人間の行為は、人間のその都度の状況に制約された、人間のその都度の了見から為されるものであり、天使のものとも悪魔のものとも動物のものとも神のものとも見極めのつかないものである。ただ、いつも思うのだが、そういう人間の意識的でもあり非意識的でもある行為に、超人間的なものの意図が働いているのではないか、と、かんがえる余地は、可能性としてあるように思う。

 

モーリス・ブロンデルの『行為』(1893)という本は、邦訳でも文章表現がとても難しく、なかなか片手間に読めるものではなさそうだが、ぼくの思うようなことも書いてあるかもしれないと、これを研究の中心にする暇も気もないながら、気にして時々繰っている。