阿部麗也の世界タイトルマッチの結果&短評 | KG大和ボクシングジム会長ブログ

阿部麗也の世界タイトルマッチの結果&短評

日本時間3月3日(日)IBF世界フェザー級1位でKG大和ジムのエースである阿部麗也が王者アルベルト・ロペスに挑みました。


もちろん、阿部麗也にとっての初海外の試合であり、KG大和ジムにとっても初の世界タイトルマッチでした。


チーム阿部麗也は全員で10名。
(写真に映りたくない息子ちゃんが一人後ろに隠れてます…)

たくさんのスポンサー様からの協賛もあり、麗也のメンタルまで考えた陣容で挑む事ができました。

チームの目的はただ一つ
『初の海外タイトルマッチに挑む阿部麗也をストレスなくいつも通りの状態で試合に挑んで貰う事』
でした。

正直、相手のアルベルト・ロペスは本当に強いチャンピオンで強敵でしたが、それ以上に初の海外タイトルマッチにどのように挑めば良いのか❓❓というチームの仕事にも気を使った戦いでした。

まずは海外での試合経験のあるたくさんの方々から情報を教えていただきました。

更に英語がしゃべれてボクシングにも詳しいKG大和ジム・OBの中野敬太を招聘して現地でのコミュニケーションを円滑にしました。

その敬太の活躍で現地入り後の練習場所であるボクシングジムも確保出来ました。

更にインターネットを駆使&敬太の情報網から現地の気温や環境などもしっかりと阿部麗也&チームで把握。

そうして、たくさんの小さなアクシデントはあったものの、全ては想定内という感じでクリア出来ました✋😁

初の海外タイトルマッチとしては80点以上を付けられる位のサポート体制で本番に挑む事が出来たと思います。

当日も『試合開始時間は決まっている』と言っていたにも関わらず、開始30前にミット打ちでウォームアップ中の所で、すぐに試合を始めたいとの言葉が出て来てビックリ😱😱😱

しかし、そんな事もあるとは聞いていたので
『OK、OK!!でもアップ終わってワセリン塗ってガウン着てからにしてね』
って言ったら
『なるべく急いでね』
と、あっさり引き下がり…

5千人の観客が阿部麗也のワセリン塗り&ドレスアップTimeを待っているという状況にはちょっとニヤついてしまいました✋😉

しかし、リングに上がればやる事は一緒!!との考えは甘かった😅😅😅

これは2R目のアクシデント時に書きます🤔


それでは試合開始です。

序盤は圧倒的に強いアルベルト・ロペス。
パンチの打ち方が普通ではない+フルショットでガンガン振って来る
ので
『ポイントは取られても構わないのでダメージを貰わずパンチの軌道を確認して、ペースを取られない』がテーマでした。

1R目は正にそんな展開でしたが…

その圧力と一瞬の踏み込みのスピードは予想を超える迫力かありました。

これは、スタミナが落ちてくる4R目位まではポイント全部行かれるかも??と思ってしまう程の攻撃力でした。

そして、2R目に早くもアクシデントが!!

レフェリーと選手が被ってしまい良く見えない角度でしたが、麗也がダイレクトの左を出した所にロペスの左フックがとヒットしていたようです。

麗也の左も当たってはいるのですが、威力はそらされた感じでした。

その直後に右目の周りがみるみる腫れ上がり…

これはヤバい!!と感じました。

そして、ラウンドを終えてコーナーに戻って来た麗也を見ると、更に悪化していて…

『うわっ、なんだこりゃ〜!!』

と声が出てしまう程腫れてるじゃないですか😰😰😰

角度的に良く見えていなかった私は『これヒッティング?』
と聞くと
『ヒッティングです』との答えです。

いよいよヤバい😱😱😱

しかし、ヒッティングである以上、何とかしなくてはなりません。

エンスウェルで冷やして流すのは無理と考え、親指で体液を流す方法に切り替え対応。

何とかまだ目は見えてる!!

というレベルです。

正直12R使ってスタミナに難があるロペスを攻略する予定は変更せざるを得ない状況に追いやられてしまいました。

しかも、阿部麗也自身が『後一発でも右目付近にパンチを貰ったら止められる』という状況を理解していた為、不用意には攻め込めません。

更に言うならば、まだ3R目が始まる所なのでロペスの猛攻を最低でも2ラウンドはこの状態でしのがなければならないという絶対絶命のピンチです。

しかし、その状況の中でも阿部麗也は必死にロペスのパンチをかわしています。

それでも当然と言えば当然なのですが腫れが気になり、いつものような思い切った攻撃が出来ません。

そのような状況では余計にロペスが調子に乗って気持ち良く攻める!!

という負の連鎖が出来上がってしまいます。

そして、更に状況を悪化させる事態が起こってしまいます。

インターバル中に先にドクターと通訳の人間がリングサイドに上がってしまいセコンドが椅子すらまともに出せないという状況。

当然選手が飲む水も出せません。

これは完全に私のミスです。
『先にこっちのセコンドがリングサイドに上がる!!』と私が言わなければいけない場面でしたが、麗也の状況に気が行き過ぎていて、その後ろの状況まで見えていなかったのが本当に悔やまれます。

何しろ私より先にドクターがリングサイドに行こうとするじゃないですか?

さすがにそれは『俺が先だ!!』って言って上げてもらいましたが…

きっとドクターも焦っていたのでしょう。

その状況が正常化するまでの2回(最後までドクターは俺から見て右サイドを占領してましたが…)のインターバルではセコンドワークもフル回転で行われました。

逆サイド担当である関島トレーナーが機転を効かせて水を手渡してくれたり、もう一人のセコンドである佐藤さんも椅子だけは先にねじ込んでくれたりと選手への影響は極力抑えられたとは思います。

しかし、それでも絶望的な試合状況は続いています。

その中でも麗也は致命打は貰わず、懸命にやるべき事を遂行し…

ラウンドが進んでも腫れは酷くなるどころか少し収まっている感じすらありました😲😲😲

ドクター&レフェリーは試合を止めたがっているのが感じられる中、遂に5R目位からロペスが休み休みボクシングをするようになります。

ここでグイっと行きたい所でしたが目の腫れが気になり『止められない事が最優先されて、行ききれなかった』と阿部麗也が後に述懐した通り煮え切らない展開になり…

そして、唯一の見せ場となった6R目もヒットは取るもののダメージを与えるには至らず…

ポイントは取れたかな〜!?というラウンドを作りましたが、後からジャッジペーパー見たら取れてなかったです…(T_T)

それでも、流れが少しづつ麗也に来たかと思った次のラウンドはまたロペスの猛攻。

『流れ』すら渡してくれません😰

そして、勝負が決まった8R目は開始30秒程で観客を煽ると怒涛の連打でストップを呼び込まれて8RTKO負けとなってしまいました。

アルベルト・ロペスは本当に強かった!!

今回は完敗です。

しかし、あれだけの苦境に立たされながら試合を通して、ほとんどクリーンヒットを貰わなかった所か反撃する場面すら作って見せた阿部麗也も本当に大和魂を見せてくれました👍👍👍

阿部麗也とKG大和ジムスタッフは共に本当に貴重な経験を積む事が出来ました。

この経験を元に捲土重来です!!

必ずやもう一度この舞台に戻って来ます。

今回は及びませんでしたが、その時はもう一回り強くなって帰ってくるので、皆様もちょっとだけお待ち下さいm(_ _)m

そして今回ご協賛頂いたスポンサー様です。

(株)エルビーシステム
(株)小菅不動産
(株)ハウスリード
(株)スタイリッシュホーム
(株)泉心会メディカルサービス
タイガーアンドアソシエイツ(株)
住宅情報館(株)
綾瀬ライフスタイルクリニック
いたさか歯科医院
アース鍼灸院・接骨院
医療法人援腎会
株式会社 La Beaute
(有)徳江生花店
(株)トラスティー
福吉塗装(株)
アリアンス(株)
太田宏樹行政書士事務所
吉留 隆樹
黒船屋
中村司法書士事務所
ラーメン杉田家
東京ディライト法律事務所
(株)アクアパルス
瀬谷中央接骨院
麺処 にぼし香
(株)せんざん
英エンジニアリング(株)
(株)やまやコミュニケーションズ
(株)オーグ うさぎのしっぽ
(株)安田物産
(株)FLAVA
(株)ジャレック

順不同。

今回の遠征に際してこんなにもたくさんのスポンサー様にご協賛頂き本当にありがとうございました。

結果は出せませんでしたが、本当にしっかりと阿部麗也をサポートする事が出来ました。

この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。
KG大和ジム会長
片渕剛太


以上。
今回は負けました。


追記
阿部麗也は念の為、病院に直行してCT検査をしましたが脳や骨に異常はありませんでした。