マクロン仏大統領、プーチン大統領の言葉に即答

 

 

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上に紹介させていただいた御記事とは別に、覚書する。先週のN響番組でチャイコフスキーの「くるみ割り人形」全曲がアメリカの指揮者で演奏された。その際の指揮者による解説で殊更であるかのように強調されたのが、チャイコフスキーの天才(アメリカ人バーンスタインが認めたものとしての)とともに、当時のロシア文化界ではフランス語が話されていたことだった。ぼくはその強調が音楽とどう結びつくのか分らず、むしろ今の国際情勢下での、何らかのメッセージ性を感じた。アメリカはロシア文化を否定しない、そして西洋とロシアとの結びつきを積極的に肯定する、というような。

 そしてきょう、偶々、文化教養的にも比較的しっかりしている方の、上の御記事(仏露の対話の可能性についての)を拝読し、そこでの仏大統領の露国への積極的可能性の示唆的発言は、フランスのスタンドプレーではなく、アメリカの了承とバックアップを受けているのではないかと推測した。アメリカもそれほど馬鹿ではなく、どこかでロシアとの落としどころを模索しており、文化的関係の強調はそのための媒介になると考えていておかしくない。文化的な国ロシアとの再接近の環境づくりに、アメリカは根底において意外なほど積極的で、それに仏大統領は乗って応じていると推せられるようなところが、紹介させていただいた記事そのものにも、活性要素として感じられる。