株式会社Peace 土井けいじです。
飲食店の経営に携わっているので、なぜそのお店に人が集まっているのか調査を兼ねて行くことがあります。
食べログの人気店、会社員の時にはお金を貯めて記念日しか行けなかった高級店や、リーズナブルでつい足を運んでしまう地元のお店など色々な所に行っています。
その中でも、高級とリーズナブルは相容れないことだと思っていましたが、それを実現したのが、「俺のイタリアン」のお店だと思いました。
その創業者の方が、どんな思いで立ち上げて、結果にしてきたのか興味があったので、『俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアンの成功哲学』という本を先日読みましたので、ご紹介します。
この本は、ブックオフの創業者でもあり、俺のイタリアンなどを手掛けてきた坂本孝さんによって書かれています。
ブックオフを創業し、1000店舗になるまで育て上げ、一部上場までして同社を退任され、引退も考えたそうです。
しかし、師匠である京セラの創業者の稲盛和夫氏がJALの経営再建に携わることに触発され、新たに飲食業である俺のイタリアンの事業創設や、起業家の育成にも取り組まれてきました。
まず、「人が大事」というのがこの本のテーマになっています。
サブタイトルが「仕組みで勝って、人で圧勝する」ということからも分かります。
良い仕組みだけでは上手く行かず、その仕組みを動かす人が何より大切だし、「人材こそ最大の競争優位性」と書かれていました。
お客様に喜んでもらう料理を提供するためには、どれだけ腕の良い料理人を集められるか育成できるかがポイントになります。
創業当初から良い料理人を集めるために、理念やビジョンをしっかり持って想いを伝えていくことで、それに共鳴した人たちが集まってくるんだなと思いました。
次に、人を育てるということにも重きを置いていました。
料理学校卒業生は、皿洗いをし、料理の仕方を盗んで、一人前になるまで最低10年かかるので、料理人になったとしても数年後ほとんどが辞めてしまうそうです。
しかし、俺のイタリアンでは学ぶ場を設けて、20カ月で一人前に育て上げる流れを作っています。
学ぶ場の他に、現場のお店でも、料理人が後輩を育てる文化が出来ています。
その文化が根付いてきたのは、先輩料理人の評価されるポイントが、何人の後輩を育成したかだったからです。
またホールとキッチンは役割が分かれていて相互の協力を通常のお店だとしないそうですが、俺のイタリアンでは、垣根を超えてホールがキッチンの仕込みを手伝うなど一体感が生まれているそうです。
これも俺のイタリアンが、「仲間のために汗をかく」という理念を大事にしていることが原因だと思いました。
最後に、坂本さんは働く人を第一に考えているなというエピソードがあります。
ブックオフ時代、上場を目指したきっかけも、従業員の方が、自分は上場企業で働いているんだという地位向上や誇りが持てるからという目的があったそうです。
「1人が10ワットの電球だったとしても10人いれば100ワットで、一つの方向を照らせば一点突破できる」という言葉がとても印象に残りました。
自分一人でなく、みんなで成長し力を発揮していこうという文化を作っていけるのは楽しいことです。
同じ事業家として、自分のビジネスでもそういう状態を実現していきます。
ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
今後も色々な本を紹介していきます。
土井けいじでした。