知って得する八十八夜!毎年ゴールデンウィークの真っ只中に話題になりますが、そもそも八十八夜ってなに?
どうして茶摘みと関係あるの?私達にとって嬉しいしきたりもご紹介します。
今のご時勢、店頭ではためく八十八夜ののぼりは増えていますが、大空を泳ぐ鯉のぼりは減っています。
⇒鯉のぼりのつぶやき
毎年ゴールデンウィークの真っ只中に八十八夜が話題になり、各メディアのニュース、店頭ののぼり、広告のコピーなど様々なシーンで見聞きしますが、そもそも八十八夜とは何でしょう?
八十八夜とは?
十五夜といえば新月から15日目の満月をさしますが、八十八夜は立春から88日目という意味。
昔は立春が暦の基準になっていたので、立春を基準にさまざまな決まり事や節目があるのです。
毎年5月2日ごろ(2017年は5月2日)にあたりますが、その年の立春の日付によって八十八夜もずれます。
八十八夜は季節を知らせる雑節(※)のひとつです。
立夏(毎年5月6日ごろ)を控えた春から夏への境目で、この頃から気候も安定してきますね。
不意に訪れる遅霜も降りなくなるため「八十八夜の別れ霜」といわれ、八十八を組み合わせると「米」という字になることから、様々な農作業の目安にされてきたのです。
※雑節とは季節の変わり目を把握するための暦日で、人々の暮らしと密接に関係し、農作業などの目安とされていました。「節分」「彼岸」「入梅」「土用」なども雑節です。
八十八夜といえば…茶摘み
新茶の季節♪八十八夜に茶摘み娘の格好をしてPRする産地も多く、その様子が報道されます。 |
「夏も近づく八十八夜……」で始まる文部省唱歌『茶摘み』の影響で、八十八夜といえば茶摘みのイメージ!
八十八夜は茶摘みを行う目安でもあったため、季節の話題として茶摘みをする様子がニュースになるわけです。
とはいえ、実際の茶摘みの時期は産地によって違いますし、品種改良が進んで早期化傾向にありますが、
絣にたすきがけの茶摘み衣装を着て茶摘みをする様子は季節の風物詩であり、産地のPRとしても大切なんですね。
昔から、八十八夜に摘んだお茶を飲むと長生きすると言われています。
今はまさに新茶の季節。新茶はテアニンという旨味成分をたっぷり含み、脳のアルファ波に作用してリラックスさせたり、集中力を高める効能があります。
風味も抜群ですから、旬の味をぜひ堪能してください。
柏餅や粽と一緒にぜひどうぞ。柏餅や粽を食べる理由を知るとさらに美味しいですよ。
八十八夜に夏じたくを始めると吉!
ひとつでも夏じたくをしてみると、何かいいこと起こりそう♪
|
八十八夜は農作業の目安だけではありません。
前ページでご説明したように、八十八夜のすぐあとに立夏がやってきます。
そこで、八十八は末広がりの縁起のいい数字でもあるため、夏じたくを始める吉日として親しまれてきたのです。
そこで、八十八夜の当日に何かひとつでも夏の準備をしてみてはいかがでしょう。
例えば……
●夏用のガラスの器を出す
●夏用の日傘、帽子、手袋などを出す
●玄関のサンダル、スリッパを夏用に替える
手軽にちゃちゃっとするだけで、運気も上昇し気分もいいかも!
八十八夜を機に、夏じたくを進めましょう
すっかり初夏の日差し…… 薫風がカーテンを揺らします。
|
また、ゴールデンウィークの真っ只中ですし、気候のいいこの時期にインテリアや寝具も夏じたくしてしまいましょう。
梅雨をさっぱりと過ごす知恵でもあります。
●カーテン、ソファーカバー、クッションカバーを夏用に替える
●省エネにもなるすだれ、よしずを活用する
●座布団やカーペットをい草に替える
●夏掛け布団やタオルケット、夏用シーツに替える
●初夏に出荷される「釣りしのぶ」に注目してみる
⇒ 空中のオアシス「釣りしのぶ」で夏を楽しむ
八十八夜は現代でも暮らしのアクセントにできるんですね。
近づく夏を感じながら、ゴールデンウィークの楽しみのひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
暮らしの歳時記ガイド 三浦 康子