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昨日の節に付け加えたいことはこれであった。神との関係の本質はじつに闘争的な、その都度具体的な限界状況の我有化であり、神との和睦や一致であるよりもむしろ神と格闘する〈相撲を取る〉ことなのだ。この実存的我有化の分だけ、人間の神意識は、闘争的なまま深まる。ベートーヴェンの信仰もこのようなものでなかったかと思うのだ。神と格闘した者の信仰だ。ヤスパースの信仰がまさにそのようなものであったことは、その哲学自体が語っている。