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きみの演奏を「みる」機会が多くはないことが残念だけれども、きみの奏法は曲一曲に応じて、「この曲はこれ」、というように、奏法が、「弾く形」が、決まっているのでしょうね。曲に合う「形」を丁寧に形づくっているのがよく分かる。きみのように、曲に応じた演奏の形を感じさせ知覚させてくれる演奏家を、ぼくはほかに経験したことがない。なにより、その「弾く形」が、ぼくを納得させるものを、そして感覚的に受け入れることができるものを、持っている。このように受け入れられる形を演奏が持っていること自体が、ぼくにとっては珍しい。きみが一曲一曲に入魂していることが、きみの演奏からは際立って知覚されること、この知覚そのものが稀な喜びであることを、ぼくは記しておきたいと思ったのです。すべてが曲の実現(レアリザシオン)のための必然であるという、厳しく自然な統御しか、そこには無い。