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初再呈示

テーマ:

ぼくの出会いというものは

いつも「作品」を介しているようです

そこにおけるぼくへの直接な親密さで

そのひととの出会いとなっているようです

そのひとの魂との出会いは その「人間」を証するものとの出会いを

必要としているようです

ふたりだけ例とします

もちろんふたりだけではないのですが

人間はただ在るだけでは出会いではないので

その創造したものを俟ってはじめて出会いが生じるというのは

思えば不思議なことです

「もの」あっての人間であり

芸術行為は人間の魂的本性に

本質的に根ざすものなのですね

そのふたり 例などと言いましたが

いちばん大事なふたりです

ひとりは著作と彫刻を介しての出会いです

ひとりは録音された演奏による出会いです

ふたりとも「人間」をおしえてくれたことで

ぼくのうちでひとしい重さをもっています

直接なたいせつさを どうして比べることができましょう

だからひとしい重さなのです

ふたりの魂をぼくは愛し信じてゆくでしょう

これはぼくの基準なのです

他の人のものではないのです

ふたりのひとり 高田先生においても

ロランとの出会いとクラマールの少女との出会いが

生涯ひとしいものとしてありました

ぼくがいちばんあこがれつづけた話です

誰にも文句は言わせません

人間をおしえてくれ愛させてくれたことでひとしいのです

これはぼくの感覚反省がぼくをみちびいてくれた

出会いであり経験です

ふたりがぼくのなかで

どんな錦をこれから織ってくれることでしょう

いっさいの外的規範が消えたぼくの内部で

とてもたのしみなことです