したので、乗る事がなくなった。今はどうなっているか知らないが。

 

 

↑山北駅前では「ソーラン山北2024よさこいフェスティバル」が行われていた。4月6日11時00分~14時30分の開催で踊りのイベントらしい。この辺の知識は疎い。何も知らない。ソーラン祭り自体は高知県が発祥との事だが、札幌の大祭り「よさこいソーラン祭り」は北大の学生だった長谷川岳氏(自民党の参議院議員・今や道庁や札幌市役所の役人に対するパワハラで有名になった)が高知県に行って本場の祭りを見た際に感銘を受けて札幌でもやってみたのが最初とされる。全国に「ソーラン祭り」と称するものが多いと聞くが、地元の街おこしのためにやっているようなものであろう。

 

 

↑山北駅の25‰登り勾配付近は見事に桜が満開である。やはり撮影者は多い。列車が来るまで少しの間だが桜の花を観賞する。花見と言うのは私はそういうものだ。桜の花の下でどんちゃん騒ぎは嫌いである。

 

 

↑9時35分発2531М沼津行き(313系2両・編成番号不明)

やはりこれが人気の写真で撮影者が多い。この構図は年中撮影出来るが、ここに桜が咲く所+列車を撮れるのは3月終わり~4月初めころだけである。

 

 

↑9時57分発2536М国府津行き313系2600番台N4編成3両

これは良く撮れた写真であった。山北駅の滞在時間は1時間弱しかない。10時17分発2533Gワンマン御殿場行き(313系3000番台V1編成クモハ313-3001乗車)は「ソーラン祭り」に行く人がざっと100人以上下車した。超満員だった列車も一気に空いた。山北駅はワンマンだと先頭車両前ドアから下車出来ないので、下車に時間がかかるのは当然の事であった。

 

【御殿場線の主力になった転換クロスシート313系1300番台L編成】

 

 

↑富士岡8時20分発2534М国府津行きが313系1300番台であった。この列車は4両運転で前2両がL2編成、後ろ2両が313系3000番台V1編成であった。L編成の方が混雑していたので、従来があるボックス席のV編成に乗車した。まだこの時は御殿場線に入ってから1カ月も満たない時期。L編成が「ええ席のある電車」と言う事が地元客も既にわかっていたのであろうか?

でも必ずしもそれが言えないのは、駅の構造(改札口や階段がどれだけ近いか)によって混みやすい車両・空きやすい車両は明確に出る。岩波、富士岡、御殿場は国府津行きの場合前の方が近いが、大岡、長泉なめりは逆に後ろの方が近い。下車駅によって車内での棲み分けのようなものもあったりする。

御殿場線は地元客に加えて観光客(特に御殿場周辺)が多い。東京方面からのお客も普通列車で国府津・松田~御殿場間多く乗るので、最近はスーツケースを持つ客、インバウンドがとても多い。両数・本数の割には混雑している印象だ。座れない事も珍しくない。ワンマン列車だと各駅での乗り降りに手間取るため遅延が発生気味だ。そのため御殿場線でのワンマン列車は昼間が中心だが、それでも朝晩の列車は2両ツーマン(車掌乗務・この場合全ドアから乗り降り可能)と言う列車も多い。

転換クロスシート313系になったのは「車両繰り」の関係で、この席を搭載する車両しか用意出来なかった事による。御殿場線の利用状況からすればオールロングシートの方が妥当と私は考えるが、転換クロスシート→ロングシートへの改造実績は私は知る限りJR東海では皆無。名古屋工場で改造工事が出来ないわけでもないのだろうが、会社(経営側)の考えとして「席を変える必要は無い」のであろう。

 

 

↑L編成がワンマン列車で運用される事もある。御殿場10時57分発2625Gワンマン沼津行き(L7編成後ろのクモハ313-1307乗車)がこれだった。御殿場始発と言うものの既に座席はほぼ埋まっている。南御殿場以降の各駅から乗車の場合座れない。しかもスーツケース等の大きな荷物の客だらけなので”通し”はあからさま。都市的な区間であったりもするので、どの駅でも乗り降りが多い。南御殿場や長泉なめり等の無人駅は当然後ろの車両のドアは開かない。前のクハ312-1307に乗客が集中しがち。なかなか後ろに進まない。これでは遅延が起こるわけだ。もしロングシートならば多少は人の流れが良くなるのだろうが。沼津着の段階では立ち客でいっぱいだ。昼間の2両ワンマンで立ち客いっぱいになる列車は全国的に見てもそう多くない。

車両運用はV編成とL編成で分けてあるようで、前者は例えば午前中は御殿場線、午後は身延線と言う運用もあるが、後者は御殿場線固定である。例外なのは御殿場線直通列車で三島~沼津で東海道線を走る事、検査の関係で静岡車両区へ出入りする際は沼津~静岡は回送が主体であるが一部は営業列車(313系W・T・N編成併結が多い)で走る事もある。御殿場線ではL編成は比較的よく乗れる。多少の運用調査は必要だが(東海道線静岡地区運用情報HPも参照)、東海道線ほど複雑ではない。

 

 

 

【新居町行き・袋井駅臨時改札口】ふくろい遠州の花火2024東海道線臨時列車大増発

 

2024年7月27日に静岡県袋井市で「ふくろい遠州の花火」が開催された。静岡県内では屈指の花火大会で例年来場者数は40~50万人にもなると言われている。花火大会の観覧会場は東海道線愛野~袋井間の原谷川沿いにある特設場所である。静岡・掛川方面からは愛野駅、磐田・浜松方面からは袋井駅の利用が推奨された。これに伴い東海道線掛川~浜松間を中心に臨時列車が大増発された。この事は例年通りであるが、意外にもこの輸送は今まで見た事が無かった。花火大会輸送は性格上、15時前後~19時前後の開催前、21時前後~24時前後の開催後に臨時列車の運転と定期列車の増結が実施される。全ての時間帯見るのは大変だったので、開催前に絞って様子を見る事にした。なお花火大会そのものは見物しなかった。

2024年7月27日(土)乗車

 

【臨時列車の時刻はJR東海プレスリリースのみで公表・各種乗り換えアプリ等では一切公表されず】

JR東海では、2024年7月27日(土)に袋井市で開催される「ふくろい遠州の花火」に合 わせて臨時列車を運転します。また、一部の定期列車で車両の両数を増やして運転します。会場最 寄駅の愛野駅・袋井駅まではJRを是非ご利用ください。 お帰りの際は、大変混雑が予想されますので、お時間に余裕を持って駅へお越しいただくと共に、 お帰りの際に便利な“往復きっぷ”を予めお買い求めください。なお、TOICAエリア内で乗車・ 降車の場合は、改札機にタッチするだけで通過できる「TOICA」のご利用が便利です。ただし、 TOICAエリア内・外をまたがってご乗車される場合は、TOICA等の交通系ICカードはご 利用になれません。予め全乗車区間のきっぷをお買い求めください
 
行き 19本 (愛野・袋井着 14時台~18時台)
 静岡方面から愛野駅へ [浜 松 行] 5本  [新居町 行] 2本 [豊 橋 行] 2本 
浜松方面から袋井駅へ [袋 井 行] 8本 [掛 川 行] 2本
 
帰り 23本 (愛野・袋井発 21時台~24時台) 
袋井駅発⇒浜松方面へ [浜 松 行] 11本 
 愛野駅発⇒静岡方面へ [掛 川 行] 2本  [静 岡 行] 8本 [興 津 行] 2本
 
※上記臨時列車のほかに、一部の定期列車で車両の両数を増やします。
 ※臨時列車等の詳細については、別紙をご参照ください。
 ※帰りの臨時列車は、静岡方面へは愛野駅、浜松方面へは袋井駅が始発駅となりますので ご注意ください。(22時40分以降、静岡方面への臨時列車は袋井駅が始発駅となります) 
※花火大会が延期となる場合、臨時列車は運休となる場合があります。 当日の運行状況は、JR東海テレフォンセンターへ電話でお問い合わせ(番号等は下記リンク参照)
※具体的な時刻はこの記載では省略。下記リンク参照
 
 
 

 

↑であった。JR東海HPの乗り換え検索(駅時刻表表示)・各種乗り換えアプリで臨時列車の時刻等について調べてみたが、一切公表されていなかった(定期列車のみ表示)。

そのため「ふくろい遠州の花火2024」の臨時列車の時刻の公表は上記プレスリリースだけ。これは臨時列車あるあるの話で、乗り換えアプリ等に反映されない事が多い。

また駅頭で紙に臨時列車の時刻が貼りだされる事が多いが、今回そのような事は皆無だった。駅頭で臨時列車の時刻を知る方法は、発車案内装置による表示か駅放送のみである。実際には通常よりも増発されているため、普段電車を全く使わない人が駅に来た所で「きっぷの購入」と「混雑」と「暑さ」を除けば困る事は基本的に無い。

つまり「謎だらけ」である。これは「運用鉄」と言われる鉄道マニアが興奮する案件だ。どこへ行くのかわからなかったので、「休日乗り放題きっぷ」(2,720円)を買って乗車した。

 

【静岡13時56分発臨時浜松行きに乗る】

 

↑静岡13時00着748Мから様子を見る。この日は熱海方が313系8000番台S1編成+豊橋方211系5000番台SS9編成(画像・モハ210-5063乗車)であった。西側の留置線に移動し15時過ぎまで昼寝となる。この車両は臨時列車とは無関係のようだ。

 

 

↑静岡駅の地下道を歩いていると何故か「しまねっこ」(島根県のゆるキャラ)が居た。どうやらFDA(フジドリームエアラインズ)のイベントで出雲空港→富士山静岡空港へ”空輸”されて来たらしい。

 

 

↑臨時列車1本目は静岡13時56分発浜松行き。6分前に定期列車451М浜松行き(静岡13時50分発)があるので、そんなに客は乗らないだろうと予想。発車案内装置にも表示があるが、種別は「臨時」である。東海道線静岡地区の事なので快速運転しないのは最初からわかり切っている。臨時だからと言って特に強調する事は無く(その旨の駅員による放送無し)、定期列車と同じ扱いなので”埋没”している。

 

 

↑豊橋方に313系2600番台N4編成+熱海方313系2500番台T6編成(後ろクモハ313-2506乗車)の6両。何ら変哲も無い編成だ。行き先幕は「臨時」で、車内放送も「臨時」であった。

 

 

↑3番線発車案内装置の表示はご覧の通り。「臨時」になっている以外通常時と全く同じである。特に”見応え”は無い。

 

 

↑車内はオールロングシート。「貸切」であった。前の方へ進めばパラパラと乗っているが、1両に10人も乗れば良い方だ。やはり予想通り。先発の451Мに客が流れているのは言うまでもない。花火に行くにはまだ早い時間帯だ。これが掛川(14時42分発)まで続く。掛川で30人(6両合計)程度乗って来る。だがそれは花火目的ではなく日常的な利用者で、偶然列車がやって来たので乗れたような人だらけ。ある意味この日はラッキーであった。

掛川駅ホームには警備員が4人、助役が2人、静岡支社からの応援が2人来ていた。気温33度晴れで蒸し暑く、暑い中の勤務とは大変ご苦労である。熱中症対策も必要で、水が入ったペットボトルは全員腰にぶら下げていた。

愛野駅には14時47分。花火のメイン会場の1つであるがまだ早い。客は少ない。既に警備員が8人警備中。周辺の駐車場(コンビニも含む)は既に封鎖。袋井駅との間に車窓から花火観覧会場(設営済み)が見えてくる。かなりデカい。関係者(警備員や主催者等)もかなり集まっている。客はまだである。

袋井駅には14時52分。やはり警備員が多く居る。下り本線3番線到着であったが、臨時ホーム(副本線・本来は旅客列車の入線は無い)4番線は封鎖中であった。帰り(21時以降)に使うのであろうか?

浜松14時55分発の臨時掛川行きとスライド。大垣から応援に来た313系0番台Y9編成4両であった。

今乗っている列車番号は当然知りたかった。これは先頭の運転席まで行き、運転士用時刻表CASTを見るしかない。「9421М」と言う事がわかった。以降の列車は9423М、9425М・・・というように順番通り割り当てられるようだ。

 

【静岡13時56分発臨時浜松行き9421Мは浜松駅到着後折り返し臨時袋井行きになる】

 
↑浜松駅には15時08分に2番線到着。このホームは本来上り列車が使う。下り本線からの入線も可能な配線である。プレスリリースの時刻表を見ていると15時15分発臨時袋井行きがあった。車両運用を考えれば9421Мの折り返しがこれになるのだろう…と思っていたら案の定そうだった。
 
 
↑313系の行き先幕は「袋井」になっていた。フルカラーLEDなので定期列車に存在しない行き先は変幻自在と言わんばかりに表示が可能である(但し事前に収録する必要がある)。これも「臨時」なので前面の種別表示はそれ。側面の行き先幕は9421Мもそうだったが単に「浜松」であった。行き先表示が変わっただけに過ぎない。
先頭の運転席(エンド交代なので乗車したのは行きの9421Мと同じくクモハ313-2506)に行きCASTを見ると列車番号は「9424М」となっていた。上りの場合は9422Мから始まり、これも順番通り9424М、9426Мと降って行く。
運転士も車両ごと折り返しのようで9421Мに引き続き乗務。車掌だけが浜松で交代となった。
 
 
↑御厨駅で445М(浜松から971М)豊橋行きとスライド(211系5000番台SS10編成)
 
 
↑袋井駅は上り副本線1番線(定期列車は入線しない)に入る。副本線は使用回数が少ないので夏草が生えている。15時33分の到着であった。
 

【1年に1回だけ利用出来る袋井駅1番線には臨時改札口も登場】

 
↑袋井駅1番線に止まる313系。9424Мは到着後回送になる。
 
 
↑回送は15時40分に発車。どうやら島田まで回送され16時05分発174М興津行き→興津16時55分着~17時06発785М浜松行き→浜松18時42分着~18時50分発776М静岡行き(いずれも定期列車)で運用されるらしい。
上り袋井行きの運用はこうしている事が多いらしい。一部は掛川・菊川・金谷まで回送し、折り返し回送で愛野へ持ってきて愛野から臨時浜松行きで運用と言う事もあるらしい。
 
 
↑1年に1回しか撮影出来ない場所から。袋井15時35分発771М浜松行きは313系300番台(大垣からの移籍車・2両・転換クロスシート)K11+K7+313系2300番台(2両・オールロングシート)W3編成の合計6両まさかの「ブツ6」であった。最近このような車両がそれなりに登場している。
 
 
↑貨物列車2079レ稲沢行き(EF210-304+コンテナ貨車20両程度)も撮れた
 
 
↑袋井駅1番線直結臨時改札口もあった。本来は階段を登り2階にある改札口を出場しコンコースを通り駅の外へ…であるが、それだけでは人がさばききれないのであろう。1番線下車(乗車)の場合はそのまま臨時改札口へ誘導される。恐らく花火の日だけのために簡易TOICA改札機も設置したようだ(常設ではないはず)。紙のきっぷの場合は駅員(恐らく周辺の直営駅から応援に来たと思うが)に手渡す。「休日乗り放題きっぷ」(青春18きっぷ)の場合は見せるだけで終わりだ。現金精算が必要な場合はレジスター完備の臨時精算所へ誘導される。
 
 
↑2階の正規の改札口へ行く。ここにも多くの駅員が案内している。オレンジのポロシャツを着た人もいたが恐らく静岡支社内勤者が応援に来たようだ。
「お帰りのきっぷを買うように」との案内が盛んに出ている。TOICAやSuica等のICカードならば「残額をご確認」である。静岡地区でもICカードはかなり普及しているが、花火大会の日はやはり紙のきっぷが多く売れる。つまりそれはICを持っていないという意味だが、恐らく普段は電車なんて乗らないのだろう。
 
 
↑15時58分発の臨時豊橋行き(列車番号不明)は大垣からの応援313系0番台Y9編成であった。
 
 
↑臨時掛川行きに乗る。プレスリリースには「袋井15:57」とあったが、愛野・掛川の時刻は未記載。発車案内装置には「臨時16:04掛川」(9426М)とあったのでこの列車の事だろう。特に意識することなく島ホーム2番線と3番線側に進んだが定期列車であればここで問題ない。だが花火大会の日は例外で「袋井行き」でなくても1番線に入る列車はある。313系2500番台T7編成を「編成」で撮影していた時にようやく気付く。発車案内装置見ているようで実はよく見ていない。
それにしてもこの列車やけに停車時間が長い。定刻で15時57分~16時04分まで7分も停車する。その理由は袋井駅1番線にあった。とにかく幅(通路)が狭いのだ。花火大会の客はまとまって下車(乗車)するので、臨時改札口付近に滞留する。停車時間を1~2分程度にしておくと、発車する際に触車事故の危険があるため、そのリスクは回避したい。JR東海にも当然経験則があり「何分でお客が全員1番線から居なくなる」と言う事がわかっているはずだ。それに基づいた停車時間の設定だろう。もちろん、定期列車や貨物列車が2番線を通らないタイミングにする(行きのピーク時である17~19時台はこの限りではない)ダイヤ設定もあろう。
この列車から大量に花火大会の客が下車。混雑が始まるのは16時頃からである。袋井駅で車内はがら空き…にはならず。客にも知恵があって「袋井で降りるよりは愛野で降りた方が良い」と言う考えだ。乗車すると案の定愛野で大量下車。残りの1区間(掛川まで)はがら空きだった。
 

【人道回廊が作られた愛野駅】

 
↑愛野駅で下車する。島式ホームだがかなり幅が広い。近くにエコパがあるのでイベント開催時の多客対策として最初から広く作っている。普段は近くの大学・工場・宿泊客(ビジネスホテルがある)・地元民の利用が主体であるが、何かイベントがある時には急激に混雑する。花火大会の時も混雑する。静岡・掛川方面から花火大会に来る場合は下車(乗車)駅となっている。16時頃は未実施であったが、17時頃からは上り列車の停止位置を静岡方にずらしている。逆に下り列車は浜松方にずらすようだ。そうする事でホーム上の特定の場所で「密」を避ける狙いがあるようだ。
 
 
↑改札口を出場する。ここにも多くのJR関係者が案内にあたる。スムーズに通すためか?自動改札機の1台は乗車専用として運用していた。「まさか」とは思ったが自動改札機の使い方を知らない客がどうも居るようで、それを案内する係員も居た。やはり普段の生活では電車には乗らない事がわかる。
改札口は3階にありコンコースは周囲の様子を見る事が出来る。真下を新幹線が通過する所も見える。しかし、掛川方を除き窓と言う窓はビニールシートで目張り。どうやらここから花火見物する人が居るようで、ここで滞留してもらうと困るため強制的に見れなくしているようだ。扇風機もあるのでここで少し涼む。
 
 
↑南口に降りる階段には踊り場があるがここも目張り。
 
 
↑エコパ側(南側)は目張りされていないので外の様子を見る事が出来る。ここから花火は見えないのだろう。16時頃から着々と進んでいたのは「人道回廊」を作る所。駅員が何人も集まり大きな台車から仕切り板を取り出して設置している。暑い中での作業なのでかなり大変だ。花火大会終了後は「人道回廊」に沿って帰宅客を並ばせてスムーズな乗降をさせたい狙い。だが多客なので実際に列車に乗車出来るまでは1~2時間は待たされそうな気がする。しかも暑いので個人的には花火見物には行きたいとは思わない。ネット中継もあるらしいので自宅のクーラーが付いた部屋から画面越しで見るだけも十分満足してしまう。
 

【大人の事情により設定された「新居町行き」】

 
↑愛野16時27分発9433М臨時新居町行きに乗る。浜松行きでも豊橋行きでもない事。中途半端に新居町までしか行かない。湖西市中心部の鷲津や天竜浜名湖鉄道との乗り換えが出来る新所原にも行かない。花火大会に来る客が乗るとしたらせいぜい愛野か袋井までで、しかも掛川発となれば相当利用は限らている…と思った。
 
 
↑愛野駅の列車接近放送は単に「臨時列車が到着します」だけであった。9426Мの折り返しであった。すると大量下車だった。掛川→愛野の1区間だけの乗車が非常に多く1両に立ち客がゆうに40人は居た。そんなに乗るのか😲
袋井駅でも花火大会に来る客が一定数下車。これで貸切同然に空くだろうと思ったが現実は甘くない。客は意外に減らない。袋井以西は花火見物とは無関係のはずだ。やはり「たまたま列車が来たので乗った」と言う地元客が圧倒的に多く、磐田、豊田町、天竜川と進むにつれてむしろ混雑してきた。
鉄道マニアも「新居町行き」と言うネタのため何人か乗っていたが、マナーが悪い。車内スピーカーに録音用のマイクをガムテープで固定し「新居町行き」と言う放送を録音する者が多数。雑音が入らないためにやっているのだろうが、公共の乗り物である。常識的に考えればそれは違法行為そのものである(やったからと言って逮捕や刑事責任を問われる事はほぼ皆無だが)。録音する事を邪魔してやろうかと思ったが(雑音を意図的に入れてやろうかと思ったが)、行き先が「新居町行き」となった以外文言の変更は一切無い。これがもしJR西日本ならば「詳しくはWESTERでご確認いただけます」で終わりであろう。言葉の言い回しは静岡行きや浜松行き等の”定番の行き先”と全く同じである。それを録音して何の意味があるんだ?と思ったが、やはりYouTubeにアップロードして「小遣い稼ぎ」したのか?
浜松には16時51分~16時52分の4番線でスグの発車だ。やはり浜松までの利用が主体で一斉に乗り替わる。「新居町行き」の珍しさに撮影する鉄道マニアも多数。だが乗らない。次発17時00分発5349F新快速米原行きに乗るようだ。
浜松発車後の車内放送は相変わらず「定番」。行き先が「新居町行き」になった以外特に変わりない。
 
 
↑新居町駅は下り副本線1番線到着だ。ここに定期列車が入る事は無いはずだ。輸送障害発生時に遅れを取り戻すため新居町~豊橋間は運休にして急きょ折り返す事がある程度だ(同様のやり方は東田子の浦、用宗、菊川でもある)。
 
 
↑新居町駅には17時08分に到着。すぐに乗り換え列車があるわけではない。結局は5349Fに乗り換えでしかも階段連絡である。車両は?と言えば17時20分発の回送であった。恐らく浜松まで回送させて、浜松17時42分発臨時袋井行きとして運用すると思われる。新居町→新居町も営業すれば良いと思ってしまうが、需要が無いのだろうか?
新居町行きが設定された理由は「大人の事情」と言う事がわかる。浜松行きにしてしまうと16時51分着→折り返し17時42分発臨時袋井行きまで約50分車両を置いておく必要がある。しかし、他の定期列車・臨時列車が線路を使うため置ける場所が無い。近隣駅で他に探してみると「新居町があるじゃないか‼」と言う結論になる。そのため車両を新居町まで移動させて、新居町で折り返せば、浜松に車両の置き場を探す(作る)必要が無くなる。往復回送でも良かったのであろうが、浜松→新居町は需要が見込めたと判断したのか?営業列車として運行し、帰りの新居町→浜松は需要が無いと判断したのか?回送としたと思われる。
 
 
↑17時16分発の5349F(313系5000番台Y114編成)が発車を待つ。下り本線を渡らないと上り本線には出る事が出来ないので、回送が発車する時間帯は下り列車が通らないことが条件である。
 
 
↑新居町駅は東海交通事業㈱の業務委託駅で概ね朝7時~夜19時までが有人管理のようだ。自動改札機(扉が出てこない簡易型)・自動券売機(1台のみ)あり。みどりの窓口ありだ。この駅も遠くないうちに「サポ化」(要するに無人駅・管理駅で改札口を遠隔操作で管理するので実質的には有人駅扱い・西小坂井駅や稲沢駅のようなパターン)されそうな気がする。
 
 
↑新居町駅近くではこの日「遠州新居手筒花火」が開催との事。これは初めて知った。新居町では夏の名物祭りだそうだ。それをイメージした噴水広場もあった。手筒花火を持っているが出てくるのは水。本当ならば火が出るが持っている人は火傷してしまうのでは?😨と不安に思ってしまう。素人考えだが。新居町駅としても会場までの簡易な案内は出していたものの、電車を使って来場する人は少ないようだ。新居町行きが設定された目的の1つだったのかもしれない。
なお新居町駅改札口は国道301号に面した南口のみで隣にはコンビニ(デイリーヤマザキ)がある。北口は浜名湖競艇直結の改札口があるものの、ここが開くのは競艇開催日だけだという。
 

【18時頃になると花火見物客で混雑する】

 
↑新居町17時42分発992М掛川行き(313系0番台Y4編成・クモハ313-4)に乗る。立ち客で相当混雑。1両に50人は立っている。日常的な利用者が主体と思われるが豊橋(愛知県内)からふくろい遠州の花火に行く客も一定数含まれる。必ずしも新幹線で掛川まで行き、掛川で折り返して愛野とはならないようだ。
18時頃の浜松駅は定期列車+臨時列車で概ね5分に1本の割合で運転。しかし15時45分頃静岡県中部(主に静岡市や焼津市)で大規模停電が発生。中部電力の施設に落雷があったため。新幹線や東海道線が15分程度停電のため運転見合わせになった。その結果10分程度の遅れが慢性的に発生となった。
992Мは高塚までは定刻で発車したが、先発の列車が遅れていた事や静岡から来る折り返し列車の遅れもあり、なかなかホームに入れない。本線上で停車する。結局定刻より5分遅れで到着。お客は一定数乗り替わるが、下車客以上に乗車客が居た。明らかにホームは混雑している。車内放送は「手荷物は棚の上に」とあったのでこれは混雑している証拠である。それでも乗車に手間取る事は無く6分遅れで発車。案の定袋井駅と愛野駅で大量下車し掛川には8分遅れの18時34分に到着した。
 

【掛川駅で車両編成記録・最後の「211系新居町行き」】

 
↑掛川駅1番線から天竜浜名湖鉄道に乗り換え出来る改札口は16時から閉鎖であった。これも花火大会対策で混雑を避けるためである。そのためJR正規改札口(北口)を通り天浜線正面駅舎前から出入りするしかない。
 
 
↑18時44分発144レ新所原行きはTH2109、6月30日から運転開始のゆるキャン△列車であった。新作仕様で大井川鐡道もこのラッピング列車には登場している。天浜線も花火大会臨時列車はあったらしいが、それは主に帰りの列車(21~22時)だったらしく、それ以外の列車は定期列車のみであった。基本的に単行なので多客が見込めると判断した場合は2両運転となる。近年そういう実績は少なくなっているが。
 
 
↑992Мは折り返し18時40分発989М豊橋行きになる。停電の影響や花火大会多客のため5~10分程度の遅れが続いていた。18時34分発787М浜松行き(211系SS6編成+313系T1編成の6両)が9分遅れで発車したため、これを追いかける形となり都合5分遅れであった。
 
 
↑18時35分発492М熱海行き(13分遅れ)は所定4両運転だがこの日は6両に増結。車両は313系300番台K5編成+313系2300番台W1編成+211系5000番台GG7編成と見事にバラバラな出自を持つ編成だった。定期列車は基本的に4両運転に対して行われるもので、これが6両運転が8両や9両になる事は今は無い(昔はあったらしい)。ただ臨時列車で大垣のY0番台かJ0番台編成を2本借りて併結運転すればそれはそれで8両が完成する。現実にはあり得ても良さそうだが、今回見た範囲ではそれはなかった。
 
 
↑18時47分発94××М臨時新居町行きは473М島田行き(定期列車)の延長運転である。前から211系SS9編成(クハ210-5046以下3両)+313系8000番台S5編成であった。211系最後の新居町行きである。もう1本ある「臨時新居町行き」に乗ろうかとも思ったが、新居町行き到着後は車両は浜松に回送になるだろうし、9426Мとは大きな変化もないと思い乗車せず。しかし「211系の新居町行き」である。これは”乗車記録としてコンプリート”しておけばと良かったと発車後後悔した。
 
 
↑18時52分通過の回94××М・313系1300番台L6編成+313系2600番台N8編成の5両
これは御殿場線からの応援だ。主に浜松~袋井の臨時列車主体の運用であった。この後どこへ行くのかは不明である。必ずしも静岡や沼津に戻るとは限らず(花火大会輸送は21時~24時が本番なので19時前に帰る事は考えにくいが)金谷の中線に入って折り返し愛野まで回送し、愛野から臨時列車として運用も考えられるが?
 
 
↑18時52分発774М興津行き(5分遅れ)315系3000番台U3編成+313系300番台K9編成の6両。この編成の組み合わせは6月3日以降当たり前のように存在する。熱海方にU編成、豊橋方にK編成を連結する運用で、主に「大運転」(列車番号400番台)が多い。本来ならば2番線に入るがこの日は1番線に入る。特に2番線に列車があるわけではない。こういう臨時の発車番線変更は「よくある話」だ。
 
 
↑19時02分着の回94××М掛川行き・折り返し回94××М××行きになる。313系0番台大垣Y15編成の4両。これも大垣からの応援車であるが、浜松→袋井で臨時列車として客扱いを行ったのは確か。これが何時何分運行の列車なのかはわからない。恐らくこの後も臨時列車として何本か運用されたのであろう。
 
花火大会そのものはこれからであるが、これで撤収した。花火を見る事よりも車両運用や臨時列車の状況を見る事が最重視であったためである。「ふくろい遠州の花火」は別に現場で生で見なくても良くて、後日YouTubeやブログ等で見ても個人的には問題ない。
静岡県内JRとしてはかなり大規模な臨時列車の輸送体制を見る事が出来た。
 

 

静岡鉄道(静鉄)1000形は1973年に運行開始した。以後半世紀にわたり「静岡の顔」であった。2016年から後継車両A3000形の導入が始まると毎年1~2編成ずつ引退が始まった。ほとんどの車両は廃車解体となったが、1009編成と1012編成は熊本電気鉄道、1010編成はえちぜん鉄道にそれぞれ転属し今でも元気で走っている。

車両の引退は他社でも言えるが必ずしも1番から始まるわけではない。終わりが最終番号(1000形の場合1012編成)とも限らない。この辺は全般検査の期限切れ時期の兼ね合いや固有の状態(故障の有無等)によって前後する事が多い。

結果的には1976年製の1008編成が最後まで残った。その理由についてはやはり検査切れとの事。同編成は2024年7月だという。検査を通せば(自動車で言う車検を行えば)引き続き運行する事は可能であるが、老朽化している事に加え、A3000形の導入状況、移動円滑化計画によりバリアフリー対応が出来ていない旧型車両(1000形)の取り換えを2024年度中に完了させると表明した事もあった。

1008編成の最終運転日は6月30日に決まったがその理由も「キリの良い日だったから」とのこと。「歴史的な日」ともなる2024年6月30日に静鉄1000形最終運転日に乗ってみた。

 

【静鉄電車ワンデーパス1008号引退記念乗車券】

 

↑朝6時過ぎの新静岡駅と新静岡セノバ。流石にこの時間では人は少ない。駅施設やバスターミナルそのものは運行中(6時~24時)は立入可能だが、セノバの営業時間は概ね10時~20時なのでテナント店のシャッターは閉まっている。

「静鉄電車ワンデーパス」(一日乗車券・700円)は券売機でも買う事は可能だが、そこには寄らず改札口へ。

 

 

↑この日だけ販売の「静鉄電車ワンデーパス1008号引退記念乗車券」(700円)を買う。ポストカードも付いて来る。新静岡駅、新清水駅と物販会場である長沼車庫(13時30分から開催)で販売された。新静岡駅販売分に関しては先着200枚限定だったらしく、10時30分には完売した。この乗車券を自動改札機に投入すると穴が開けられなかった。通常販売の「静鉄電車ワンデーパス」では穴が開けられる。どうやら買った客がコレクションとして保存する事を配慮しての特別対応か?

新静岡6時15分発602列車(クハA3503)に乗って長沼へ向かう。

 

【1008編成最終運転日は朝6時45分~13時19分までは一般定期列車で運行】

 

↑最終運転日は長沼朝6時45分発651列車新清水行きから新静岡13時19分着1216列車まで一般定期列車で運行した。乗車券だけで誰でも乗車出来た。長沼には6時22分に到着したが、1008編成は既に3番線ホームに入線済み。早朝なので空いている・・・かと思ったが既に50人前後の鉄道マニアが集結。やはり考えている事は同じ。

「早朝が狙い」なのか?車内を撮影する者が圧倒的に多い。それはそうだ。昼にかけて混雑するのは”並み以上の鉄道マニア”であれば、そんな事は経験上わかっている。外観(編成写真・形式写真・ヘッドマーク等)は別のタイミングでも撮影出来る。

 

 

↑車内はこんな感じ。静鉄関係者が撮影した1000形の過去の写真がたっぷりとある。スカート(連結器付近に取り付ける横長の板)が無い時代(2007年以前)の写真もある。もうこれは貴重だ。私も探してみたが意外と見当たらない。1000形の写真は全て「スカートあり」となっている。

1000形が1編成でも引退する時、いつも過去の1000形の写真の展示会が行われるのが通例だった。同時に「ありがとう10××号」「ありがとう15××号」のHMも付けた。全編成に対してここまで惜別を行うのはJR・大手私鉄では今やほぼあり得なくなっている。JR東海211系(静岡所属)のようにある日突然廃車回送(引退)が行われる。しかも間髪入れずに行われるため、運用離脱から数日以内(早いと3日程度)でひっそりと消えている。「猶予期間」は無いのだ。これがフツーであるが、静鉄のような車両数が少ない地方私鉄ではその逆で、1編成ずつが「自社の看板車両」でもあった事から、1編成ずつに対して惜別を行う事が多い。

 

 

↑クモハ1008の運転台には花が置いてある。「48年間安全に運んでくれて本当にありがとうこざいます」のメッセージが添えてある。だが客室側からは見えなかった。

 

 

↑クハ1508の運転台も同様である。

 

 

↑長沼発車前だったのでクハ1508の運転台も記録しておく。T字ワンハンドルマスコンは1970年代当時相当画期的で、50年前の車両とは思えぬほど「最新のもの」である。運転席も昭和年間の車両は「狭苦しい」ものが多い中、1000形は作業性を考慮してから当時としては広く作っている。スイッチ類も複雑に配置されている車両も多い中で、1000形はなるべくシンプルとなっている事は特筆すべき点である。これはA3000形にも受け継がれている。

 

651列車は6時45分に定刻で長沼を発車。主に静岡市清水区内の利用のみを扱う利用実態だ。本来ならば客は少ないはずだが、この日は鉄道マニア(乗り鉄・撮り鉄)で溢れているのは言うまでもない。やはり前面展望動画撮影者がゆうに10人近くクハ1508の先頭付近に集結する。一般定期列車なので「鉄道マニア専用」というわけではない。日常的な利用者が途中駅から乗って来ることも当然のことながらある。そうした人たちにとってはこの混雑は「異常」に見えたに違いない。そもそも1000形と言う車両名すら知らないだろうし、今日が最終運転日なんて知らない(HMにそう書いてあったとしても)。「何があったんだ?!」となって然りで、それを得意げに説明する鉄道マニアが1人、2人ではなかった。むしろ「祭り騒ぎ」なのでそれを知らない人に積極的に説明したがるのが鉄道マニアの「性」である。これは古今東西言える事だ。

651列車は本来ならば送り込みである長沼→新清水は回送でも良い。だが回送は利益を生まない。悪く言えば無駄同然。静鉄に限った事ではないが回送はなるべく走らせたくない。「利用は少ないが利益(収益)を1円も生まない列車を走らせるよりはマシ」と言う意味で、こういう列車は他社でも一定数存在する。もちろんそういう性格の列車の利用動向はわかり切っているし、乗り鉄や撮り鉄がやりやすい「穴場スポット的な存在」と言う事は、やはり”並み以上の鉄道マニア”にはわかっている。そういう人が多く集まったため長沼朝6時45分発の列車が混雑したのだ。これが平時ならば立ち客が出ても”たかが知れている程度”であろう。

651列車は新清水7時01分着であるが、以降は下記のように運行された。

 

新静岡ーーーーーーーーーー新清水

7時33分←704レ←7時10分

7時40分→709レ→8時03分

8時33分←804レ←8時10分

8時44分→811レ→9時07分

9時35分←904レ←9時12分

9時40分→911レ→10時03分

10時31分←1004レ←10時08分

10時36分→1009レ→10時59分

11時27分←1102レ←11時04分

11時32分→1109レ→11時55分

12時23分←1202レ←12時00分

12時28分→1207レ→12時51分

13時19分←1216レ←12時56分

 

新静岡ーーーーーーーーーーーーーーー長沼車庫

14時00分→臨時急行7401レ→14時07分

 

静鉄電車の基本的な車両運用の通りである。すなわち新静岡~新清水間をひたすら何往復もする。新静岡駅や新清水駅での折り返し時間は概ね5~10分程度である。これを終日繰り返す。乗務員交代は長沼駅で行い1往復~2往復程度の乗務となる。

定期列車14本全列車・全区間乗車する計画を立てた。トイレや一服は新静岡駅か新清水駅折り返しのタイミングで行う事にした。これは”上級者向けの乗り鉄”と言っておく。

 

【14本中11本乗車する事が出来た】

 

 

↑651列車から1000形最終運転日の定期列車乗車を開始。約6時間休憩なしで乗車を続けるのは正直言って相当過酷である。これは「ノルマ」と言うよりも「1000形最終運転日定期列車全部に乗るというコンプリート精神」そのものであった。

各列車の描写を行うと非常に長くなるので省略するが、8時、9時、10時となると混雑する。やはり予想通り。

「猛者」(私もだが)と言うべき乗り鉄が10人単位で平気で居た。やはり考えている事は同じ。段々と似たような顔ぶれだけとなってくる。当然「静鉄電車ワンデーパス」で乗車しているのだろう。その都度改札口を出場する必要は無い。定価運賃(新静岡~新清水片道350円)で乗ろうものならばその都度出場となる。SuicaやTOICA等のICカードも使えるのでタッチするだけで済むが、14本の列車に乗れば350円×14本=4,900円となる。悪く言えば700円のきっぷで何往復もしているので、3,800円分の支払いは逃れている事になる。これはフリーきっぷの特徴でもあるし、別に違法な乗り方ではない。むしろ定価運賃で何往復もする者なんていないし、静鉄だって「静鉄電車ワンデーパス」と言う商品をたくさん売りたいのが本音だ。「静鉄電車ワンデーパス1008号引退記念」は6月30日しか使えないので、その分を当日中に全て売り切らないと商売としてはつまらない。実際には1000形最終運転日なので普段よりも乗車客は多かったし、7401列車は3,000円も払わないと乗れなかった(セブンチケット限定販売・即日完売との事・お土産付き)。長沼車庫で物販も行ったので、静鉄への収益はこの日に限れば普段の日よりも段違いに多かったはずだ。

「鉄道業界の裏事情」を知ってしまうとこういう事を気にしてしまう。やはり私は”並みの鉄道マニア”ではないのだと思った。

 

811列車から急に混雑する。鉄道マニアではない。高校生だ。この日草薙球場で夏の高校野球静岡県大会の開会式が10時から行われるため、それに向かう人たちだった。主に静岡市内の高校生の利用が多く、市外の学校からは観光バスや親の自動車で直接来ていた。開会式に参加する人全体で見れば、静鉄利用は比較的少なかったのかもしれないが、それでも1両に30~40人は立ち客が出る。これが904列車や911列車ではさらに拍車をかける事になる。

開会式中(10時~11時)になると1000形狙いの鉄道マニア・一般客が急増した。1004列車では長沼発車時点でクモハ1008に約100人、クハ1508に約70人乗った。立ち客でいっぱいだ。若干であるが遅れも発生。新静岡には10時33分着(2分遅れ)。かなりの人数の撮影者が来ている。カオスである。

1009列車に乗るが新静岡発車時点で200人は乗っていた。そうなると車内は暑くなりがちだ。1008編成にもクーラーはあるが利きが悪い。何か生温い。1000形のクーラーは夏場利きが悪かったという。A3000形導入後はなるべく夏場の運用(特に昼間)は極力避けていたという。逆にA3000形は寒いくらいにクーラーが利く…という話を思い出した。

 

 

↑11時01分着(2分遅れ)の新清水駅で以降の乗車を諦める。暑さに負けた。撮影者が殺到するのは言うまでもないが、それでもモミクチャにされるほどではない。

 

 

↑1102列車発車直前ともなれば誰も居なくなった。皆乗車したのだ。それでも沿線では撮影者がチラホラいる。

 

 

↑クーラーが利くA3000形(新清水11時12分発1104列車・クモハA3004)に乗車する。やはり寒いほどだ。汗はすぐに消えてしまう。「冷房室」と称しておく。

 

【暑いので乗車は諦め駅で1000形1008編成撮影】

 

↑1109列車・長沼にて

 

 

↑1202列車・県総合運動場にて・クハ1508の床下も撮影

 

【最後の新清水駅発着列車に乗る】

 

↑長沼12時35分発1207列車に乗車する。13時30分からの長沼車庫での物販会場も準備が始まっていたが、既に「入り待ち」が約15人居た。これに驚いたが7401列車の事よりは物販購入を重視していた人も一定数居るとは思いもしなかった。

これが「新清水行き最後の1000形」だ。2両で約200人は乗っている。途中駅からでは当然座れないが、乗れないほどの混雑ではない。乗ろうと思えば乗れるし、もちろん途中駅での下車も一定数あった。

至って淡々と走る1008編成。飾った事は何もしない。これがフツーだ。最後まで決まった仕事をキッチリこなす。昭和のいぶし銀の電車だ。まさに「働く車両」の姿を最後まで見せてくれた。車内放送も至って普段通り。

「半世紀にわたりご愛顧いただきありがとうございました‼」

と言うような放送もない。今や車両のラストランで惜別放送自体が少なくなった。一部の鉄道マニアの間で賛否が分かれるが、やったとしてもそれは単に”演出”とか”セレモニー”に過ぎない。単に特定の車両の廃止に過ぎず、路線の廃止(つまり地図から消える)とは意味が全く違ってくる。

新清水には12時55分着(4分遅れ)。すぐに1216列車として発車しないといけない。人が入れ替わりとなるが先頭クモハ1008の前面展望は大人気である。やはりこの動画をYouTubeにアップして”小遣い稼ぎ”が目的なのだろうか。

 

1216列車は12時57分で発車。1分遅れで発車できたのは正直言って奇跡であった。こんなに混雑ならば乗務員のエンド交代も容易ではないし、逆転レバーの操作等諸々の作業も考えれば、極めて短時間での対応であった。2両で200人程度は乗車している。途中駅の乗車が難しくなってきた。御門台で10人、県総合運動場では20人前後積み残しが発生する。とは言ってもこれだけの混雑は1216列車だけだし、1本後にした所で到着が8分前後遅れるだけで済む。13時15分到着の長沼では30人以上下車した。必ずしも全区間乗車ではない。やはり物販会場へ行くのが目的だ。「開けてください!降りる人がいます!」との声も車内のあちらこちらから飛んできた。これは静鉄関係者なのか、一部の鉄道マニアが発したのかはわからない。いずれにせよ、それは良い声掛けである。

新静岡駅には13時23分(4分遅れ)で到着した。これで1000形の定期列車の運行は終了した。もうこれ以上は誰でも自由に乗れる車両ではなくなった。新静岡駅は2番線(中線)に到着。ここに14時00分まで止めておく。この間1番線入線は皆無で、3番線だけ(本来は使用頻度が少ないホーム)で定期列車の運行を行うという異例の対応であった。

 

【新静岡駅で社長挨拶】

 

↑新静岡駅に到着するともうこんな感じである。中央にロープが敷かれ「下車側」と「乗車側」で分けてある。そうでもしないと人の流れをコントロール出来ない。

 

 

↑2番線に止まる1008編成

 

 

↑1番線側では13時30分から式典が行われた。静岡鉄道株式会社川井代表取締役社長による挨拶であった。社長が登場するほどの大規模行事であった。これがJRや大手私鉄では自社の命運をかけた新型車両一番列車出発式でもない限り登場しない事が多く、引退列車で登場するのは極稀である。やはり1000形への想いは非常に強いものが感じられ、社長の挨拶も力が入っていた。

 

【1000形1008編成引退列車は「終」「急」のマークが付く】

 

↑7401列車には「終」「急」のマークが付いた。京阪3000系(初代・当時は8000系30番台)の時もこの手のマークは付いたと思い出す。

「終」

と思ってしまう。非常に説得力があるマークだ。寂しい所はない。「これで終わりなんだな」と思ってしまった。たくましい。ほとんどの車両は「終」と言うマークは付けさせてもらえないし、何の予告なくひっそりと消えるのが通例だ。「終」のマークを付けて最後に走らせてくれるのは幸せ者である。

 

 

↑3番線側から2番線を見ると立入禁止ロープが出ている。元々から立入禁止(乗車出来ない)なのであるが、引退列車何があるかわからない。ここから無理矢理乗ろうとする者(ドアが開かないので物理的に乗れないが)、触車しそうな場所から撮影する迷惑な撮り鉄が居てもおかしくない。こうでもしないと人が入って来る。この辺にガッツリと警察官や警備員が居るわけではないが、そもそも物々しいので、立入禁止を無視してでも乗車・撮影を試みる不届き者は流石にいなかった。これが東京のど真ん中で同様の事をやったらそういう者が居てもおかしくない昨今でもある。

 

 

↑発車案内装置は「臨時急行 長沼車庫」と出している。フツーは「団体」とか「臨時」とか「貸切」でボカすが、ちゃんと表示が出ていたのは良かった。まぁ液晶画面なので容易で表示可能が出来てしまうが。

 

 

↑久しぶりに見た「急行」の側面表示。引退列車でこれが見られるとは思いもしなかった。フツーに考えれば「急行」なので表示して当然なのであるが。

新静岡駅の新清水方ホームの端は2番線側は出発式のため関係者以外は立入禁止。一般客は3番線側のそこからとなるが、細長いそこにはやはり撮影者が殺到。これでは無理だ。新静岡~日吉町間の沿線にも多くの人がカメラを構える。必ずしも鉄道マニアではない。

とりあえず13時56分発1315列車に乗る。長沼までのどこかの駅で下車と考えていたが、直前までは決めない。ホーム撮影になるがそれで良い。だが日吉町や音羽町は既に撮り鉄が集結している。こういう所は避けたい。結局選んだのは

 

【柚木駅で引退列車7401列車臨時急行長沼車庫行きを撮影】

 

 

↑最後は静かに走っていた。

 

【40分待ちの長沼車庫物販会場・1000形(たぶん)最後の撮影会】

 

↑長沼車庫では13時30分~16時30分まで物販が行われた。主に1000形関連の記念グッズの販売、ファーストフード等の飲食販売もあった。物販会場の行列に並ぶ。ナント40分待ちであった。

 

 

↑そこで何が何でも購入したかったのがこれ。1000形登場当時(1973年)の復刻カタログ。1500円であった。そんなに冊数ないだろうと思って完売しないか心配したが、ある程度在庫が減ると50冊(または100冊)単位でドサッと追加される。もちろんよく売れる。難なく購入出来て一安心。もし完売したら「業界関係者のコネでもらう…」と甘い考えもあるにはあった。この日以降、新静岡駅等でも販売されており、静鉄グッズの1つにラインナップされている。

 

 

↑15分毎に行き先幕・マーク(副票)が変わる。これを狙うために撮影者がざっと100人前後クモハ1008の前に屯した。車内は休憩室として開放されていたので、クーラーの前の席に座る。そんなに人が乗っていないので車内が暑いとは感じなかった。団扇をパタパタ扇げば十分涼しい。人が多くなると涼しくすることが大変になるようだ。別に故障したクーラーではない。元々の性能が「こんなもん」と言った所だ。

 

 

↑「おれんじ賞」のマークが見られたのも(たぶん)これが最後だと思う。

 

 

↑クモハ1008の運転席の様子。16時過ぎても撮影者が減る事は無い。

 

朝から休みなく動いていたので、16時過ぎには帰る事にした。1000形(1008編成)の写真は今までたくさん撮ったし、最後の最後までコマ稼ぎしようとは思わず。正直暑さに負けていた。体力的な問題であった。行き先幕とマークはどの時間にどれが出ると案内があったので、それを撮っておくだけで終わりにした。1000形の行き先幕は全種類見た事があるので、別に最後にやらなくても…と思ったのが甘かった。

17時過ぎに知ったのであるが、最後は予告していないものが出た。行き先幕は「ありがとう」であった。

 

 

↑こう言うようなものであった。まさかのサプライズだった。最後まで居れば良かったと後悔した。なおこれは7月に入ってから撮影したもので、8月になっても長沼駅ホームの見える場所に止まっている。果たしていつまでこうしておくのか?決して長くは無いと思う。1008編成と1011編成は長沼車庫に止めたままとなっているが、今後の処遇は決まっていない。他社で譲渡か、どこかで保存か、それとも解体か。もう静鉄1000形は「完全に過去の車両」となってしまった一コマだ。

 

 

【スマホ電車EV-E301系ACCUM・今回は車窓だけで我慢】夏の新名物!烏山線のひまわり畑

 

本線から分岐する非電化路線のうち30キロ程度までであれば「スマホ電車」に置き換える動きがある。正確には「蓄電池車両」と言うが、架線がある区間で充電しながら走行し、非電化区間に入る駅でパンタグラフを降ろした上で、充電した電池(バッテリー)のみで走行するというものだ。JR東日本やJR九州は自社でその手の車両を開発し、栃木県の烏山線にはEV-E301系、福岡県の若松線・香椎線ではBEC819系、秋田県の男鹿線にはEV-E801系(BEC819系の交流電化・寒冷地仕様に改良した車両)がある。技術的にも評価されており、EV-E301系は2015年にローレル賞、BEC819系は2017年にブルーリボン賞を受賞している事がその実力を証明する。

烏山線は久しぶりだったので(それでもEV-E301系の乗車経験はあるが)青春18きっぷで乗った。「夏だからこそ烏山線に乗ってほしい」ものが発見出来た。

2023年8月19日(土)乗車

 

【宇都宮駅以北の宇都宮線はE131系600番台だが3両しかないので混雑しやすい】

 
↑青春18きっぷで非課金(特急や新幹線には乗らない、但しグリーン車自由席や普通車指定席は除く)を貫き通すので、宇都宮まではもちろん普通列車。熱海8時10分→宇都宮12時01分の1568Eに4時間乗り通した。全区間グリーン車であったが、「ええ席」であっても乗車時間が長ければ体力的にはしんどい。車両はE233系3000番台(小山U626編成・4号車サロE232-3026)であったが、E231系1000番台と共通運用だしグリーン車に関しては車内の差異はほぼない。「どちらでもええ」と思っているので、特に車両に対するこだわりはなくなっている。上野東京ライン系統に関しては。
大宮を発車すれば首都圏のJR線とは思えぬほど閑散とした雰囲気になる。これは東武日光線東武動物公園以北とも似たような感じだ。小山以北は半自動ドア扱いとなるのも東海道とは違う所。宇都宮に到着すると乗ってきたE233系は12時12分発1573E上野東京ライン平塚行きとして折り返す。1568Eになる前は729М(東京6時10分→熱海7時59分)なので1日での走行距離も結構長い。それでも平均すれば700キロ前後とされるが。
 
 
↑宇都宮駅で運行系統は分断されている。またぐ場合(宇都宮以北に行きたい場合)原則乗り換えとなる。編成も10両や15両が当たり前だったのが急に3両になる。そのため混む。しかもE131系600番台(2022年3月から運行開始)になってからはワンマン運転となった(都市型ワンマンのため全駅全ドア開く。運賃精算は駅で行う。無人駅も多いので無人駅間の乗車は信用乗車方式となる)。以前あった205系600番台(4両)から1両減車なので「いつ乗っても混んでいる」と言う印象が増した。
JR東日本が言うには「理論上は全員乗れる」としているが(仙台でE721系0番台が投入された時もそう言っていた)、実際には客は座席中央まで詰め込まないし(ドア付近に固まるのは全国どこでもある)、本数も少ないし(1時間にあっても2本が良い所)、途中駅の乗り降りは苦労するので、結果として積み残しが発生し、地元客からの評判は非常に悪い。
12時20分発653М黒磯行きはもちろん3両ワンマンでやはり立ち客が多く出ていた。先が思いやられる。
 
 
↑宇都宮地区のE131系は3両15本しかないが、正午過ぎの宇都宮駅構内には少なくても3本が昼寝中。日々の運用は13~14程度だろうから、利用状況を考えればこれが妥当な配置両数か。この状況からすれば車両不足とは言えぬ。
 
 
↑なぜかE531系3000番台(5両・勝田K554編成)も止まっていた。東北本線(宇都宮線)小山~黒磯では営業運転なし(回送で運転)。東北本線では黒磯~新白河のみの営業運転だ。その理由が黒磯駅構内完全直流化に伴い福島・仙台方面に行く車両は交直流電車か気動車しか入線出来なくなったため。デッドセクションは本来黒磯駅ホーム上にあったが、電気系統が複雑で感電事故も起きたので、それを仙台方の本線上に移したのだ。
東北本部管内(旧仙台支社)にはそもそも交直流電車なんかないので、わざわざ水戸支社(正確には車両の管理は首都圏本部)から借りているのだ。送り込み(または送り返し)となる水戸線では営業運転するが、宇都宮線では回送扱い。これがもったいない。間合い運用で営業列車にして5両ならば混雑緩和を図れるのだが。
 

【宇都宮駅から烏山線直通のEV-E301系ACCUMに乗る】

 
 
↑見慣れない顔の車両が来た。これが烏山線EV-E301系ACCUMだ。車両運用としては12時27分着の332Мの折り返しとなる。電化区間なのでもちろんパンタグラフを上昇させて架線から給電した上で走っている。
 
 
↑烏山線開業100周年のヘッドマーク。過去の車両とACCUMが肩を並べる。非電化なのに気動車→電車への進化は凄まじい。
 
 
↑1号車のEV-E300-1に乗る。2015年に鉄道友の会ローレル賞を受賞している。JR東日本の車両はブルーリボン賞・ローレル賞受賞の車両が多いが、同社の場合車内に記念マークが付いている事例は意外に少ない。
 
 
↑EV-E300形(1号車・宇都宮方)とEV-E301形(2号車・烏山方)はいずれも制御電動車であるが「クモハ」と言う方式は与えられていない。
 
 
↑運転席はE231系などと大して変わらない。ワンマン運転を行う車両であるが、E131系600番台のようにホーム監視画面は非搭載である。この車両もそう遠くないうちに改造で設置そうな気がする。
 
 
↑エネルギーフロー(電気の流れ)も表示している。ハイブリッド車・蓄電池車ではそれをアピールするためこの表示がある。
宇都宮線内は通常の電気(電車)運転。岡本駅と宝積寺駅は全ての車両のドアが開くが、烏山線に入ると終点の烏山駅以外は1両目のドアしか開かない。通常のワンマン運転の方式である。運賃・きっぷは運転士後ろの運賃箱へ。首都圏近郊区間でありながらも、久留里線と同様にSuica等の交通系ICカードは使えない。
 

【電車がパンタグラフを落として走行する】

 
↑宝積寺駅に到着。配線上は下り本線1番線→上り本線2番線をまたぐ必要がある。そのため2番線に宇都宮行き列車がある場合宝積寺駅手前で止められるか、逆に宝積寺駅2番線停車中の列車が発車出来ない。烏山線ホームが3番線で基本的にはここからの発着となる。12時46分着の12時48分発と宇都宮直通列車は最低でも2分止まるダイヤが組まれている。
 
 
↑その間にEV-E301系のパンタグラフが降ろされた。降ろす作業自体は簡単で運転士が「パンタ下」と言うボタンを押すだけだ。「電車」なのでこの時点で架線から電気の供給は受けていない。走る事は出来ないし、ドアも開かなければエアコン(クーラー)も動かないはずだ。
だがEV-E301系はバッテリーを搭載している。架線区間でバッテリーを充電しておき(80%充電で満タンと扱っている・これを100%充電としてしまうとバッテリーの寿命が短くなるため・概ね8年程度(2度目の全般検査)で交換する)、パンタグラフを降ろした後はバッテリーの電気だけで動かす。これが最大の特徴である。
宝積寺駅を発車するとすぐに架線は尽きる。完全に非電化区間だ。本来ならば気動車しか入線出来ない線区だ。そこに電車が入線するとはなんとも不思議な感じがする。下野花岡、新井田、鴻野山と停車するが幹線の面影は全くなく、いきなりローカル線に入ってしまった。宇都宮線が毎時2本程度列車があるのに対して、烏山線は2時間に1本程度。それでも座席がほぼ埋まる程度は乗っているので、需要に合致した本数なのであった。
 

【金運アップ・商売繫盛のパワースポット「大金神社」が駅舎の真横にある大金駅】

 
 
↑大金駅で下車する。烏山線内では唯一列車交換が可能だ。気温32度、湿度60%と暑い。相対式ホームであるが長さは3両程度(気動車時代は4両も入線していたと思った)だがACCUMになってからは2両以外の列車はやってこない。そうであれば長くホームを確保しておく必要もない。
 
 
↑文字の通り”大金”である。金運アップなるか?
大黒天は商売繁盛の神。その姿は頭巾をかぶり左肩には大きな袋を背負い右手に打ち出の小槌を持つ。
大金駅の東側を流れる荒川沿いにある南那須運動場には橋長97mの人道橋があり、橋の端部には展望台があります。
付近の荒川の河岸段丘では約1500万年前のクジラの骨が1978年に発見され、宇都宮市にある栃木県立博物館で見る事ができます。
 
駅の看板より
「烏山線七福神」ももちろん商売繫盛の神である大黒天が目印だ。烏山線の乗り歩き(乗り鉄)となれば毎回必ず訪問する駅であったが、正直なところパワースポットなるものはなかった。GoogleMaps等で細かく調べれば発見できるのかもしれないが、以前私の足で稼いだ範囲(現地調査)による。とは言え「大金駅」。何か金目の物がないか?と思ってしまう。
 
 
↑一応は「大金神社」があった。駅舎の真横だ。JR東日本宇都宮地区(今の宇都宮統括センター)の社員が建立したとのこと。平成5年1月とあるので30年近くある。京都の世界遺産仏閣とは比較にはならないものの、それでも30年は歴史がある。烏山線の乗り歩き(乗り鉄)では「金運アップ」「商売繫盛」を願って手を合わせるのも良いだろう。もちろんそれを願って参拝したのは言うまでもない。但し神社だけで、おみくじ、御朱印があるわけではない。
 
 
↑大金駅自体は無人駅で、小さな駅舎と数人分の待合室あり。エアコン(クーラー)は無いので夏は暑く、冬は寒いというローカル線ではあるあるの駅舎だ。烏山線は2023年で開業100周年。地元の高校生が描いたポスターもあった。烏山線は地元の人から愛されている路線だと感じる。
 

【宝積寺駅はもはやアート作品】

 
↑大金駅からは13時52分発334М宇都宮行きに乗る。331Мの折り返し列車である。外は暑すぎるような天気であったが逆に車内はクーラーがききすぎており寒いほどであった。途中駅からも乗り降りが多いため、ローカル線あるあるだが前の車両が混む。
 
 
↑宝積寺駅で下車する。宇都宮線内は充電しながら走るので当然のことながらパンタグラフは上昇していた。
 
 
↑これが宝積寺駅の説明であるが駅舎は建築家の隈研吾氏のデザインで2008年3月に建設されたという。
 
 
↑これがその駅舎。もはやアート作品だ。じっくりと駅舎を見るだけでも楽しい。宝積寺駅の営業形態は直営(有人駅・運転扱いがあるので輸送員が居る・宇都宮統括センター)である。今時珍しく有人のみどりの窓口(9時00分~17時00分)があり、指定席自動券売機(「話せる」ではないタイプ)もある。何故宝積寺駅にはみどりの窓口が残っているのか?それが疑問であったが、近隣の宇都宮線の多くの駅はみどりの窓口が消えている。自動改札機は無くて簡易型ICカード改札機があるのみだ。
 
 
↑改札口前にはEV-E301系の模型もあった。宝積寺駅は結構見所が多い。
 

【夏の新名物!烏山線のひまわり畑🌻】

 
↑宝積寺駅のポスター。烏山線100周年と地元の高校が描いた作品だ。
「小塙駅~滝駅間のひまわり畑付近でゆっくり車窓を見る事が出来るように速度を落として運転する」との案内が出ていた。この事はJR東日本HPプレスリリースにも掲載があった。だが気付いたのは帰宅後である。実際にそれを知ったのは「現地で」である。それによると2023年は8月13日(日)~8月27日(日)の昼間の列車が対象との事だ。2024年は8月10日(土)~8月12日(月・山の日)と短いものであった。それでも「烏山線ひまわり畑」は”夏の新名物”ともなるもので、地元の方はご存じなのであろうが、全国的にはあまり知られていない。再び烏山線に乗る。
 
 
↑宝積寺14時49分発333М烏山行きに乗る。334Мの折り返し運用かと思いきや宇都宮駅で車両差し替えになった(元々からそういう運用と思われる)。今度はV2編成EV-E300-2となった。烏山線100周年ヘッドマークは車両により見事にデザインが異なる。これが”見もの”だ。
 
 
↑これが「ひまわり畑🌻」だ。場所的には小塙駅すぐ近くだ。地元では小塙駅付近の「ひまわり畑🌻」は有名である。JR東日本も毎年5月に宇都宮統括センターの社員が種まきを行うという。GoogleMapsで確認すると数台分の無料駐車場と那須烏山のアメダス観測点があるだけで、住宅は少なく、コンビニ等の販売店は付近に見当たらない。小塙駅の1日平均乗車人数は10人前後とかなり少ない。烏山線を乗っているだけでは特に印象に残らない駅なのだろうと思う。結局は大金駅と烏山駅に注目してしまいがちだ。
この「ひまわり畑🌻」は良い風景だ。夏はこの「ひまわり畑🌻」を烏山線の車窓から見たり、直接ひまわり鑑賞するために小塙駅に行くのは良いだろう。個人的には「夏には必ず訪れたい新名物観光地」になりそうだ。ただ2023年もそうだったが夏は猛暑日が当たり前。烏山線は昼間2時間に1本しかないため、下車してひまわり鑑賞は体力的には厳しい所もある(当然熱中症対策も必要)。とは言いながらも夏の風物詩として毎年現地で見たい(烏山線列車の車窓からでも良いので)と思った。
 

【烏山駅でも充電設備がある】

 
↑烏山線に全区間乗車する。終点の烏山駅にもACCUMに充電する事が出来る設備がある。折り返し時間中にパンタグラフを2基上昇させて電車のバッテリーに電池残量を増やしておく。満タン(80%)になるまで数分で完了する。
 
 
↑EV-E301-2の烏山線100周年ヘッドマークは違うデザインだった。烏山線の歴代車両が登場している。この違いが見ていて面白い所だ。
 
 
↑烏山駅はJR東日本ステーションサービス(JESS)受託の業務委託駅だ。券売機(近距離乗車券用と指定席自動券売機)もある。乗り鉄にとっては烏山駅の充電シーンは注目点で、これを見学したり撮影する人がそれなりにいる。駅前は昔の面影を残している。少し歩けば飲食店、スーパー、コンビニもある。駅舎は新しくなっている。明るい雰囲気の待合室だ。
 
 
↑そのまま折り返し15時38分発の336М宝積寺行きに乗る。パンタグラフがない車両(EV-E300-2)を見ると見事に充電設備は無かった。それがあるのはパンタグラフがある車両(EV-E301-2)部分だけで、他に電力設備がホームの端にある。
烏山線はキハ40の時代にも何度か乗った事があるが、非電化区間でありながらも「スマホ電車」が走っているのは驚きで、技術の日進月歩で実現したものと言って良い。とは言ってもバッテリー残量の関係で非電化区間ではせいぜい30~40キロ程度しか走行できないようで、極端に距離が長い非電化区間では走行できない。これはバッテリー充電容量のアップが今後行われないと距離を延ばす事は難しいものの、スマホ搭載の”バッテリーのもち”は年々増えてきているので、ACCUMのバッテリーを新型に置き換える場合(前述の通り8年に1回程度は交換が必要)容量がアップしたバッテリーになるだろうから、非電化区間での走行距離は延ばせそうな気がする。JR東日本管内で導入できそうな区間はそう多くはなさそうな気がするが(左沢線が良い所か?)、今後も増えそうな車両ではある。
336Мは宝積寺で670М宇都宮行き(E131系TN8編成・クハE130-608乗車)に乗り換えるダイヤになっているが、やはり3両しかないので混雑していた。
 

 

【土日と山の日以外は平日ダイヤが多い】お盆期間中は平日ダイヤ?休日ダイヤ?どちらで運転されるか

 

お盆期間中(例年8月13日~15日)は国民の祝日ではない。例えば月曜日や火曜日だといわゆる「旗日」にはならず「いつもの平日」である。慣例的にお盆期間中は夏休みとなって、帰省や旅行等で鉄道を使う事も増える時期だが、果たして平日ダイヤなのか?それとも休日ダイヤなのか?簡単に述べる。

 

【基本的には月曜日~金曜日は平日ダイヤ・土曜日と日曜日と山の日は休日ダイヤで運転される】

 

2024年の場合だが、8月のお盆期間中の曜日配列は以下のようになる

9日(金曜日)

10日(土曜日)

11日(日曜日)

12日(月曜日・山の日)

13日(火曜日)

14日(水曜日)

15日(木曜日)

16日(金曜日)

17日(土曜日)

18日(日曜日)

19日(月曜日)

↑この間に「旗日」となるのは12日(月曜日・山の日)だけ。土曜日と日曜日は休日ダイヤで最初から運転されるが、山の日に関しても休日ダイヤとなる。

これは全ての「旗日」で言える事で、例えば飛び石連休となった2024年3月20日(水曜日・春分の日)のように前後の日が平日で週の真ん中だけ「旗日」であったとしても、この日は最初から休日ダイヤで運転される。

従って、お盆期間中に土曜日・日曜日・山の日以外の日は平日ダイヤで運行される。

そのため、特急湘南、ホームライナー静岡、特急らくラクびわこのような平日ダイヤ限定で運転する列車(主に通勤特急・通勤ライナー)も当然ながら運転される。JR本州3社とJR四国、そもそも休日ダイヤが存在しないJR北海道(つまりJR九州以外のJR旅客5社)は概ねこの通りである。駅頭や鉄道会社HPには「お盆期間中の月曜日~金曜日は平日ダイヤで運転」と言う案内は行っていない。

 

【逆にお盆期間中の平日も休日ダイヤで運転される場合は必ず案内が出る】

逆にお盆期間中の平日も休日ダイヤで運転される事はある。

 

近鉄では、お盆期間中の2024年8月13日(火)~8月15日(木)は土・休日ダイヤで運行します。

【運行ダイヤ】
8月13日(火) 土・休日ダイヤ
8月14日(水) 土・休日ダイヤ
8月15日(木) 土・休日ダイヤ
8月16日(金) 平日ダイヤ

 

お盆期間中の運行ダイヤについて | お知らせ | 近畿日本鉄道 (kintetsu.co.jp)

 

↑このように鉄道会社HP、時刻表(JTB時刻表等の紙媒体・スマホ乗り換えアプリ等)には「お盆期間中の平日も休日ダイヤで運転」との案内が必ず出る。もちろん駅頭の時刻表や掲示物にもその旨の案内が貼りだされている。

これは私鉄に多い傾向(JRと直通運転しない社が中心)で、JRグループではJR九州が唯一である。「JTB時刻表」によれば、2024年のお盆期間中は8月10日~8月15日は休日ダイヤで運転する。

 

【お盆ダイヤと「のぞみ」全車指定席とは何も関係が無い】

これは余談だが、東海道・山陽新幹線「のぞみ」全車指定席として運転する期間は2024年お盆期間は8月9日(金)~8月18日(月)である。輸送障害が発生しない限りこの期間中「のぞみ」に自由席は存在しない。表題にもある通りお盆ダイヤとは何も関係が無い。来年(2025年)以降も同じ日に「のぞみ」が全車指定席になるとも言っていない。

これは過去の利用実績(単純な利用者数もあるが、過去の曜日配列と同じになった時の実績も重視する)や利用予測に基づいて、その都度日付を変えている。一般的にはお盆休み前日(特に午後から)混雑が始まり(帰省ラッシュ)、休み初日と2日目は終日混雑、休みの中盤は空いている事もあるが、休みの終わり頃や終わりの日は再び混雑する(Uターンラッシュ)…事がわかっているので、そういう日に「のぞみ」全車指定席としているのである。

JR各社の本音としては「オフピークシフト」を促したいのが狙いで、お盆休み・年末年始・ゴールデンウィークと言ったあからさまに混雑する日に利用してもらうのではなく、3連休とならない土日やその他の平日に分散して利用してもらいたいのだ。

2021年頃までは8月は毎日繁忙期扱いの特急料金であったが、2022年頃からは7月や8月の平日に閑散期の特急料金が出てきている(東海以西のJR各社)。逆にお盆期間中はさらに値段を高くした「最繁忙期」(通常期と比べ+400円)の特急料金が新設された。一部を除きお得なきっぷもお盆期間中(概ね8月10日~8月19日)は利用停止期間となっている。