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(p.179)

 

ステラ パパ、おねがいよ、それは不可能だわ。続けていられないわ。私、自分の頭が破裂するように感じる。パパにどうだっていうの? 私をマドモワゼル・フルーと共に数分間放っておいてくれることが。

 

アメデ 私は反対に、この妙な会話に寛容であってはならないことの、最も断固とした最上の理由を、持ち合わせているよ。

 

ステラ だけど、それはひどすぎるわ。パパには権利の無いことだわ…

 

アメデ この場合、問題は権利ではない。神聖な義務が問題なのだ。

 

ステラ パパは、私がマドモワゼルにどういう質問をしたいのか、知らないわ。

 

アメデ 私がとりわけ知らないのは、彼女がお前の質問に何を答えることが出来るだろうか、ということだ。

 

ステラ じゃあ、何か恐れていることがあるの?

 

アルノー すみませんが、マドモワゼル、あなたには見えませんか? 私の妹が神経発作の瀬戸際にあることが。

 

(p.180)

 

フルー嬢 マダム・エレーヌ・シドニーは、しばしば、物を心霊的に飛翔させて、救いの役割をさせます。

 

アメデ もうたくさんです、マドモワゼル。私たちはその種のことは充分にお聞きしました。あなたにこの家を去らせるよう、あなたは私に強いていますよ。

 

フルー嬢 (非常に鋭い声で)私はその種のことは何もしないでしょう、ムッシュー。あなたの召使をベルで呼んでください。見ようではありませんか、彼が身体障害の女性に敢えて手を出すかどうかを。

 

第十五場

 

同じ人物たち、エヴリーヌ

 

エヴリーヌ どうしたの?

 

ステラ エヴリーヌ、私を助けてちょうだい、エヴリーヌ…

 

アメデ 私のエヴリーヌよ、お前がもうちょっと早く現われていれば! お前はマドモワゼルの口から、最高に慰めになる確約の数々を収集したことだろう。世界が今にも救済されようとしているみたいだ…

 

(p.181)

 

エヴリーヌ えっ、何ですって?

 

アメデ ブルドッグ然としたご婦人と、ゴルフに興じる熾天使とによってね。

 

アルノー エヴリーヌ、ステラを連れて行ってくれ。彼女はもうしっかり立っていられない。

 

フルー嬢 私は出て行きましょう、出て行きましょう… 私は熟慮しました… 何を私はあなたがたに再度教えることが出来るでしょうか?(アルノーに)想像ですが、あなたは成年ですか?…

 

アルノー 何の関係が?

 

フルー嬢 成年ですか?

 

アルノー 僕は二十四歳です。

 

フルー嬢 では、あなたは手紙を受け取りましたね…

 

ステラ 何の手紙を?

 

(p.182)

 

アルノー どんな手紙?

 

フルー嬢 あなた方のお母さんがご自分の公証人に受け負わせた、死後公開の手紙で、あなた方に保存させる手紙です。正確には、あなた方の多数決によって。

 

アルノー そのこしらえ事はどういったものですか?

 

フルー嬢 あなたのお父さんに訊ねてください、こしらえ事かどうかを。

 

ステラ パパ…

 

アメデ 気違い女に報告すべきことは無いね。

 

フルー嬢 ねえステラさんや、あなたのお母さんの公証人のガルドフ先生に手紙を書くことよりも簡単なことは、あなたには無いでしょう。あなたは簡単に彼の住所と電話番号を見つけるでしょう… さあ、さあ、私はあなたに構わずにおきますよ。私は安心しています。あなたはある善い感応の許にあります… では、あなたの天体の主題を、そのうち私に送ってください。ではまた、皆さん。(出て行く)

 

(p.183)

 

第十六場

 

アメデ、エヴリーヌ、アルノー、ステラ

 

ステラ その手紙というのは何なの? アルノー、私に誓って…

 

アルノー ステラ!

 

ステラ じゃあ… その手紙はかすめ取られたのね。パパ!

 

アメデ 精神錯乱の非難は相手にしないことにしよう…

 

ステラ (自分の額に手をやって)ほんとうね、私、気が変だわ。エヴリーヌ、私、気違いになってきている… 私も… (アメデに)パパのせいよ。どうして何も私たちに一度も言おうとしなかったの?

 

エヴリーヌ 落ち着いて、ステラ、おねがいよ…

 

ステラ この終わりの無い、理解されない病気… 心の、心の病気、と言うのね? でも、何が私に強いるのかしら? あれを信じるようにと。理由無く閉じ込められる人々がいるわ、邪魔になるからといって… それを否定しないで。私は知っている、それはやって来るものだということを。私はそれを読んだのよ。そしてその時からなの、私がもう生きていないのは…

 

(p.184)

 

アルノー でも君はうわごとを言ってるよ、ステラ、僕は誓って言うけど。

 

ステラ 何があなたに、そう断定するのを許可しているの? 何をあなたは学んだというの?

 

アルノー それは小説の類だよ。

 

ステラ あんたは卑怯よ、多分、共犯的なね。私はあんたを軽蔑する、あんたと、あんたの宗教を。その宗教は、すべてを受け入れ、すべてを忍び、誰をも助けず、誰のためにも戦わない。

 

エヴリーヌ それにしても君は不公正よ、忌まわしいわ。後悔するわよ、アルノー…

 

ステラ (アメデに)私にほんとうのことを言ってちょうだい。何があったの? どうして私たちは実のお母さんと一度も再会しなかったの?

 

エヴリーヌ (アメデに)アメデ… あなたに権利はないわ…

 

アメデ 恐れてはいけない、エヴリーヌ。

 

(p.185)

 

ステラ (エヴリーヌに)あなたもよ、あなたも私を見捨てるわ… ああ! おぞましいわ… ママ! ママ! … (アメデに)もし、あんたが話すのを拒否するなら、私は出て行くわ… 私は消え失せる… 誰も私がそうするのを妨げない…

 

アメデ 私の言うことをお聞き、ステラ、最後に。この異常な催告によって…

 

ステラ 言わないで!

 

アメデ お前は言い張る、自覚も無く。私がそれに同意する… 私の良心に悪しき行為を負わせることだ。

 

ステラ あんたの良心! もしあんたがそれを知っていたとしても、私にはどうでもいいわ!

 

アメデ お前はこの事実にとても深刻な責任を負っているのだよ。

 

ステラ さようなら。(ドアへと駆ける)

 

エヴリーヌ ステラ! (ステラを引き留めようと努めるが、ステラは遂に身を解き放つ)

 

(p.186)

 

アメデ あの子は出て行きたかったのだろう。

 

エヴリーヌ アルノー! 後生だから!

 

アルノー 彼女の家出はもう止められないよ。

 

アメデ ステラ、数か月前に、私の意向に反してお前が読んだ小説があったね。

 

ステラ あんたが話していることの覚えがないわ。なぞなぞは止めて…

 

アメデ じゃあ、私は、お前が私に求める様に、はっきりとさせよう… 毒殺未遂の結果なんだよ…

 

ステラ 何ですって?

 

アメデ 私はあやうく、その犠牲になるところだった — 私は、お前たちの不幸な母親の監禁を強く求めるよう、強いられたのは。

 

ステラ 毒… 母がパパを毒殺しようとした?

 

(p.187)

 

アメデ 私はその反論できない証拠を持っていた — そして彼女自身、これを認めた。… 私には、私たち三人を守るのに、ほかの方法がなかったんだ。

(沈黙。ステラは椅子の上にがっくり崩れ落ち、茫然としている。アルノーは跪き、両手で頭を抱えている)

 

エヴリーヌ (彼らの処へ行き、彼らを自分に強く抱き締める)私の愛しいあなたたち… わが子や… わが子や!…

 

 

 

 

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(第一幕 終わり)