アフガニスタン北部バルフ州の州都マザリシャリフ。古くから軍事・交通の要衝である同市は、今月始まった駐留国際部隊からアフガン当局への治安権限移譲の最初の対象地域の一つだ。米英など国際社会は2014年末までに全戦闘部隊を撤収させるが、反政府勢力タリバンは昨年ごろから、同州など北部で勢力を拡大。牙城の南部地域ほど頻繁なテロはないが、「強力な外国軍に守られたい」とタリバン襲来におびえる市民も多い。
「この国の歴史を見てほしい。いつ自分に危険が迫るか分からない」—。繁華街でレストランを経営する男性(26)はタリバンの勢力伸長が怖いと率直に明かす。男性はタリバン政権下の00年に出国し、05年まで4年間ドイツで暮らした。同年帰郷し、市に展開するドイツ軍通訳の仕事に従事。今年3月にレストランを開店した。
売り上げは「順調に伸びている」と誇らしげだが、気掛かりは治安の行方だ。市内は首都カブールと違い米軍の装甲車もなく一見平和だが、市の西方チェムタル地区ではタリバンが勢力を拡大している。「もし治安が再び悪化したら家族全員での国外脱出も本気で考える」と男性。「『永遠』とは言わないが国際部隊に駐留継続を求めたい」と語った。
タリバンは1996年に首都を制圧して政権の座に就いた後、98年にマザリシャリフに進駐、6000人とも言われる異民族大虐殺を行った。その恐怖は今でも市民の脳裏から離れない。
タリバン政権は一切の娯楽を禁止。音楽CDの販売店を営むタムキンさん(56)は店じまいを余儀なくされた。現政権で再開にこぎ着けたが「今度は国際部隊が撤退する。残された国軍は大丈夫か…」と言葉少なだ。
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