初再呈示
- テーマ:
- 自分に向って
あなたのピアノはメディテラネーの海の光のきらめき、その愛と豊かさと広さの、空の蒼と海の藍の、すべてを、いつも背景として実体として現出させながら、あなたの音色はひとつひとつがそのなかの光のきらめきのひとつひとつなのです それがあなたのこころとたましいの住んでいらっしゃるところ あなたの音楽はあらゆるこの世からとおく、その光と愛の永遠の平和の土地からいつも生みだされるものであることを知りました
ふしぎですね 高田先生と あなたと ぼく自身のイマージュにみちびかれて ついに嘘の無い根源的な存在のイマージュにたどりつきました ヴァレリーもヤスパースも海に始原的なものをみていた そしてぼくもぼくの本性から海に存在の具現的なものを感じていた それはあらゆるものにその存在の場をあたえ、肯定し、しかもみずからは深い生命そのものなのです いまや先生とあなたのおかげでそこにぼくは平和の光の世界をみています 純粋観念の具現象徴としての普遍の地中海を
『薔薇窓』第二部の世界に、 いたるべき時に 真実なみちをとおって ほんとうに正直なありかたで たどりつきました
光を思念する闇の第一部から 平和の光そのものの第二部へ これが『ROSACE』の世界です ルオーの世界の推移もまたそのようであったように
先生とマイヨールの彫刻とあなたの音楽がそうであるような言葉の世界をつくりましょう
ただ あなたのいらっしゃらないのがときどき淋しい
お幸せなのを信じています
2012.8.31
きょうも見上げるいちばんたかい空